魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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今日も短編だ~~!! 主に同級生グループでの集まりになるね。
昨日の投稿文と最初はつながっている部分があるので、読んでみてね!


クリスマス短編 皆でクリパ!!

 

 

 

 

 湯気が顔から沸騰するように白い肌が真っ赤に染まった深雪は、普段通りにするべく、ちょっとだけ自分自身に魔法を使った。身体に回る血液を常温に冷やし、活発だった脈も正常の速さに戻す。上がり気味だった鼓動も落ち着き、達也とも会話できるようになった。しかし、未だに顔は見れずにいる。

 そこに、水波が帰ってきた。

 

 

 「遅くなり申し訳ありません、達也兄さま、深雪姉さま。ただいま戻りました。」

 

 

 「おかえりなさい、水波ちゃん…。あら?ドどうしたの?浮かない顔してるわ。」

 

 

 「あ、あの、本当に申し訳ありません!」

 

 

 突然頭を下げて、謝りだす水波の態度に深雪はどう声を掛けたらいいか分からない。買い物で遅れたからといって、ここまで謝る水波は初めてだ。だが、達也は水波がなぜ謝っているのか、知っていた。いや、知ってしまったと言うべきか。

 水波だけでない複数の気配を感じる事で…。

 

 

 「へぇ~! ここが達也君達の家ね~。ちょっと意外だったかな~。」

 

 

 「そうだよな~。達也たちの事だから、もっと大きくて豪華な洋館に住んでいると思ってたぜ…。」

 

 

 「ふ、二人とも…! 勝手に上がったらだめだよ~~!!」

 

 

 「柴田さんの言うとおりだよ、いきなり押し掛けるなんて礼儀がなっていない。」

 

 

 「あら~?そう言う二人も一緒にお邪魔してるじゃない?」

 

 

 「「あ…。」」

 

 

 「隙あり! …達也く~~~ん!! サプライズ訪問しちゃった~~!!驚いた~~!!」

 

 

 腕を引っ張って止めようとしていた二人から腕を解放し、リビングに現れたのは、疑いようのなく、エリカだった。その後にレオ、慌てて美月、幹比古の順で入ってきた。

 

 

 「ああ、驚いた。」

 

 

 「その割には、全然驚いた顔してないじゃん!?」

 

 

 「水波が敷地に入ってきた時点で分かっていたからな。初めは驚いたが、もう平気だ。」

 

 

 「……相変わらず、達也君にはサプライズは効かないようね。」

 

 

 「どうも。」

 

 

 「褒めてないって!!」

 

 

 達也がエリカに軽く言葉のお返しをして、レオ達に顔を向ける。

 

 

 「それで?いったいどういう事だ?」

 

 

 「いや~、今日はクリスマスだろ?休日だし、幹比古と色々遊び回って、解散しようかと思ったところに、重そうな荷物を持って、急いで帰ろうとする桜井と会ったんだ。」

 

 

 「だけど、桜井さんがガラの悪い男子に絡まれていたから、助けて荷物を持ってあげる事にしたんだ。」

 

 

 レオと幹比古の説明で、一瞬だけ水波を見ると、唇を噛み締めていた。日頃から深雪のガーディアンとして励むために鍛えている水波は既に成人男性を瞬殺できるほどの腕前だ。しかし、それを人通りが激しい場所でする訳にもいかないし、荷物もあったため我慢していたのだろう。それがこの事態になった始まりであるため、今更だが後悔する水波だった。

 

 

「それで、私と美月が鉢合わせして、水波ちゃんと一緒に来たわけ!」

 

 

 「ごめんなさい、達也さん。」

 

 

 悪戯好きな笑顔を浮かべるエリカとその対照的とも言える申し訳ないという顔をして謝る美月を交互に見て、達也は小さくため息を吐く。

そして、深雪と水波に視線を向け、苦笑しながら話す。

 

 

 「とにかく水波が無事帰って来てくれてよかった。ここでエリカたちを帰すのも悪いし、このままパーティーでもするか?」

 

 

 「良いですね、お兄様。 料理も多めに作っておりましたし、みんなでした方がきっと楽しいですから。ね?水波ちゃん?」

 

 

 「あ、はい…。深雪姉さま。」

 

 

 ここで帰すと、エリカとレオが意気投合して拗ねそうだったので、まだクリスマスパーティーを始める前でもあったし、エリカたちを誘った達也。達也の決定に深雪が逆らう事はない。ほんの少しだけ不服だったが、逆にさっきまでの気まずさに戻らなくてもいいと考える事で、甘い夢とも決別する。

 そして、水波も自分が招いてしまったことなのに、達也も深雪も咎める事はなく、エリカたちを歓迎するので、受け入れる事にした。

 それでも、せめてこの家にある四葉家に関する物には絶対に視界に入れないようにしようと肝に銘じる水波だった。

 

 

 

 

 

 こうして、達也と深雪と水波の三人で行う予定だったクリパは、突然の訪問で司波家を訪ねてきたエリカたちも急遽加わって、一気に賑やかになる。

 

 大きな七面鳥の肉をレオと達也は大食い競争をしたり、深雪達女子がどこから用意したのか、マイクを持って、カラオケする。

 

 そんな風景を傍から見ながら達也は、「たまにはこういう休日もいいかもしれないな…。」と笑みを浮かべる。

 

 

 「達也君!そんな所にいないで早く早く~~!!」

 

 

 「わかった、今行く。」

 

 

 「お~い、準備できたぜ!」

 

 

 「それでは、いきます。」

 

 

 「あら、何をしているの?水波ちゃんも早く来なさい。」

 

 

 「ですが、深雪姉さま。そうすると……」

 

 

 「タイマー機能がついているはずだ。それを使って入っておいで、水波。」

 

 

 「…分かりました、達也兄さま。」

 

 

 ガチッ

 

 

 

 「早く、よし! じゃあみんな~、行くわよ~!せ~~~のっ!!」

 

 

 

 

 「「「「「「「メリークリスマスっ!!」」」」」」」

 

 

 

 パシャっ!!

 

 

 

 達也たちの楽しそうな笑みを映した今日だけの記念撮影が一枚、見事に撮れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




文章力が落ちてしまった。ごめんよ~。明日は、本編に戻るから~~!!

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