魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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達也の誕生会が始まる~~!!何をさせて遊ぼうかな♥


遅めのバーズデーパーティー!!

 

 

 

 午後五時半頃。

 

 

 

 

 なんとか飾りつけも終わり、パーティーグッズも料理もテーブルに並べられ、後は主役となる達也の到着を待つだけ。

 

 

 「よかった~~!!何とか間に合った! 一時はどうなる事かと焦ったね。」

 

 

 「うん、ほのかが一人でドMプレイをしていたから、目のやり場に困った。あれを達也さんに見られていたらと思うと……、パーティーはどうなっていたんだろう?」

 

 

 「雫~~!! やめて~~!! 悪かったから、いじめないで!! ううぅぅ…、私だってあんな事したかったわけじゃ…。」

 

 

 「分かっているわよ、ほのか。ほのかの意思であそこまでの事をした訳じゃないことくらい、雫だって分かっているわ。少しからかってみただけよ。」

 

 

 「深雪姉さま…、フォローに繋がっている気がいたしません。」

 

 

 「あら、そう? あのほのかをお兄様が見て、冷めた空気になるよりはいいと思うのだけど?」

 

 

 「深雪…、こんなに口が悪かったっけ?」

 

 

 「深雪は意外とドSなんだよ、ほのか。」

 

 

 今まで見てきた深雪とは違った悪女な雰囲気の深雪と面白そうに少し口元を緩ませて加担する雫にほのかはからかわれつつも賑やかに達也の到着を待っていた。

 水波は、じっとしているのが落ち着かないのか、何かできることはないかと辺りをチラチラと見回す。メイドとして仕えていた性なのかもしれない。

 

 

 「おっ待たせ~!! まだ始まってないよね?」

 

 

 「お、お邪魔します。」

 

 

 「おお~~!! すっげ~~!! 美味そうな食べ物ばかりだぜ!」

 

 

 「こら、まずは挨拶しないと、二人とも。」

 

 

 四人で談笑している時、応接間のドアが開かれ、入ってきたのは、雫が招いていたエリカ、美月、レオ、幹比古だった。

 

 

 「あら~、ミキだって、パーティー楽しみにしていたじゃない? ミキって昔から人混みに敏感だから、こういう集まりに参加できなかっただけに、今ものすご~~く興奮してるんでしょ~?」

 

 

 「ぼ、僕はそんな遠足前の子供みたいなことはしないよ!! それに、僕の名は幹比古だ!!」

 

 

 「はいはい、そうムキになっている自体が図星の証拠よ、ミキ?」

 

 

 「だから、僕の名は幹比古だ!!」

 

 

 「なぁ…、幹比古?お前の荷物、やけに大きすぎないか?」

 

 

 いつも通りのエリカと幹比古のやり取りが繰り広げられる中、同じエリカに弄られる同志として仲裁に入ったレオが話題を変える為にさっきから気になっていた事を聞いてみた。しかし、レオの質問を耳にした途端、幹比古は罰が悪そうな顔をし、目が泳ぎだした。

 

 

 「や、これは…、何でもない…。ただの達也へのプレゼントだから…。」

 

 

 「こんなに大きなプレゼントをか?すっげーな…。」

 

 

 ボール三つは楽に入れるほどに膨らんだ風呂敷を見て、レオは感嘆した。自分の達也へのプレゼントを思い出し、まだ中身が分からないのに若干の敗北感が芽生えた。幹比古も感嘆するレオを見て、安堵したのか表情が柔らかくなる。しかし、幹比古が安堵するのは早かった。鋭い視線が幹比古に降り注ぎ、手に持っていた風呂敷をあっという間にエリカに取られてしまったのだ。

 

 

 「あ~~!!」

 

 

 「ミキ~~? あんたが何を隠そうとしているのかって事くらい分かるんだからね。 あたしが言った事がこれで証明できるか、見せてあげる。」

 

 

 「止めてくれ~~!!」

 

 

 バサバサ…。

 

 

 エリカによって風呂敷が開かれ、中身が零れ落ちる。それを中心に幹比古以外の全員が囲んで見下ろす。

 そこには、たくさんのパーティーで遊ぶ昔流行ったレトロなグッズが落ちていた。

 

 

 「やはり幹比古は楽しみだったんだな~。」

 

 

 「それならそうと初めから言ってくださればよろしかったのに。」

 

 

 「こういうのはみんなで遊ばないといけませんから!遠慮なんてしなくて良いんですよ?」

 

 

 「むしろ、隠す方が子供っぽい?」

 

 

 「ミキ~~?恥ずかしからずに『遊ぼう?』っていう事も覚えないと、ね?」

 

 

 矢継ぎ早にみんなからの突き刺すような台詞に羞恥心が沸き起こる。

 

 

 「……わ、分かったよ!! そうだよ、僕も楽しみにしてたんだ!! 今日は一足違った僕を見せてみせる!!」

 

 

 そして、開き直った幹比古を見て、エリカはにんまりと笑って、作戦成功とばかりのウィンクを深雪達に見せるのであった。

 

 

 「お嬢様、お客様がいらっしゃいました。」

 

 

 タイミングを見計らったかのようにお手伝いさんが雫に来客者を告げにやってきた。

 

 

 「お兄様がいらっしゃったようですね。」

 

 

 まだ来客者の名も告げていない段階で、そう言いきった深雪。自信が揺らぐことがない深雪を見て、雫も頷き、お手伝いさんに連れてきてもらう。

 

 

 

 数分後、お手伝いさんに連れられてやってきた達也は、玄関先で偶々遭遇した雫の母、紅音と対面し、軽く会釈して雫たちのいる応接間へとたどり着いた。

 

 

 お手伝いさんがドアの前で達也を止めると、自分の役目はここまでと、達也を置いて去って行った。達也はその後ろ姿を見送り、ドアの先でまたしても待ち構えている良く知っている友人たちの気配を感じ取り、息を軽く吐き出し、微笑を浮かべた後、ドアを開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ババァ~~~ン!! バァ~~~ン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「「「「ハッピーバーズデー!!(お兄様/達也さん/達也くん/達也/達也兄さま)!!」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 大量のクラッカーで迎えられ、色とりどりの紙クズやテープを浴びた達也は、そのまま笑顔で迎えてくれた友人達を見回し、一言つぶやく。

 

 

 

 

 「…みんな、ありがとう。」

 

 

 

 

 

 午後六時、主役も揃ったバーズデーパーティーは、笑い声が絶えないくらいに盛り上がりを魅せるのであった。

 

 

 




無事に達也も到着したみたいで、パーティーが始まりましたね!!

ほのかと幹比古は弄りやすい…、ではなく、ストーリー展開に最適でした~!ご苦労様です!そしてまた頑張ってもらいましょう~~!!

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