魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

226 / 453
今日も独自解釈を…。そして全員達也様の魅力を知るがいい~~!!


達也への関心

 

 

 

 始業前に達也が、あずさと五十里にデモンストレーションの協力を取り付けた日の四時限目。生徒たちが授業を受けている中、職員室では、今年から一高に赴任してきたジェニファー・スミス教師が自分の机に肘をついて、溜息を落としていた。

 

 今、この職員室にはスミス一人しかいない。他の教師は一科生の授業を取り持っていたり、自分が担当する教科の資料を作るために席を外している。だからか誰にも見られていないという安心感からか、溜息がこぼれ、思案顔をするのであった。

 

 なぜ、スミスがこんなに気落ちしているのかというと、仕事に関する事だ。もちろん教師の仕事は好きだ。しかし、スミスにはそれ以外に考えさせられる事案があった。

 

 

 それは、達也に関する事だ。

 

 

 今年から一高で魔法工学の授業と魔工科のクラスの指導を受け持つ事になったスミスは去年までは魔法大学の講師をしていた。順風満帆に送っていた生活だったが、去年の夏から慌ただしくなった。理由は、九校戦だ。

 九校戦では、魔法師の卵とも言える魔法科生の実力を観察し、気に入ればスカウトする企業の幹部や魔法研究の目的も含めた学者、大学関係者たちが招待され、観戦する。去年もそうだった。もちろん魔法大学の人事や教授たちも例外ではなく、毎年のように観戦していた。しかし、ここ数年は同じような展開(一高の総合優勝が連発)が繰り広げられ、あっと驚く様なものはなかった。だからか、去年も面白味がかけたような面持ちで観戦していた。

 

 すると、どうだろう…!!

 

 一高エースの深雪が繰り出した高難度の魔法行使、見事なまでの流れるようなスムーズなCAD調整、最新技術を応用した運営方法、今まで考えられなかった作戦、「インデックス」に載せてもいいと直感するオリジナル魔法の開発。

 

 ……見ていて飽きない。それでいて驚きを隠せず、思わず興奮してしまう。

 

 達也の見せたアクションに魅入らせられた大学関係者は、すぐに応援を送ってもらうように頼み、最新機器を導入するほど、データを取れるだけ取る覚悟で大会の中盤から、身を乗り出して食い入るように見いった。

 そして九校戦が終わった後、魔法大学の教授たちが集まり、緊急会議をした。会議で取り上げられたのは言うまでもなく達也に関する事だ。達也の頭脳を目のあたりにし、魔法業界にこれから…いやすぐに栄光を導ける存在となると、年配者の教授や堅物の大学関係者が揃いも揃って、主張し合った。

 

 そしてその結果、達也が魔法大学に入学する前に一刻も早く彼とのパイプを作っておくため、アプローチをする事に全員合意した。しかし、結論したはいいが、彼らは達也との接触に困難な壁がある事に、さっそく実行を移す時になって気づくのだった。

 

 

 

 

 

 




大人の世界に入ってしまったね。(別の意味だけど)

恒星炉の実行は簡単にまとめてみるか…。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。