魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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そう、カラスっていうのは、亜夜子の事でした~!本当は”乙女”って言いたかったけど、それすると、ほのかや深雪達に非難されそうで・・・。


カラスの反応 その2

 

 

 

 

 

 

 

 

 弟の文弥を女装で着せ替えまくって弄りつくした亜夜子は、気分がすっかり良くなり、今は自分の部屋で小型のモニターでテレビ番組を見ていた。

 文弥は弄られた結果、かなりの身体的・精神的疲労を伴い、明日は学校なため、早く就寝する事にした。(寝る事で亜夜子から逃げようとしたという理由もあるが。)

 隣同士である文弥の部屋から物音が聞こえなくなったのを確認して、亜夜子はさっき録画しておいたCMや特集番組を見始めた。

 

 その番組には、最近人気を博している大型新人アイドルのRYUが映っていた。

 

 

 「……さすが達也様ですわ~♥ こんなに凛々しいお姿を見られるなんて…♥

  本当にご当主様には大大大大大感謝ですわ!!」

 

 

 頬を赤らめてうっとりとした瞳でモニターに食いつく亜夜子。

 

 しかし、RYU=達也だとは本当なら亜夜子は知らないはずなのだ。達也がアイドルをやるという任務を知っているのは今のところ、この任務を言い渡した真夜と葉山さん、それから独立魔装大隊の佐伯に、風間を含めた幹部達だ。最もこの中でこの任務の真意を理解しているのは先の三人だけだが。

 だから、この任務に関わってさえいない亜夜子が知る由はないのだ。それなのに達也がRYUとなってテレビに出ている事を知っているのはなぜか…。

 

 

 「私の勘がやはり当たりましたわ!! 達也様、ご当主様からこのような命令を受けていらっしゃったなんて思いもよりませんでしたが、これであの時抱いた違和感が解消されました!!」

 

 

 テレビに映るRYUのMVを見ながら、納得顔で萌えて語る亜夜子は、先程リビングで見ていた情報端末からメールを開いて、その内容を再度読み返す。

 そこには、達也の行動を記した内容や芸能界での実績、潜入調査等といった今までの詳細な報告が送られていた。しかもこれは一騎に送られてきたのではなく、一日ごとにその日の行動を報告させていたのだ。亜夜子にそれなりに好意を持つ黒羽家の部下の一人を使って、情報を手にしていた。だから亜夜子は達也がアイドルをしていると知っていたのだ。

 そもそも発端は、達也の家に行って、真夜から一高に議員が突然訪問するという伝言を伝えに行った時だ。真夜から預かっていた封筒を達也に渡した時、一瞬だけ顔が歪んだ達也を鋭くしていた神経のお蔭で見逃さなかった亜夜子は、あの後達也について黒羽家の諜報能力を使って調べる事にしたのだ。もちろん、監視等には物凄く鋭く、簡単にいかない達也を監視するのは、高層ビルの屋上からスコープなしで蟻のように動きまくる人込の中からターゲットを探して追いかけるくらいに難易度が格段に上がっている。それでも気になってしまうのは、乙女の性か…。愛する人の事を知りたいという恋心がその無理難題を振り切って、実行に移すのだから。

 

 数々の黒羽家の諜報を使って、ついには達也が日常と少し違った行動をするようになった事を突き止めた。その報告を達也が無事恒星炉実験を成功させ、翌日に記事になった日の朝、送られてきたメールから知り、捜査を続行させた結果、現在に至る…。

 

 

 「四葉内でこの事を知っているのは、ご当主様と葉山さん、そして達也様のみ…。あの深雪お姉さままで知らない事を私は知っている…。ふふふ、こんなに優越感に浸れるなんて思いませんでしたわ。これは使わない手はありませんわね♥」

 

 

 なぜか勝ち誇った顔をして、含み笑いをする亜夜子は、さっきまで食い入るように見ていたCMを日が変わってもリピートして鑑賞するのであった。

 

 




伏線回収できた~~!!

さて、亜夜子は何を企んでいる事やら。そして達也をマークできるなんて黒羽家の諜報能力、すげーな、おい!!

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