魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ハラハラする空気が流れていたからね…。ご飯でも食べて落ち着きましょう!!…って、まだ不完全燃焼をしている人がいるってばよ~~!!


有志の協力者集め その八

 

 

 

 

 

 

 

 午前中の授業を終え、いよいよ実験の準備に取り掛かる………前に、食堂で昼食をとり、気分転換をする事にした達也たち。

 

 空いている席を見つけて、座り、まだ授業で遅れている深雪を待つ。

 

 

 「…あのさ、達也。………助けてくれ。」

 

 

 「………僕からもお願い。」

 

 

 恒星炉実験の内容を見て、不備がないかを確認がてら電子ペーパーで読んでいた達也にげっそりした顔で助けを求めてくるレオと幹比古がいた。

 

 二人ともこの後、部活や風紀委員会の会議&巡回があるため、一緒に昼食をする事にしたのだが、判断を間違えたと思う出来事が今、レオたちに降りかかっていた。

 

 

 「………何?言いたい事があるなら言えば?」

 

 

 抽象的な助けを求めているレオたちの反応に、その原因を作っている張本人が口を開いた。その本人から発せられる怒りのオーラが炎となって大きくなったように見える。朝からといい、エリカと関わって痛い目に遭っているレオと幹比古は、これ以上とばっちりを受けるのは勘弁と思っている。そのためか二人とも食事のペースが速い。いつもは落ち着いて食べている幹比古でさえ、この場からの離脱を図るためにレオと同じ速さで食べている。しかし、不機嫌MAXのエリカは育ちの良さが表れている洗練とした箸使いに綺麗に食べている。いくら自分達が食べ終わると言っても、エリカがこの調子だとどうも抜け出すのが厳しく思えた。終いには、エリカから「行儀が悪い」とか言われて、怒りの矛先を向けられる可能性だって高い。

 レオと幹比古は、エリカが不機嫌な理由を知ってそうな達也になんとかしてもらおうとしていた。ちなみに、美月はエリカと千秋の睨み合いが強烈的だったのか、気を休ませるために食事は控えて、この場にはいない。達也は、溜息を吐きたいのを堪えて、エリカに話しかける。

 

 

 「…エリカ、もう機嫌を直せ。レオも幹比古も怯えているぞ?」

 

 

 「あれ~、あたしってそんなに機嫌悪そうに見える~?」

 

 

 「エリカを知っている者なら、分かるってくらいだかな。でも、いくらなんでもやり過ぎだ。俺は言った筈だ。『心配いらない』と。喧嘩を売ってきたとしても、子犬が甘噛みしてきた程度だろ? そんなものにまで構ってやるつもりもない。

  だから、いつも通りでいてくれ。」

 

 

 「……分かったわよ。あたしも首突っ込み過ぎたし、ごめんなさい…。」

 

 

 達也に申し訳なさを感じ、頬を赤く染め、目を少し逸らす。出しゃばりすぎたと自分でも思っていたからか、すぐに自身から放っていた不機嫌オーラは嘘のように消えた。

 レオも幹比古もほっと安堵し、食事を続ける。

 

 

 「ごめんなさい、お兄様。遅くなりました。」

 

 

 「達也さん、ごめんなさい!私の所為で…。」

 

 

 「ほのかは悪くない。あれは、全部あいつの所為…。」

 

 

 「でも…!」

 

 

 エリカの気分もすっかり元に戻り、雑談をしていると、深雪、ほのか、雫がやってきた。ほのかは申し訳ないという顔で何度も謝るが、それを深雪と雫が宥める。

 

 

 「大丈夫だ、遅くなることは事前に連絡してくれていたし、それほど待ってないよ。」

 

 

 達也が優しく微笑み、安心させる。

 

 

 「でもほのかの様子が尋常じゃないんだけど? なんかあった~?」

 

 

 しかし、エリカはどうやら遅れた理由が気になったようで、問いかける。それに深雪と雫が顔を見合わせると、深雪が理由を話す。その時、若干眉が吊り上ったのを達也は見過ごさなかった。

 

 

 (……嫌な事でもあったんだな。)

 

 

 深雪が何でストレスを感じていたかは、今は分からないので、黙っている達也の内心は、深雪が魔法を暴発させないかという心配一身に染まっていた。

 

 

 

 

 




深雪がストレスを感じる時って、大体決まっているよね~…。
……なぜ、こんなにも嫌な流れが続くんだろう?…ストレス社会だからか!!?

次回で終わらせて、あの子を出すしかない!!

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