その時、ゲームで「八雲の組手修行」というイベがやっていて、コラボ企画としてみんなで投票していったネタです。
だんだん、やべ~~!! 完全に達也が変わった~~~!!
となっていき、今も、吹き出し中です!!
それでは、腹筋崩壊の可能性もあるこれを、お披露目します!!
ここは、忍術の使い手、九重八雲がいる九重寺。
まだ朝日が昇っていない段階から、いつものように朝稽古にやってきた達也は、山門を潜り抜けた瞬間、門人たちからの総がかりを受け、いつものように倒していた。
「相変わらず、達也君は凄いね~。ますます体術に磨きがかかっているじゃないか~。この分だと、体術では僕も君に負けるかもしれないね~。」
「今頃、登場とは余裕ですね、師匠。」
「ふふふ~ん。忍びという者は、時には戦況を見極めるために息を殺して観察する事も必要なのだよ。」
「そうですか、隠れて覗き見とはいい趣味ですね。」
「あれ?なんでそうなるんだい?」
「ところで、本日の修業はなんですか?」
「もう終わりかい?残念。」
残念だと言う割には、まったくそうは見えない笑みを浮かべる八雲に、達也は話に乗らなくてよかったと本気で思った。
しかし、次の八雲の言葉には、呆れるしかなかった。
「今日の修業は……
坊主頭を撫でる修行だよ~。」
「…………何で、そうなるのですか。」
冷たい眼差しで八雲を見つめる達也。しかし、八雲はその視線を面白そうに受け止め、話を進めていく。
「坊主頭を撫でられたら、その時点で強制リタイアだからね。撫でられないように、逃げるのもよし。組手による攻撃でのみ認める。後、この寺の敷地内で修行するから、達也君。」
「……まだ参加するとは言っていませんが?」
「まぁ、まぁ~~!! 騙されたと思って、やってみようよ、達也君。これは結構鍛えられるんだよ。ある一点だけに限定された場所に、どのように攻撃、防御をするか…。戦術を練るのにも、かなり頭を鍛えられる有難い修行さ!!
ほら、見てみるがいいよ。」
八雲に促されて視線を向けた先では、既に門人達が互いのつるハゲ…いや、坊主頭を撫でるためになぜか白熱した組手を繰り広げていた。
達也は、八雲の思いつきの修業だと…、ふざけたただの冗談だと思っていたため、目の前に繰り広げられている何とも言えない闘いに、若干引いていた。
しかし、門人達がこの修業をしているのに、今更「やりません」とは言いにくい。
結局、達也もこの修行を受け入れるしかなかった。
承諾した時の八雲の「掛かった!!」というニマリとした笑みには、咄嗟に拳が出てしまった達也だった。
★★★
そしていま、達也と八雲の決戦が繰り広げられようとしていた。
対峙する二人を門人たちが囲む人の輪ができていた。
達也が修行に参加した瞬間、間を擦り抜けるような素早い動きで戦っている門人たちの坊主頭を撫で、リタイアにしていく。
達也に飛びかかる門人もいたが、呆気なく撃沈され、つるっとしたハゲ……じゃなくて!!坊主頭を撫でられる。
そして終盤では、八雲も参戦してきて、門人達全員が二人によってリタイアにされた。
残ったのは、達也と八雲だけ。
門人たちは、二人の今にも始まる戦いに目を凝らしていた。
「ふ~~~~ん……。」
「何ですか、師匠。人の顔をあまりじろじろ見ないでください。」
「いや~、なんか思ったのと違うっていうか?
折角達也君が坊主になったというのに、全然面白くないんだ。」
八雲の言ったとおり、達也は修行をするにあたって、坊主頭を撫でる修行だからと、バリカンで達也を丸刈り…坊主頭にしたのである。
しかし、あまりにもきちっとした顔立ちに、鋭い視線が相まって、笑うというより、決まっていると言った方がぴったり合うくらい、達也には坊主頭が似合っていたのだ。
坊主になったら面白いだろうなと、楽しみにしていたが、納得してしまったモノを笑う事は出来ない。八雲は残念だと嘆いた。
達也としては、後で『再成』で元に戻す事もできるため、別に問題はないが、笑われるのは不愉快だ。
さっさと終わらせて元に戻そうと思っていると、いつの間にか八雲が達也の目の前に現れ、まじまじと達也の顔を見ていた。そして、次の瞬間、素早く達也のおでこに何やら墨をつけた筆で書いたのだった。
八雲が気付かれずに移動してきたことに驚き、反応が一瞬遅れた達也はまんまと八雲にやられた。
「うん!! くくくくくく!!達也君、いいよ!それ!! さっきは美坊主って面影だったけど、それは面白いよ!!」
お腹を抱えて、笑い出した八雲に、何を書いたかと不機嫌を隠さない眼差しで見つめる達也。八雲はまだ笑いながら、懐から鏡を取りだし、達也に投げ渡す。
それを片手で受け取り、自分の顔を映して見てみる。
その鏡に映る達也の額には、なんと…!!
『肉』と書かれていた。
(どこかの漫画で見た事あるな…)
そう思いながら、額に書かれた文字を拭き取ろうとするが、一向に落ちない。
「…どういう事ですか」
「それ…、油も混ぜているから、なかなか取れないよ。くくくくくくく!!」
つまり、油性マジックと同じか…!!
厄介な落書きをされた上、今もなお笑われている達也。
しかも、達也達を囲んで一部始終を見ていた門人達も笑いを堪えるのに必死で、顔を背けたり、身体が痙攣している者もいた。
この状況にやはりこの修行を徹底的に断ればよかったと後の祭りの考えを持ちながら、達也はジト…と八雲を見つめた。
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★ オチ その壱 ★
そして、達也は、『分解』で額の文字の墨を綺麗に落とす…という考えよりも、八雲に仕返しをする方に意識が剥いた。
笑い転げてしまっている八雲に気配なく近づき、八雲から筆を取り上げ、八雲にもおでこに大きく『肉』!!を書いた。
すると、『肉』を額に宿した二人は、再び真剣な面持ちで対峙し、なぜか組手ではなく…
いきなりプロレス試合を始めたのだったあああああ!!!
観衆として、門人達も取り囲みながら、声援を送り、朝から活気溢れる『坊主頭を撫でる修行』は、結果的に八雲の勝ちで幕を終えた。
あと一歩の所まで追い込んだ達也だったが、敵わず、修行を終えた後、深雪の待つ家へと走っていった。
坊主頭のままで…。
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★ オチ その弐 ★
達也が物凄い殺気で八雲を睨み、それを楽しむかのように笑みを浮かべながら、負けじと八雲も達也を睨みつける。
二人に緊張が走る中、ついに二人が交差する。
達也と八雲が坊主頭を合わせた瞬間、二つの頭が突如光りだし、地面は割れ、雲を裂き、空からフリーザーが舞い落ちてきた。
地面に墜落する間一髪で、フリーザーは目を覚まし、空へと舞いあがる。
「あの、ここは一体どこでしょう?」
得体の知れない世界にやってきたフリーザーが地上で頭をこすりつけながら、力比べをしている達也と八雲に話しかける。
しかし、二人は互いの事しか見ていない。
完全にフリーザーは視界の外だった。
自分を完全無視されたフリーザーは、怒りを覚え、二人の抹殺…、いや、この世界を滅ぼし、自分のコレクションに加える事を決めた。
「この私を無視するとはいい度胸ですね。まずはあなた達から死んでいただきましょう。」
そう排除宣言したフリーザーは達也達に突進していく。
「私の戦闘力は530000です…ですが、もちろんフルパワーであなたと戦う気はありませんからご心配なく…」
「「邪魔だ(だよ)」」
ドゴオオオオォォォォォォ~~~~~~~~~~~ンンンンンン!!!!!!
真剣勝負中の二人に横槍を入れようとしていたフリーザーは二人の掌底を受け、行き良いよく飛ばされる。体勢を整えようとするが、達也が飛行魔法で飛ばしているため、制御が不可能。
フリーザーは裂けた雲に吸い寄せられるように飛んでいき、雲の中へと戻っていく。
「この俺が負けるかーーーーっ!!!!!
お…俺は宇宙一なんだ…!だから…だから貴様はこの俺の手によって、
死ななければならない…!俺に殺されるべきなんだーーーっ!!!」
興奮して、言動が変わっても、状況は変わらず、フリーザーは元の世界へと戻っていった。
実にフリーザーにしては、あっさりというかなんというか…。
達也達に邪険に扱われたのだった…。
めでたし、めでたし。
終わった~~~!!
以上で、もうハチャメチャな魔法科崩壊ストーリーが完成しました。
何故かきん肉マンやドラゴンボールのキャラや展開が出てきて、驚きとともに、吹きだしたのを思い出したな。
オチを二つ用意しましたが、その弐は、実はまさやんのアイデアで、凝ってたので、特別編として投稿させていただきました!!
フリーザーが魔法科の世界を侵略できるときは来るのか!?