魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ですよね! 達也と踊るって思ってたさね! …うちは社交ダンス踊れない時点で望みがないけど。


舞踏会開催 MOONver. シーン3

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こんばんは、RYUさん。 その衣装、とてもよくお似合いですわ。」

 

 

 「どうも、天童…さん。 俺にはよくわからないが…、まぁ、いいか。 ありがとうと言っておく。」

 

 

 「あら、お世辞ではないですわよ? RYUさんの魅力が伝わってきますわ。まさに主役の登場ですわね。」

 

 

 「ふっ…、どちらかというと俺よりも天童…さんの方が主役だと思うんだがな。俺はあくまで天童さんの引き立て役だ。そもそもこのCMは……」

 

 

 「ふふふ、RYUさんって自分を過小評価しすぎですよ。確かに傍から見れば引き立て役なのかもしれないですけど、与えられた役を演じていたら、そんなのどうだっていいって思うようになりますよ。”みんな主役である”です。

  …それから、私の事は鈴蘭と呼んでください。 その方が私は嬉しいです。」

 

 

 RYUが呼び方に苦戦している事を察した鈴蘭が助け舟を出した。元々、RYUには名前で呼んでもらいたかったので、これはチャンスでもあった。小躍りしそうな気持ちを抑えて、少し距離を置いてこちらを窺い見るエキストラの女性達の視線を感じ、若干優越感に浸る。それでも、女優としての自分がここにいるため、すぐに意識を撮影に戻す。

 

 

 「ああ、分かった。俺にとってはこれが初めての仕事だからな…。至らないところがあるとは思うが、よろしく頼む、鈴蘭。」

 

 

 「………え、ええ、困っていたら軽くフォローしてあげるわ。」

 

 

 突然の名の呼び捨てにドキンとする鈴蘭。それを髪を軽く靡かせることで照れた顔を隠し、頼りのある女性を演出するのであった。

 

 

 この後は、大澤監督の指示のもと、舞踏会が開かれ、多くの着飾った紳士淑女に囲まれる形で、RYUと鈴蘭が演奏に合わせて踊り始める。

 クラシックな演奏が流れる中、輝いた二人が見事なダンスを披露し、エキストラの方々が目を離す事が出来なくなる。持ち前の優雅な踊りする鈴蘭を、RYUが計算された正確なテンポで、正確なステップで鈴蘭をサポートする。

 

 こうして、鈴蘭とRYUの撮影が進んでいき、RYUが撮影に入ったのは今日だけだが、あっという間に撮影は終了してしまった。撮影が長引いたと言えるほどの時間はかけていない。強いてあげるとすれば、一番の見せ場でRYUの表情が硬かったため、大澤監督から少しずつ表情の注文を言われ、修正しながら納得いく表情を作りだせた…くらいだろう。

 

 まさに異例の速さとも言える短い撮影にスタッフが口を開ける。しかし、確保しておいた時間がまだ残っていたため、後日予定していた商品宣伝ポスターの撮影もしておこうという事になり、スタジオをその場で作ってポーズを色々とさせて、何枚もの写真を撮る。

 

 

 「…はい! お疲れ様でした~~!! 撮影終了です~~!!」

 

 

 「「お疲れ様でした。」」

 

 

 無事にポスター用の写真も撮れ、後は編集だけになり、監督が腕の見せ所だと言わんばかりに胸を張る。

 そしてRYUは、ちらりと時計を確認し、挨拶すると衣装から来た時に着ていた私服(RYUの衣装)に着替え、RYUは帰路へと向かうのであった。

 

 

 




これで一通りのSUN/MOONのCM撮影は終わった~~!!

次からはそのCM内容を一つずつ公開しようと思うので、お楽しみに!

皆はどっち派になるのかな?

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