魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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恋をすると、何でも世界がピンクに染まるんだね…。


友人たちの反応 ほのか&雫編その5

 

 

 

 

 

 

 

 

 シャンプーが終わり、再び席に戻っていたほのかに、今度は入れ替わりでモデル系の店員がやってきた。どうやらカットやヘアアレンジでは店員の中ではトップらしい。

 

 

 「ようこそおいで下さいました。店長の美谷と言います。当店をご利用いただき誠にありがとうございます。」

 

 

 「ううん、いつもありがとう。助かります。」

 

 

 「いえ、もったいなき言葉です。それで今日はご友人の方のヘアケアを擦ればよろしのですよね?」

 

 

 「そう。 実は……」

 

 

 そう言って、店長を少しほのかから遠ざけて小声で何かを話している雫たちを、不安で見守るほのか。そして数分後話し合いが終わったようで、戻ってきた二人は若干ニヤついていて、ほのかは直感的に身の危険を悟った。…しかし既にカットするための準備が整った後。首にはタオルとカッパのようなカバーを被っている。このままで店の外に逃げ出せばどうなるかなんてすぐに分かる。だからその時の状況と今の状況を天秤にかけた結果、まだ二人に付き合った方が羞恥心を感じなくて済むと判断し、怖さはあるものの、全て受け入れる事にした。

 

 

 (大丈夫! 雫の馴染みの店だし、店員さん達も新設そうだし。そんなに変なヘアスタイルにはしないはず!!………そうだよね?雫?)

 

 

 自分で安心させようと念じて見構えていると、カット用のハサミを軽やかに回して持った店長がクスッと笑う。

 

 

 「大丈夫ですよ、そんなに緊張しなくても。好きな人のために綺麗になるなんて素敵な事ですよ? 特に女としてはそれが最高の自分を見せてくれるきっかけになりますから。」

 

 

 優しげな笑みでそう答える店長がほのかの髪をカッティングしていく。髪を整えるだけだからそんなに切らないが、だからこそベストな髪の長さに揃えるにはかなりの腕が必要なのだが、それをあっさりとこなしていく店長はさすがだと言える。

 そんな店長のカットを堪能していると、ふといい香りが漂ってきた。

 

 

 「いい香りですね。これは……なんだか和みます。」

 

 

 「うん、ほのかの言う通り。 落ち着く…。 」

 

 

 「ありがとうございます。これはシャンプーに調合された香りの効果ですね。」

 

 

 「シャンプー? もしかしてシャンプーを変えたの?」

 

 

 「はい、そうなんです。 当店のオリジナルではないのです。」

 

 

 店長の返事を聞いて、雫が不思議がる。前にもパーティーに参加するために来店した時、シャンプーで髪を洗う所からやったから、その時と違うと聞き、疑問に感じたのだ。(余談だが、雫にも専属のヘアメイクやスタイリストはついているが、その時はあいにく専属のヘアメイクが交通事故で足を骨折、腕も五針縫う怪我をしたため、給食をしていたのだった。)

 この店では特別に調合したオリジナルのシャンプーやトリートメントを使っており、これらには様々な種類がある。お客によってこれらを使い分けていて、それが店の人気ポイントの一つともなっていた。

 

 だからそれを知っている雫は不思議だったのだが、店長は微笑ましく笑っていたので、更に首を傾げる。その様子を見て、店長はその理由を話し始めた…。

 

 

 




やっと話がつながってきたね~。次回で雫&ほのか編は終わる予定です!

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