魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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美月…ね~。ちょっとエキサイトさせてみようかな~。


友人たちの反応 美月編その1

 

 

 

 

 

 

 

 

 休日の今日、学校が休みのため、のんびりと家で寛いでいたのは、柴田美月。

 

 美月は私室で趣味の漫画を描き、充実した様子で過ごしていた。美月の部屋には少女らしい可愛らしい部屋になっており、棚の上にはうさぎやくまのぬいぐるみが飾られていた。そしてその棚の中には、多数の小説や漫画が綺麗に整頓され、収納されていた。推理小説や純愛ものもあったが、その多くはファンタジーなものや青春もの、恋愛ものが占めていて、少女漫画の数は桁を超えている。

 

 美月の母親は翻訳家で、世界中の小説を翻訳する姿を見てきた美月もその影響で小説や漫画が好きだ。奥深しい世界観を見事に表現する小説や漫画に昔から惹き込まれていた美月は、漫画を描くのが趣味になった。今でも美術部の先輩たちと漫画の事で話が盛り上がるほどだ。

 

 美月のようなキャラが美術部に多く在籍しているため、美術部の部活動の傍ら、自分達で作った漫画を見せ合いっこして、互いに評価を言い合い、より良い漫画を作っているのだ。

 

 

 (この漫画の討論会をしている際に真由美をモチーフにした同人誌が描かれ、発売されている事を聞かされたのだった。)←九校戦で真由美のスピードシューティング観戦をしている時に話題に上がったあれである。

 

 

 そしてその漫画の討論会が次の部活動で行われる事に決まったので、その時に見せるオリジナル漫画を美月は今、描いていたのだった。

 

 

 「…うん、今回はなかなかの出来が出来上がっている気がします!」

 

 

 大半出来上がっている漫画を読み返し、頷く美月。しかし、すぐに悩んでいる表情を作り、思案する。

 

 

 「だけど、後何かが足りない気がします…。 でもそれが何かが、思い浮かばないですぅ~! う~~ん…、どうしよう~。」

 

 

 ストーリー自体は成り立っていて良いんだが、続きが気になるような、読者を惹きつける要素が思い浮かばず、苦戦しているのだ。

 

 美月が今回描いている漫画は、一言で言うと、お姫様と王子様の恋愛ものだ。至って普通の世界観だが、のほほんな感じで終わるよりは、何かを付け加えてそれを二人で乗り越えるような展開をしてみたいと考えていた。

 

 

 「えっと~…、やっぱり王子様がカエルに変身してしまう呪いを掛けられたとか?…他の漫画や小説では定番だからやめたほうがいいよね?

  …王子が身分を偽って姫に仕えていたとか?…ああ~! オリジナリティーな事が浮かばないよ~!」

 

 

 色々な案が浮かぶがこれといった決定打を打つものが浮かばずに机に顔を伏せて、脱力する。今日中に決めないと、次の討論会までに原稿を書き上げられなくなってしまう。

 

 

 「どうしよう…。本当に…。」

 

 

 嘆く美月が誰でもいいからと心の中で必死に助言を求めていると、不意に美月の情報端末にメールの着信音が耳に入った。

 

 その着信音を聞き、机から顔を上げ、メールを見た美月は、そのメールの内容を見るとすぐに身支度を済ませ、外出する。

 

 少し小走りで駅まで向かうその姿は、まるでデート場所まで急ぐ微笑ましく感じさせるものだったと言っておこう…。

 

 

 

 

 




エキサイトさせようとしたけど、それは最後に取っておこう。ちょっとした学校ライフを公開してみた。美月、転ばないようにね~。

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