魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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実はうちは亜夜子好きなんだよね~。もっと達也との絡みを入れたいほどに。原作でももっとスキンシップ取ってほしいよ~!!


カラスの反応 その3

 

 

 

 

 

 

 

 

 休日も終わり、いつも通り学校に通った亜夜子は、昨日に続いて届いた報告書を情報端末で読んだ。そこには新たな新情報が載っており、真夜が独立魔装大隊の風間と響子と会談する予定だという事が書かれていた。

 それを見て、ついに本腰を入れてきたと思った亜夜子は、自分もこの任務のために準備する事にした。しかし、この件についてまだ文弥には言わないでおこうと考えていた。亜夜子は文弥にある事をしてもらいたかった。本人は大層嫌がるかもしれないが、最終的に呑み込むであろう。だが前もって話しておくと、逃げ道を確保してくる場合がある。それを防ぐためと、単純に内緒にしておいた方が面白そうだという姉的弟のからかい視点の理由も含まれていた。

 

 

 「ご当主様が何を企んでいるのかはある程度見当がついていますし、我々の任務にも影響してくるでしょうね。…お父様がこの事を知ったら、怪訝な顔をなさるかもしれないですけど、今進行中の任務がスムーズになるなら、渋々納得するしかないでしょうね~。

  ご当主様もここまでお考えなのでしょうから。」

 

 

 一人でなにやら先を読んでいく亜夜子の様子は、どこか真夜に似ていた。

 

 

 「もしかしたらご当主様が達也様をこの任務に付けたのは、お父様達、分家の当主様たちに達也様の存在意義を否応なく見せつける事で、達也様の四葉での地位を確立にするためだったりして……。」

 

 

 昔からなぜか亜夜子と文弥の父親、黒羽家当主である黒羽貢は、達也を魔法師として認めず、煙たがっていた。自分達愛する子供の前ではそれなりの不愉快さはあるものの、笑顔を浮かべていたが、達也本人が傍にいない時や自分達がいない時は毒を吐いていたのを何度か見た事があるし、部下から聞いた事もある。それは他の分家の当主もそうだし、四葉家本家の使用人達も同じように達也を見下している。

 達也を軽んじている理由は知らないが、そんな態度を取る彼らに対し、亜夜子は気に入らなかった。もちろん父親も例外ではない。父親の事は好きだ、母親が早くに亡くなっているため自分達の事を母親の分まで愛でてくれて、若干愛しすぎるのではと思うくらいだ。しかし、父親が向ける達也への冷たい言動は嫌いだ。

 

 誰だって愛する人を蔑むような視線を向ける人に対して好意を抱けと言われて、持てるものではない。

 

 亜夜子は達也の事を世界最高の魔法師だと尊敬しているし、自分のアイデンティティを作り上げてくれた恩人であり、そして……初恋の人だ。

 

 

 「もしそうなら、大変うれしい限りですわ。お父様も達也様の事を認めてくれれば、達也様との結婚も一歩近づく事が出来ますし♥」

 

 

 願望が叶った時の妄想を思い浮かべる亜夜子は、真夜の計画に賛同するとともに、その計画に少し修正するつもりで、情報端末とにらめっこしながら模索していくのであった。

 

 

 その後ろ姿を心配そうに見つめていた文弥は、何かあると勘付くが、何かあったら教えてくれるだろうと思い、そっと亜夜子から離れ、集中させてあげる事にした。

 文弥的にはこの時、声を掛けて話を聞き出しておいた方がよかったんだが…。

 

 

 




家々の事情って色々ありますからね。

よし次からは、世間体を入れて見て、話しを進めましょうかね?

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