魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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さぁ!! 今日のラストスパートかけて書き上げて見せるぜ~!!


あの一族へ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 部下の帰りが予定よりも過ぎた事で、周は他の隠れ家に移動した。連絡も途切れた事で、部下が二度と帰らないと理解したからだ。

 そしてその原因は、先程の報告で作戦を邪魔した者の仕業だとも思った。

 

 

 (……忌々しい。またしてもあの男ですか)

 

 

 正体と言っても周が知っているのはヘルメットに顔を隠した姿と「デーモン・ライト」「魔醯首羅」といった異名のみだ。「横浜事変」で彼が手引きした侵攻軍も、この正体不明の魔法師によって痛い目に遭っている。「魔醯首羅」から受けた大打撃が、侵攻作戦失敗の大きな要因だったと言えるほどだ。

 横浜事変における大亜連合軍の損害自体は、周にとって何の不都合もない。元々周は日本軍と大亜連合軍の共倒れを望んでいた。予定と違って日本軍の一方的な勝利となってしまったが、大亜連合の弱体化はある意味で周の注文通りだ。

 

 しかし今回は、周も笑って済ませる事は出来なかった。

 

 横浜事変のように大軍を相手にする事件ではなく、私的な制裁を行うだけの小さな一件だ。それに手を出し、またしても邪魔されたのだ。こんな私事に口を突っ込まれれば、不愉快に思うのも理解できる。更にこの件も出てくるほどハイスキルな情報操作力を持っている「魔醯首羅」に恐れを抱いた。

 

 

 (このままでは、何も成し遂げられないまま全てが終わってしまう。それどころか、今もこの私を殺そうと息を潜めているのかもしれない…。)

 

 

 嫌な汗が額から落ち、辺りを伺い見る。

 

 裏切り者の娘を襲う事を知り得たとしたら、それを指示した自分にも目星をつけていて、狙っているのではないかと思考が働く。

 それもあり、隠れ家を移動したが、さすがにこの場所は新たに仕入れた隠れ家であり、連絡の取れない部下でさえ知らない所だ。刺客が来ると思うのは早計だったと、軽く頭を振り、額の汗をハンカチでふき取る。それと同時に周は、決心した顔つきになった。

 

 

 (これは本格的に正体を突き止める必要がありそうですね)

 

 

 そう考える一方で、現在手掛けているマスコミ工作の方針を転換する必要性も感じていた。

 

 

 (実際の所、大師の本音は大漢を滅ぼした者に対する報復………。真のターゲットは「日本の魔法師」というある意味抽象的な集団ではなく、あの一族…。)

 

 

 そう心の中で呟く周の頭には、妖艶な魔女を思い浮かんでいた。容姿は定まっておらず、空想の魔女と似ている感じだが。

 

 

 (アンタッチャブル…。触れてはならない一族…、四葉一族…。)

 

 

 周はその一族…、四葉一族の滅亡を願い、それを実行させるため、四葉に対して特殊な感情を抱いている有力者に心当たりがあった。

 

 

 (「離間の計」というほど大したものではありませんが、やってみて損はないでしょう。)

 

 

 周は心にゆとりができてきたからか、テーブルに座り、口に付けていない酒杯に目を落として、頭の中で段取りを組み立て始めた。

 

 

 (四葉一族と並び称され、渡り合っているあの人なら、もしや…)

 

 

 酒杯を傾け、中身を吟味しながら周は、企みを思わせる笑みをするのだった。

 

 

 

 




原作のネタバレをちょいちょいしましたが、お許しくださいね?

よし、これでアイドル活動再開できる~~!!…よね?

(自分でも分からんのか~~~~い!!)

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