魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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失念していたんだろうな…、というか、認識不足?


送迎からのまさか…

 

 

 

 

 

 

 「あ、有難うございます!RYUさま!! 送っていただけるなんて…」

 

 

 「気にするな。それよりも時間までには着きたいから、しっかり捕まっていてくれ。ここから荒くなるぞ。」

 

 

 ヘルメットに内蔵されている通信機能で騒音等を心配する事なく、普通に会話し、後ろから腕を回す美晴が自分の身体に更に力を掛けてきた事を確認してから、RYUは交通違反にならないギリギリのスピードで、オーディション会場に向かう。その際、オーディション開始時間ではなく、準備時間も入れての到着時間に間に合うように、バイクに設置している衛生通信しているGPSで近道を通っていく。舗道されていない道もあるので、走る度にガタガタと鳴り、身体が跳ねる。しかし、バイクなので細道等を駆け抜ける事が出来る。車やタクシーと違って遥かに時間短縮でき、車での走行時間より半分も早く目的地に到着する事が出来た。

 

 会場に着き、バイクを止める。美晴が降り、ヘルメットを取ろうとするが、初めてなんだろう、どうやって脱げばいいのか分からずヘルメットと格闘している。

 RYUは自分のヘルメットを取ると、素早く濃いめのサングラスをかけ、苦笑しながら美晴のヘルメットを優しく取ってあげた。

 

 

 「ほらよ。」

 

 

 「あ、取れた~~!!よかった~~!!もしヘルメットが取れなかったら、このままでオーディション受けようかと思い始めてたよ~~!!」

 

 

 「大袈裟だな、でもまぁ、これが美晴か…。」

 

 

 「? なんでしょうかRYU…さん。」

 

 

 「いや、何でもない。それより頑張ってこい。美晴なら上手くいくさ。」

 

 

 「はい! 私、受かってきます!! これに絶対受かって社長に少しでも恩返しします!」

 

 

 「…そうだな、その意気だ。」

 

 

 一瞬、あの派手に転んで怪我した金星社長が頭に過り、苦い笑いが出たが、美晴が金星に強い信頼を持っている事は知っていたので、言わない。更に言うなら、今からオーディションなのに気合入っている美晴に水を差すようなことを言って、モチベーションを下げるのはよくないと思ったからだ。

 

 それからは激励を送ったRYUは、会場となるビルに何度も振り返って手を振る美晴を姿が見えなくなるまで見送ると、辺りに一応目を光らせ、見られていない事を確認し、再びヘルメットをかぶって、愛車を走らせた。

 美晴を見送った後、何人かのオーディション出場者も走りながらビルの中へ入っていくのを見たRYUは、どうやら間に合ったみたいだなと自分自身も安堵し、RYUから達也へと戻る。そして、喫茶店に入り、コーヒーを頼んで、時間までのんびりとお気に入りの書籍サイトを開いて、過ごそうと一服する。しかし、その楽しみは情報端末に入った通信によって、あっという間に終わってしまった。

 

 

 相手は先程見送った美晴からだった。

 

 

 内容を確認しようと声を掛けても、電話の向こうで必死に謝り続けるだけの繰り返しで状況が読めない。とにかくわかったのは、「すぐに来てほしい」という事だけだった。

 

 

 (仕方ない、行くか。)

 

 

 開いたばかりの書籍サイトを閉じ、会計を済ませてから、再び愛車に跨り、先程の場所へ引き戻す達也。その際、また髪の色素を抜き取り、変装もしながら、美晴の元へ行くのであった。

 




慌てて投稿したので、短いですが、これから先、オリキャラを出しまくりますのでよろしくお願いします。あと、他のアニメのアイドルとかも出るかも?

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