魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

431 / 453
RYUのトークタイムは、多分そんなに続かないと思うけど。


トークタイム突入

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハイスピードたちの歌も終わり、一旦CMが流れる。その間に席を移動して、出番が終わった出演者たちは後ろへと座っていく。

 そして残っていたのは、omegaとRYUだけだった。omegaは番組の締めを担当するため、RYUは新人枠として設けられているコーナーで出演するのだった。そこでは新人たちの紹介PVやファン達のコメント、新人アーティストの推薦をする芸能人達のVTRまで流れる。それはRYUも例外ではなかった。

 

 初めにファン達のコメントが並び、声が盛り上がってきたところでRYUのデビュー曲のMVでのサビ部分が流れ出す。MVが流れ始めた途端、観覧席から黄色い声が沸き起こるがすぐに収まった。収録中であるという事は、生放送で自分達が全国で見られている事になる。マナーとしてはあまり良くない行動だ。だから気持ちを抑えて観覧し続ける。

 

 ………ならよかったのだが、すぐに声が収まったのは、感動のあまりに観覧者たちが失神したり、気絶したり、号泣する自分を必死に堪えてみたりとファン魂が暴走した結果だった。

 

 そのままMVからデビュー曲をタイアップして宣伝していた初仕事のCMまで流れ出し、「このCMで更に瞬く間に名を広めた。」とか、語りだす。

 このVTRもRYU本人もモニターで見ているが、何とも言葉にならないくらい居心地が優れなかった。そこまで言われるほどうまくアイドル活動してきた覚えはないし、実感さえない。紹介の仕方もむず痒く感じる。

 

 ようやく紹介VTRも終わり、やっとトークタイムに移る。しかしRYUにしてはここからが本番で、気を抜けない時間が始まるのだった。

 

 

 「紹介VYRを見てみたけど、やっぱりRYU君は目覚ましい実力を持っているんだね!さっきの対決もいきなり前代未聞の最高得点を取ってみせるしね!いつもは何をしているんだい?」

 

 

 MCがトークを盛り上げようとRYUに話しかけてくる。この話の振りは常套手段でもある。しかし、ミステリアスで個人情報が一切公開されていないRYUのプロフィール。今後のためにも今公開してしまうのは避けなければいけない。(それにプロフィールの管理は真夜が行っており、必要になってきたりすれば真夜が完璧までの個人情報を発行する事が出来る。これにはRYU本人も触れる事は出来ない。ただその設定に従うまでなのだ。)

 

 

 「…特に何も。運動と勉学をするだけだ。」

 

 

 当たり触りもない回答を述べるRYU。しかし嘘という訳でない。RYUを演じる達也は高校生で、勉学や運動も日夜しているのだから。そう答えたRYUは、視線をMCとぶつけながら情報収集の攻防戦に対して最善を考えていたのであった。

 

 




達也が歌う!! さてわくわく止まらないぜ!
…本格的な歌詞ではないので、期待はしないでね?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。