魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

365 / 453
独立魔装大隊の活躍も考えてますよ、…本当だよ!!


同胞の反応 その4

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それでいつまで達也君を監視し続ければよろしいのですか、隊長。」

 

 

 報告も終わったため、以前から気になっていた疑問をぶつけてみた。達也の監視を始めて早三週間ほど経過していた。先にも語ったように、四葉家から連絡が入っていない以上、情報収集と監視のためには必要以上の態勢で行う必要がある。現に今までの達也の監視は見張りのエキスパートが行っていたが、重要案件へと急遽上ったため、更なる監視の強化として、響子が選ばれた。真田は響子のサポートで同行する事になった。

 上からの直々の命令のため、二人は文句は言わなかったし、日頃の達也を観察するのも悪くない、寧ろ面白そうじゃないかと真田がわくわくする顔で言うほど、任務に意欲的だった。響子も「達也君相手にどれだけ私の腕が通じるか…、前から試してみたい気分があったのよね~。」と首を回して、腕を伸ばして伸びをする。

 

 そんな二人だったわけだが、さすがにずっと毎日のように駐車場や喫茶店で寛ぎながら、監視するのもそろそろ飽きてきたのだ。いつまでという機関も定められていないため、先が見えないし。真田は日課が芸能活動が入っただけでいつもの言動を熟し続ける達也を見て、徐々に同じビデオを繰り返し再生してみせ続けられているように感じるようになった。今ではたまにあくびを出す。一方で響子も若干飽きてきたが、一番の理由は、駐車場でも喫茶店でも真田と恋人の振りをしなくてはいけない事だ。監視すると言っても、何気ない普通の一般人を装っている必要があるため、二人が恋人同士だと思われた方が席に近づいてこようとはしてこないし、話しかけてこない、恋人だけの空間を壊そうとして来ない。都合はいいけど、響子はあまり好きではなかった。

 

 …以上の事から、響子は風間に聞いてみたのだが、返事するまでに間があった。

 

 

 『…………俺からは何とも言えんな。この任務を告げたのは、佐伯閣下だ。あの方が命令を撤回するか、撤退を申し上げない限りは続行だろう。』

 

 

 独立魔装大隊の隊長とはいえ、第一〇一旅団に属する家庭上、その旅団長である”銀狐”と影では呼ばれている、佐伯広海より権限の優先度は低い。ましてや旅団長の命令を勝手に修正して、命令を下す訳にはいかない。

 

 

 「ですよね。 ではせめて人選を変えてほしいですのですが?」

 

 

 「酷いな~。藤林君、僕は君に嫌われるような振る舞いしたっけ?」

 

 

 「先程まさにしていたと思いますけど?」

 

 

 「任務中でだよ。僕は忠実に”君を愛する恋人”を演じていたつもりだけど?」

 

 

 「……お言葉ですが、真田さんが爽やか系を追究した結果、貴方が席を外した時、ナンパが絶えないんですよ。正直言うと、サポートにもなっていないです。ナンパされている間、監視をシャットダウンしないといけませんから。」

 

 

 「……え? それはホントかい? ……知らなかった。」

 

 

 本当に知らなかったらしく、乾いた笑いで誤魔化すしか思いつかなかった真田。響子もただの愚痴のつもりだったので(半分は本気だったが)、自分の要望が受け入れられるはずがないと思っていた。

 

 

 

 ……しかし、そう考えるのは早計だったかもしれない。

 

 

 『……すまない、二人とも。仲睦まじくプランを議論しているのは光栄だが、先程、佐伯閣下から呼び出しを受けた。私はこれで席を外すが、終わり次第、また連絡を入れる。』

 

 

 「佐伯閣下からですか? 」

 

 

 「…! もしや…。」

 

 

 『真田、察知がいいな。ああ、佐伯閣下からの呼び出しの際に、一言伝言があった。

  ”四葉から連絡が入った”と。』

 

 

 念願の(心待ちにしていたとまではいかないまでも、早く四葉から情報を入れてくれないのかと焦りと恐怖、緊張が走る)四葉からの連絡に、二人は息を呑むのだった。

 

 

 




四葉から連絡来た~~!! 四葉とのパイプを持つ数少ない軍人の一人である佐伯閣下。

一体何が語られるのか~~!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。