魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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アイドルストーリーらしくなったかな?


響子の役割

 

 

 

 

 

 

 

 

 「どうしてそのような流れになったのですか?」

 

 

 三人のうち一番初めに意識が復活した達也は、真夜に呆れ感を隠さずに問いただす。いくらなんでも軍人にアイドルのマネージャーをしろと言うのは、無理があるのではないかと思ったからだ。

 しかし達也の意見なんて気にもせずに真夜は既に決定事項だと言わんばかりの態度で視線は響子に固定していた。

 

 

 「藤林さんはどうかしら? RYUのマネージャーをして下さるかしら?あなたなら日頃から風間さんの秘書的立場でサポートをしている訳だし、スケジュール管理等はお手の物でしょう?マネージャーとしての力量も十分あるとみているのよ。

  大丈夫よ、やる事は今と大して変わらないわ。 如何かしら?」

 

 

 「とてもお話はありがたいですが、いきなり言われましても私にも予定がありますから…。」

 

 

 「あら、それなら大丈夫よ。既に風間さんからあなたの予定を買い取っているから。風間さんから予定は入れないように言われているのではなくて?」

 

 

 「そうでした。申し訳ありません、忘れていました。」

 

 

 忘れていたわけではないが、常套文句での誘いを断る手段は破断してしまい、これは既に決定なんだと理解した。風間には予定は入れないようには言われていたが、この為だったのかと思えば、納得できる。納得はできるが、まさかアイドルのマネージャーをするためだとは誰も想像できないでしょ。

 

 

 「いいのよ、気にしなくて。ちゃんと給料も支払いますわよ? 後…そうね~、佐伯さんからは許可をもらっているから安心していいわ。」

 

 

 佐伯から許可をもらっているのなら、自分が断れるはずもない。完全に遊ばれたと知って、ムッとするが確かに真夜が言っている通り、マネージャーとしての働きは秘書としての働きと似ている部分が多々ある。やれない事もないし、何より面白そうだからやってみてもいいかなと考える響子だった。

 

 

 

 「畏まりました、その任務は私も参加させていただきます。…達也君の、RYU君のマネージャーとして。」

 

 

 「助かります、ありがとうございます。それでは今からあなたの端末にRYUのアイドル活動のスケジュールや契約事項、時間区分等をこの任務を達成するために必要な情報を渡しておきます。葉山さん。」

 

 

 「はい、ではこちらで御座います。」

 

 

 今まで真夜が把握し、スケジュールを組んでいた書類のコピーを響子に渡し、引継ぎをする。

 

 そのデータを読んでいきながら、響子は自分がこの任務で与えられたマネージャーとしての役割を果たす事を引き受ける事にいたずらっ子が次の悪戯を考える様な顔で楽しみを抱くのであった。

 

 

 




一度は断ってみたけど、本当は響子はやってみたかったと思うんだよね~。マネージャーもそうだけど、アイドルも?

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