魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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さてCMが完成しました~。
まだアンケートは実施してますから、活動報告からどんどんコメント載せてくださいませ~!!


大いなる喜び

 

 

 

 

 

 

 

 

 編集されたCMが遂に完成し、世間にネットやテレビ、VODを通じて配信される事が早くも決まった。

 しかしその前に、その先駆けとして出演した本人達にできたてほやほやのCMが入ったDVDを各芸能事務所に届けられる。ゴールデンスター芸能プロダクションもその内の一社で、美晴とRYUが出演した分のDVDが届けられた。それと同時にCM公開と同時に発売開始のシャンプーの粗品が一緒に添えられていた。

 

 

 「うぉ~~~~!! これがそのCMが収納されたDVDか~~!!二人の歴史的作品だ~~!! デビュー作だよ~~!!

  これで僕たちの会社も前進できたし、万々歳だ~~!!」

 

 

 DVDを持って、オフィス内をスキップし、大層喜びを露わにする金星社長。そしてその社長を見つめるのは、この事務所所属の芸能人である美晴とRYU。

 

 

 「はい!! 社長が喜んでくれて、私も嬉しいです!! 万歳~~!!」

 

 

 「……何もかも社長と同じ行動しなくてもいいんじゃないか?」

 

 

 金星に続いて美晴もその後を腕を上げて万歳しながら喜ぶのを、傍から冷静に見届けるRYU。そんなRYUに二人の視線が集中する。一人だけポツンと立っているRYUも一緒に祝おうと視線で訴えてくる。

 

 

 「……いや、俺は参加しないからな? 」

 

 

 潤わせた目で訴えられても、こればっかりはRYUも拒否する。確かに仕事が成功して喜ばしいのは分かる。RYUだって、シルバーとして新たなソフトウェアを作りだし、それを第三課のみんなと作り上げ、売り上げも好評だったなら、喜ぶ。しかし、感情が一定以上を超えることは無いため、喜ばしいという事は場の空気で察しても、それを同じように感じ、喜ぶのはRYUは出来ないのだ。

 今感じているのは、事務所に入って最初の仕事…、芸能界での第一歩とも言える仕事を達成できたという安堵感だ。二人には申し訳ない気持ちも多少は感じているが、二人のようにはしゃぐほどの喜びを共有したいとも思わなかった。

 

 RYUが二人に賛同しなかったため、がっかり感を隠せないくらい落ち込んだ二人だったが、ものの数分で復活し、早速以前埃被って使っていなかった再生機器を取りだし、DVDをセットすると、CMを鑑賞し始める。

 (余談だが、RYUが事務所に来た初日の清掃で発見され、RYUが中の部品まで綺麗に清掃したお蔭でまた使えるようになったのだった。)

 

 

 「おおお~~~~~!! 美晴ちゃんのチャーミングポイントがすっかり活かされてるね~! 初めてのCMだというのに!! しかも、このCM、青春を感じるよ~!!

  いいな~~、青春~~!!」

 

 

 「私もこんなに楽しく撮影できるとは思いませんでした! ますます学校が楽しく感じられましたよ!」

 

 

 「そうだろうな~、僕もこんな青春を送っていた時があったんだな~。」

 

 

 鑑賞しながら撮影の時の事や金星の青春時代…という話をネタに話が進んでいた。それからはRYUが出演したCMも見て、二人とも黄色い悲鳴を上げて、食い入るように見ていた。それを視界に入れつつ、自分のCMを見て、「これは…、もう見ないようにしないといけないな。」とCMの中の自分を見て、苦笑し若干の羞恥心からこれから公開される事になっているCMを目に入れないようにしようと決めるRYUだった。

 

 

 CM鑑賞終わった後は、二人と今後のスケジュール等を確認して、事務所を後にする。

 

 RYUの手には、さっき見たCMが入ったDVDが一枚握られていた。

 

 

 金星が「記念に持って帰ってもいいよ!」と告げて、二人にDVDを渡したのだが、RYUはこれの処理に迷った。もし家に持って帰れば、発売前のCMを何故手にしているのか深雪に気づかれるきっかけを作ってしまう。FLTに持って行っても状況は同じになる。捨てると言ってもこの前の尾行者が手にする危険もある。

 どうしたものかと考えた結果、RYUが辿り着いたのは…

 

 

 (…消すか。 保管したいとも思わないしな。)

 

 

 DVDの抹消を決定した。

 

 

 しかしここで魔法を使うのはまずいので、とりあえず隠し持っておくことにして、帰路に着こうとした時、RYUが来るのを待っていたように(実際に待っていたんだが)、RYUの目の前に一人の老執事が現れた。

 

 

 「……初仕事、お疲れ様です。RYU殿。」

 

 

 「ありがとうございます、……と言わせていただきます。それでこんな所まで一体何をしに来たのですか?葉山さん?」

 

 

 

 向かう合う二人の空気に緊張が一瞬流れるのであった。

 

 

 




たまにテンション高い反応をする人に同じようにするように迫られると困る時がある。達也もそうなのかな~。

そして久々に葉山さんが登場しましたよ~。

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