魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ほのかなら絶対に目がハートになるね


友人たちの反応 ほのか&雫編その6

 

 

 

 

 

 

 

 「実はつい先日に新発売されたシャンプーを使いだしたんです。」

 

 

 「市販のものなの?」

 

 

 「はい。女性のお客様達にぜひこのシャンプーで洗ってほしいという要望が多数あったので、試験的な意味で変えてみたのですが、それがお客様に好評でして、今ではすっかりこれに助けられてます。」

 

 

 店長がシャンプー台からそのシャンプーを持ってきて、雫やほのかに見せた。既にほのかのカットは終わっており、ふんわりとした髪にまとまっていた。首の自由ができたほのかがシャンプーに書かれた商品名を口ずさむ。

 

 

 「…えっと、…『プリンセス』? こんなメーカーって今までなかったよね?」

 

 

 「新しく開発されたものだよ、ほのか。さっき店長がそう言っていた。」

 

 

 「あ、そうだった。忘れてた。」

 

 

 「でもほのかの気持ちもわかる。一見そんなに高価なモノにも見えないし、市販されている物なら一般のシャンプーと大差ないと思う。何でこれが人気なのかな?」

 

 

 「わ、私も知らないよ~。 今初めて目にしたんだもの!」

 

 

 雫がほのかに視線で問いかけるが、ほのかは首をブンブン振って否定する。雫はお金持ちでお嬢様だから、入浴の際に使うものもそれなりに高価なものだ。しかし、ほのかとの長年の付き合いで一般的に流通している物にもほのかを通じて知っている。だから、自分の知らない庶民道具でもほのかなら知っていると考えた上での問いかけだった。まぁ、結局ほのかも知らなくて答えられなかったが。

 そんな二人を見て、若干驚いた顔をして、店長が話す。

 

 

 「…お二人とも、ご存じないのですか?あのCMを?」

 

 

 「CMって?」

 

 

 「もしかしてこのシャンプーのCMの事ですか?」

 

 

 「はい、そうです。実はこの商品のCMが今人気絶叫でして、それがもとで今、全国の女性の間では売り切れ続出になるほどの人気商品なのですよ!

  ぞくぞく、どきどきが止まらない…、女性なら憧れる世界を魅せてくれるんですよ!だからCMで宣伝しているこの商品に皆さんが群がり、先程も言いました通り、売り切れになるほどの人気なので、手に入れたいのに手に入らない方々がせめてもの救いとして、美容院に足を運んでくる…という訳です!」

 

 

 話している最中にどんどん興奮していく店長。どうやら店長も今を時めく女性達と同じくCMにハマりこんでいるのだ。

 その証拠にスクリーン型の情報端末を持ってきてくれて、録画をしていたCMを見せてくれた。

 

 

 「二パターンあって、SUN/MOONって分けて読んでいるんですよ!マニアの間では、それぞれに登場する男性の事を、SUNBOY、MOONBOYって呼んで、応援しているそうです。

  私の推しメンはMOONBOY様です! あの大人びたオーラとか瞳とか堪らないですよね~!」

 

 

 店長の話をBGMにして、CMを見る雫とほのかはCMが始まった瞬間、言葉を失った。

 

 

 店長の言うとおり、ロマンチックで確かに女性なら憧れるシチュエーションで撮影されており、目を見張る出来栄えだった。

 そして何より二人が驚いたのは、店長の推しメンであるMOONBOYが達也に似ていた事。

 

 

 「……!!」

 

 

 「…………」

 

 

 思わず叫びそうになったほのかは口を塞いで悲鳴に近い叫びを発するのをギリギリで防いだ。雫もポーカーフェイスが崩れて口が開きっぱなしだ。

 

 

 ((…達也に似ている。 驚いた。))

 

 

 二人して同じ思いを胸に秘め、そのまま沈黙が続く。そんな二人に店長が感想を聞いてきた。

 

 

 「どうでした? これで分かりましたか?世の女性がこのシャンプーを求める訳を。」

 

 

 「…はい、確かにこれは欲しくなりますね!」

 

 

 「そうでしょう! お客様には雰囲気的にSUNが似合うと思って、早速使用した甲斐がありました!」

 

 

 「あ…、これってSUNだったんですね…。」

 

 

 「はい、……もしかしてMOONの方がよかったですか?」

 

 

 「………はい。…あ、でも私こっちも好きですから! 両方とも素敵ですし!」

 

 

 「…問題ないですよ。後トリートメントをする際にもう一度シャンプーするので、今度はMOONにしましょう。」

 

 

 「あ、有難うございます!!」

 

 

 「……私もシャンプーだけしてもらおうかな。」

 

 

 「はい! 畏まりました。」

 

 

 ほのかと雫が嬉しそうに互いの顔を見つめ合って、微笑む。

 

 

 (帰りにこれ買って、早速明日から使っちゃお♥

  ……達也さん似のあの人が出ていたMOON! …そうだ、あの人、芸能人ならファンになろうかな♥)

 

 

 (……私も欲しくなってきちゃった。ほのかには悪いけど、達也さんに似ているあの人が出ていた方をなるべくストックできるくらい買っておこうかな。

  

  …ほのか、親友だから達也さんと上手くいくように応援しているけど、あまりに焦れていたら、私の方が先に仕掛けるんだからね?)

 

 

 

 それぞれ心の中でCMを見た上でのこれからの方針を固め、仲良く一緒にシャンプーした後、店を後にし、真っ先にシャンプーが売っている売り場へと向かうのであった。

 

 

 ちなみに雫がMOONBOYに興味を示した事で、シャンプーを大量に買ってきた時、潮はとうとう娘に想い人ができたと勘違いし、MOONBOYこと、RYUの事を調査しようとするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今日で何とかほのか&雫は終わり~!! 次は…誰にするか…。

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