魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ただの歌番組で終わらせないぞ~。(棒読み)

今のうちは、瞼にテープを貼って、目を閉じないようにしている…。(本当かウソか…。)


ミュパラ、オープニングスタート!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 番組スタッフがカウントダウンを始め、ついに歌番組『ミュージックパラダイス』がカメラを通して、全国へ配信される。

 

 

 「こんばんは、みなさん。ミュパラの時間がやってきました!今日もMCの私が、今日も一日頑張って疲れ切っているあなたやこれからテンションMAXで酒を飲もうとしているあなた、そして~!!この番組を視聴されている全国の皆さんに楽園気分を味わってもらえるようにお送りさせていただきます!」

 

 

 MCの男性がすかさず流し目をカメラ目線でお届けするスタイルは、もうこの番組では定番になっているようで、観覧席にいる中年女性達からは黄色い声が上がっている。

 

 

 「ふむふむ、いい感じに場も温まってきましたね~。何を隠そう!!今回のミュパラは豪華なゲストたちを招いていますから!!

  名付けて…”超人気アイドル達のパラダイス~~”!!

 

  今日はアイドル達の歌と素顔を交え、皆さんに愛と幸せをお届けします!!

 

  では、さっそく参りましょうか~~!! ゲストに登場してもらいましょう~~!!」

 

 

 MCが意気揚々と紹介し、スタッフがササッと登場して持ってきた箱に空いた穴に腕を突っ込んで何かをかき混ぜながら取りだそうとする。

 これもミュパラでは伝統行事とも言えるもので、MCがくじで引いたお題に沿って、出演者たちが登場しながら行うオープニングセレモニーみたいなものだ。このお題は絶対必須であり、避けては通れない。誰もがこれをしなければいけないが、このお題に沿ってアピールすればいいだけなので、本気で取り組んだり、笑いを取るためや新しい自分を見せるために利用したりとする事も問題ない。現に、このオープニングセレモニー的なアピールをした事で、そのアイドルが急遽ドラマ主演に抜擢される事もあるし、次の仕事に繋がる絶好の機会でもある。

 

 登場を待つアイドル達は、裏でMCが何を引くか気になりながら、せめて自分の得意なお題が出るように祈るのであった。一度お題が出ると、全員同じお題で取り組むしかないし、変更もないだけに必死に拝む姿もあった。

 

 

 「…はい。今日のお題は………”フリースロー”!!

  

 

 MCがお題を発表した瞬間、煙が噴き出して壁が開いてゴールが出てくる。合計でバスケのボールが十個現れるが、それらはランダムに動いており、一筋縄ではいけない事が否応もなく理解できる。しかも一番スピードが速いゴールは得点が高いし、他のゴールに入れようとすれば、妨害するように動くのだ。バスケがうまくても難しいのは明白だ。しかも、ゴールとの距離がおよそ二十Mほど離れている。難易度が更に掻け上がった事は言うまでもない。

 

 

 説明も終えたMCは、このお題をする初めのアイドル達を呼ぶのであった。

 

 

 「それでは挑戦してもらいましょうか!! まずは……”マグナム”!!!」

 

 

 大きく手を招いて呼びかけたMCの手の先に登場の際のカーテンが開かれ、双子アイドル”マグナム”が笑顔を作って、手を振りながら登場する。

 

 その登場する少し前では、彼らは『『今日も無理難題なお題が出てきた~~!!無茶ぶりしすぎる!!』』と嘆いていた事は一緒に登場を待っていたアイドル達しか知らない…。

 

 




「アイドルの見せ場を作るためさ!!ハハハ!!」

…だそうですよ。

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