魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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撮影状況を表現するために、タイトルに変化を入れてみました!


メイクアップ SUN ver. シーン2

 

 

 

 

 

 

 

 

 草原…と言っても、大きな公園の草原広場での撮影を終えた翔琉と美晴は、二人一緒の撮影を一旦打ち切りにし、美晴だけ先に別のシーンだけ残って撮る予定だ。

 元々予定ではそうなっていたので、別に文句を言うような事もない。そもそも翔琉はああ見えてかなりの人気ダンス&ボーカルアイドルグループのリーダーだ。他にも音楽番組やバラエティー、雑誌取材やコンサートの打ち合わせ等、やる事はたくさんある。その中でCM撮影をするのだから、時間が来ればきりの良い所で終了しないと他の仕事に間に合わなくなる。荷物を纏めて挨拶して次の現場に向かう翔琉に深いお辞儀で見送った美晴は、すぐにメイクさん達に引き摺られる形で控室に行き、衣装に着替える。

 

 

 「ねぇ~、美晴ちゃんの事務所にあのRYUがいるって本当?」

 

 

 「あ、それ、私も聴いたわよ! かなり広まってるわよ? 女性達の中で。」

 

 

 「はい、RYUさんはうちの事務所のエースアイドルです!」

 

 

 スタイリストさん達が興奮気味にRYUの話を切りだしてくる。しかし、美晴はRYUが話題になると自分事のように嬉しくなり、話が盛り上がってくる。

 

 

 「なら、RYUとはいつも顔を合わせたり、話したりするんでしょ?」

 

 

 「それが、私オーディションの時からまだRYUさんに逢えていないんです。」

 

 

 「え、そうなの?」

 

 

 「意外~。てっきり美晴ちゃんはRYUとべったりしているのかと思ってたわ。」

 

 

 「そ、そ、それこそありません! RYUさ、さ…んにそんな事は絶対にしてません!」

 

 

 「ええ…、分かったわ。信じる! 」

 

 

 「何を貴女は言ってるんだか…。 美晴ちゃんとRYUが付き合っていない事を確かめたかっただけでしょ?」

 

 

 メイクさんが美晴にメイクを施しながら、スタイリストに軽く視線で呆れている風に言葉を返す。しかし本音は、スタイリストと同じで二人が付き合っていない事に内心ほっと安堵し、まだ自分のアタックチャンスがある事を知り、恋を成就させる熱意が込み上げていた。

 そんな二人が何を考えているか理解できず、ただ不思議がる美晴だった。

 

 それから数分経ち、メイクさんのおかげで、美晴の持ち味でもある可愛さや明るさが更に煌めき、なおかつ清楚感も出していた。髪も下ろした状態だが、滑らかに整っていて、黒髪が映えている。

 そのまま撮影が行われるスタジオへ行き、現場入りする。すると、美晴に見惚れる男性スタッフが何人もいた。(その人達は女性スタッフから一喝され、我に返って気まずい雰囲気を出す事になるが。)

 

 大澤監督からの指示を受けていた美晴は、自分に注がれる視線になんとなく気づいていた。しかし何でそこまで見られるのかが理解できなかった。美晴はこの業界に入るまでこんなにメイクや衣装で綺麗になった事がない。だから自分が今可愛いのかとか、似合っているとか、判断がつかないのだった。

 

 その判断材料として、美晴は無意識にRYUの顔を思い浮かべる。

 

 

 (ハァ~…、RYUさまに今の私を見てもらいたいです…。そしてか、可愛いのかどうか言ってほしいな~。…もちろん、可愛いって言ってくれた方が嬉しいですよ!?

 

  …早くRYUさまに逢いたいな~。)

 

 

 大澤監督の配役決定で、RYUとは別のCM撮影となってしまった美晴は、事務所でも逢えないRYUに逢いたい気持ちが増す日々を送りながら、撮影に励む。

 

 

 




RYUを頑張っている達也は基本学生だから、学校に行っているしね。しかも、放課後は生徒会だし、終わっても深雪がいるから、そう簡単に夜外出は難しいよ。

これを何とかしないといけないな~…。どうします、真夜ちゃ~~ん?(キャラに相談するうち)

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