魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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いや~、誰って言われても、こいつしか出てこないよな~。


燃え上がる熱き少年

 

 

 

 

 

 

 

 

 廊下で絶叫が響き渡り、楽屋から顔を出して来たり、様子を窺うために出てきたりと、ちょっとした騒ぎが集まった。そこで、響歌はすぐさま、RYUを部屋の奥へと押し込み、他の楽屋からRYUが見えないようにひっこめた。…さらなる混乱を避けるために。

 

 そしてその原因を作った目の前の固まっている青年に注意する顔で話しかける。

 

 

 「いきなりなんですか、貴方は。ここは廊下ですよ、叫びたいなら、本番でやってください。ではこれで。」

 

 

 さっさとドアを閉めようとした響歌の冷たい態度に我に返った青年は、すぐに閉まろうとしているドアへ足を挟み、閉められないようにする。すると小柄な身体が役に立ったからなのか、隙間に身体をねじらせ、見事に楽屋へ入り込んだ。響歌は追い出そうとするが、一瞬のRYUの視線で放っておいても構わないと告げられたため、放置する事にした。

 

 

 「おい!俺に会っておいて無視するなんてどういう了見してんだ!!」

 

 

 「君、自分が公然で迷惑かけたか分かっていないの?」

 

 

 「そ、それは…、どうしてもこいつには言っておきたい事があったんで!!」

 

 

 どうしても話をしておきたかった事は本当なのだろう。響歌に謝りつつ、その傍らで、久しぶりに再会したRYUに対し、闘志丸出しの勝負を振りかけていた。

 

 

 「この前はお前に負けてしまったが、次はお前に勝ってやるっ!!さぁ、勝負だ!!」

 

 

 「……わざわざ人の楽屋に押し込んできて何かと思えばそれか。」

 

 

 勝負を挑まれた方のRYUは完全に呆れ返った様子で、青年を見る、その様子に青年の様子も変わる。自分の勝負を鼻で笑ったから怒るのではなく、RYUの底知れない何かを直感し、一瞬だけ恐怖を感じたのだ。しかしそれもすぐに収まり、今あらためてRYUをみても、恐怖は感じなくなった。身震いしそうになるくらいの恐怖…(決して武者震いではない)が次の瞬間には消えている事に、青年は本能的にこの場を後にした方がいいと思った。

 

 

 「う、うるぜぇ~!! と、とにかく!! 俺はお前なんか認めないからな!今日だって俺達の方が上だってことを証明してやるっ!!」

 

 

 逃げ際の捨て台詞のようになってしまったが、青年はそれだけ言うと、ドアを開け楽屋から出ていこうとした。

 この時、ここから出られたらどれだけ気分が清々しかったのだろうと青年は後程思う事になる。

 青年がドアを開けた時、今度は目の前に自分の仲間達と遭遇する事になったのだから。

 

 

 「お! なんだよ、こんなところにいたのかよ、リーダー!」

 

 

 「なかなか戻ってこないから心配したんだよ?」

 

 

 「…てか、何で人の楽屋の中にいてたんだ?」

 

 

 「もしかしてリーダーはそう言う趣味が…?」

 

 

 「まぁまぁみんな落ち着け、例えそうだとしても俺達は温かく迎え入れるべきなんだ。すまないな、大丈夫だ、俺達はそんなお前だった事を知らなかった事に詫びるよ。それからそんなお前でも、付き合ってやるぜ。…翔琉。」

 

 

 親指を立てて、ウインクする長身のイケメンやその後ろにいる仲間達がシンクロして頷く様子に声を掛けられた本人…、翔琉は今度は本当に怒りで身体を震わせる。

 

 

 「違~~~~~~~~~う!!!!」

 

 

 また廊下に絶叫が響き、その発信源とされた楽屋の持ち主であるRYUは、心の中でやはりこいつは面倒だなと、今度は蔑んだ瞳を翔琉の背中を見続けた。

 

 

 




やはり翔琉でした~~!!

そしてみなさんごめんなさい!!完全にキーボードに指を置いた状態で寝落ち&転げ落ちて床で爆睡してました!

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