今日中の投稿が叶わず…。
「水波、所で御前に聞きたい事があるんだが…。」
「はい、なんでしょうか?達也様。」
「…俺が帰宅するまでの間の事なんだが…」
「え?」
達也が話を切りだした途端、水波は顔の血の気が引いていった。そして体が小刻みに震えている。だが本人は冷静に努めようと姿勢を崩そうとしない。意地を見せていると言えば分かると思う。
だから水波のこの反応の仕方に達也は確信し、掌を水波に向ける。
「もういい。話さなくていいぞ。その代わり、俺が今から独り言を言うから、それに相槌等をしてくれるだけでいい。…できるか?」
「は、はい…。」
「なら、始めるぞ。」
水波から話を聞くのは無理だと判断した達也は、独り言と称して推理を口にし始めた。
「まず深雪は俺の帰りが遅いとかいう理由で、拗ねていなかったか?特に帰る時間は言ってはいなかったが、確かに早く帰ろうと思えば帰れたんだが、思いのほかやる事が山積みで連絡できなかった。水波には苦労かけて悪かったな。」
「いえ、そのような事は…。私はただ深雪様を御傍でお守りしていただけです。」
「ああ、水波のお蔭で出かけられる頻度も増えた。助かっている。だが、深雪はそれがどうやら気に入らないんじゃないか?それが深雪が暴走した理由だろ?」
「え? 深雪様は…暴走していませんよ?」
ギクッという顔を分かりやすく見せた水波に『やっぱりか~』とため息を吐きたい気分を堪えて、先を進める。
「言葉通りの意味での暴走ではない。魔法の暴走…つまり、リビングで極寒の空間ができたんだろう?」
「……何でその事を…?」
隠そうとしていた水波だったが、あまりにも当たっていて、驚きのあまり、つい本当の事を滑らせてしまった。
「簡単だ。ガラス戸を見れば分かる。」
そう言って、ガラス戸の方へ指を指した達也。その指先を視線で追って、眼を拵えて良く観察する。
「あ…。」
そして水波は気付いた。
達也は水波が気づいた事を察知し、説明する。
「極寒の空間となれば、慌てて精神を落ち着かせて、元の状態に戻そうとしても、冷え切った空気は早々直る物ではないからな。その証拠にガラス戸には結露でできた水滴が見えるだろ? あれは氷炎地獄と同じで、温かい空間と冷えた空間がぶつかれば結露が発生する。外は春になってきたからか、一気に温かくなってきた。この室内と外の温度差が離れすぎて、季節遅れの結露ができてしまったんだ。
(結果はどうであれ…)。」
「す、すごいです。達也様。」
全て当たった水波は驚きのあまりに、立ち尽くすのであった。
すみません…、また寝落ちしてしまった。