魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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美晴サイドでライバル出現したけど、達也の方でもライバル出現です


ライバル登場!?(RYU=達也Ver)

 

 

 

 

 

 

 

 

美晴と別れ、スタッフについていき、審査会場となる部屋へ入室するRYUは、入って早々早速注目を浴びる。注目されると言っても、視線だけ集めているだけで、さすがにこの業界を仕事としているだけに口に出してどよめいたりはしなかった。ただ、誰から話しかけるかでお互いでアイコンタクトを取ってはいたが。

 結局尻込みし出すスタッフを見かねて、監督自ら歩み寄り、挨拶する。

 

 

 「どうも、私は今回のCMでの監督をする事になった大澤光陽(おおざわこうよう)だ。今回は急な事で申し訳なかったが、よろしく頼むよ。」

 

 

 「…こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

 

 厚みの乗ったがっちりとした手と握手する。そして互いの印象を受け、笑顔の裏で相手を見極めていく両者。RYUは、一見ほんわかな笑顔を見せている大澤監督だが、その奥底には太くて固い意志を持っている熱い人だと思った。なにせ自分を見つめる瞳が真剣そのもの。握手している手も握力が強まり、力が入っている。

 その一方で、大澤監督は底が窺えない不気味さはあるものの、頼りになるという事と骨のある少年だと直感した。これならいい仕事ができると思った大澤監督はにやりと笑う。それを傍から見ていたスタッフや今回のCM要請した食品会社の社員達が驚きを見せた。カメラを回していない時はほんわかなご老人と言った風貌もカメラやキャスト決めの際はRYUが見立てたとおりスイッチが入って、言動が熱くなる。だから今の段階でにやりとまるで撮影するのが待ち遠しいというかのようなうずうずしている監督を見て、驚愕と同時に、RYUが監督に認められたという驚異なる逸材を感じさせられたのであった。

 

 

 RYU以外の全員が「これはとてつもないCMになるのでは…。」と思い始めていたその時。突然ドアが思い切り開き、金髪で、ストリートダンサーのような服装をした少年が入ってきた。しかし、他の人を目向きもせずに怒っている事を隠す気もない少年は監督に迫る。

 

 

 「おい! 大澤さん!どういう事だよ! 今回のCMは俺がメインでやる事になっていただろ! それなのに今更降ろすって意味わかんねぇ~よ!」

 

 

 「落ち着きたまえ、翔琉(かける)少年…。これには理由が…」

 

 

 「これが落ち着いていられるかっ!! 」

 

 

 大澤監督に掴みかかり、問い詰めようとしている翔琉と呼ばれていた少年は、当初このCMに採用されていた人物のようだ。今の話で、この少年を降ろし、自分がそこに収まったという事が理解できたRYUは、あの傲慢社長の行った言動によって、自分が巻き込まれてしまった事に今更ながら頭痛を覚え始めた。

 そして、おそらく大澤監督の次に怒りの矛先が向けられるのは…

 

 

 「そうだ…! 俺を押しのけてメインに選ばれた奴ってどいつだ!!? そいつもこの会場にいるんだろ! 早く出せ!」

 

 

 怒り狂う相手にとっては当然だろうが、この流れはRYUが望んだものでもない。ましてや避けたい案件とも言える。

 

 だが、運命はまた面倒事に傾いてしまう。

 

 翔琉と呼ばれた少年の言葉を聞いていたスタッフが視線をうろつかせる。そして最終的に全員の視線がRYUに集まる。その反応を見ていた翔琉がRYUに鋭い視線を向け、大澤監督を解放し、RYUと向き合う。

 

 

 「お前か…! 俺は『ハイスピード』の小泉翔琉(こいずみかける)だ!! この俺にケンカ売った事…、後悔させてやる…!!」

 

 

 怒りの火の粉を一身に浴びる事になったRYU。

 

 

 (やっぱりこうなるのか…。)

 

 

 予想通りの展開にため息を心の中で吐くのであった。

 

 

 




オリキャラが続々出てきますな~…。近々キャラ設定を纏めた方がいいですな。

…達也もドンマイ。

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