「それでは達也さん、これからは任務において藤林さんが貴女のサポートに就いてくれますので、遠慮せずにね。」
「…はい、畏まりました。」
達也の意思に関係なく、決定した事項であると言外で告げ、これまで一人で負担していた事も響子を使うようにも言い渡され、達也は真夜の命令に従う意思表示をするしかなかった。それでも達也はそうと決まれば、有効的な手段を考え、実行するだけだが。それに達也自身、響子がマネージャーになる事に反対している訳ではない。寧ろマネージャーをしてくれた方が、時間調整もスムーズになるだろうし、響子とは互いに性格や事情もそれなりに知っている。無駄な仕事のオファーを自分が知らない内に受けたりはしないだろうという安心感もあり、この案には賛成だった。
しかし、響子がマネージャーになるのがなぜ今なのか?という疑念があるため、渋っていたのだ。マネージャーを依頼するなら、初めの頃に組み込んでいた方がこれまでの仕事でもやりやすかった。しかも響子は達也と違って、人付き合いもいい。仕事を見つけるのが人脈だという意味合いが強いこの芸能界では、力になるのは確かだ。だから達也は、真夜が今切り出してきたこの共同任務の申し出の訳が理解できなかった。今まで触れてきてなかった芸能界の事だけに、いつものような先も見据えた思考がうまくできない。
「そんなに固く構えなくていいですわ。これも計画の一環で下から。」
しかし、真夜からの話で、その苦労は必要なさそうだ。達也はその理由を聞くと同時に、許容範囲を聞き逃さないように気を配る。何でも真夜から聞こうとすると、非常にまずい事が起きそうな予感が垣間見えたからだ。
「この件は元々依頼するつもりだったという事ですか?」
「ええ、その通りです、風間さん。我々四葉家は十師族の中でも力があると言われていますけど、それは完璧ではありません。やはり芸能界に関しては、そこまでの人脈を伸ばしていませんから、弱い部分があるのですよ。ですからこれらに特化し、アシストできる人材がサポートしていただければ、もっとことを円滑に進めると思っておりました。」
それで藤林を抜擢したというのであれば納得ですが、それなら前々から我々が先にコネを作りだす事も出来たと思いますが、なぜ今なんです?」
風間が達也が聞きにくい事まで聞いてくれるものだから、達也は余裕を持って聞く事が出来た。
「試していたのですよ、達也さんを。」
真夜が一言だけそう呟くと、紅茶を飲んで続きを話そうとしない。しかし、達也はその一言だけで真夜が何を考えて、この任務を見ていたのか、理解していたのであった。
原作にて。
遠山司…、許すまじ~!! 達也を消そうとするなんて!あ…、出も理由が達也が七宝に話していた内容と被る気が…。もしこれに当てはめてみたら、達也が悪という事に…。いや~~!!
現時点での感想でした。(まだ半分くらい?)