魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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早速ヘムタイ捜査が始まります。

今回は、ほーちゃんは恵まれましたな。御神っちはツッコミだけだから。そしてたまに悪乗りするから。

…では、ヘムタイ探偵!!ホームズの実話…じゃなくて、逸話をどうぞ!!


後日談参ノ魔書★ ホームズのドSヘムタイ事件簿④

 

 

 咳払いをして、気合を入れたレストレードが事件の概要を説明する。

 

 

 

 「ええ~~……。

  今回、亡くなられたのは、この家の主で、魔法の研究・開発に多大な尽力を頂いた、ミチビ・クマホウさん。今日が60歳の誕生日でした。」

 

 

 「え?おめでたの時に死んでしまったの? 可哀想…。」

 

 

 「ただ年を取るだけでも、60歳ともなれば、還暦だからな…。そうと知っていれば、お祝いしてあげたのに…。

 

  縄で身体縛りを。」

 

 

 「え?」

 

 

 「ご老体に何をする気だよ、ホームズ!! それにいつもだけどヘムタイ発言を織り込まなくていいからね!!」

 

 

 「でもさ、おいら、これをしないと、頭が働かない……」

 

 

 「とんだヘムタイ探偵だよ~~!!」

 

 

 「褒めてくれてありがとう♥ てへぺろ♥」

 

 

 「照れなくていいっ!!

  ……という事で、ホームズは調査する時も常にヘムタイ脳裏を駆使するから、ストッパーが必要なんだよね~。

  私が手に負えなくなってきたら、手伝ってくれる?オドリー?」

 

 

 「ええ、もちろんです。買ってはまだ読み込めてませんが、精いっぱい勉強させていただきます。…御神様。」

 

 

 「ああ~~…、その”御神様”って呼び方…、他人みたいでじっくり来ないんだよね~~!! だから、みんなみたいに”御神”って呼んでよ。

  私達はもう、仲間で、家族だから…、ね?」

 

 

 「……はい、………み、御神…?」

 

 

 「うん!! な~~に? オドリー?」

 

 

 御神とオドリーが死体が転がる横で和やかな雰囲気を作りだす中、なぜかホームズは………

 

 

 

 

 

 「…ちょ、ちょっと!! ホームズ…、何をしようとしているのかな?それは…」

 

 

 「え?見ての通りだけど。」

 

 

 小首をかしげて、今更何を言うのかと書いている顔で、ホームズが縄で縛っているのは……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんと、亡くなったミチビさんだった!!

 

 

 

 「だからやめなよ!! なんで死体を縛り上げる必要があるのよ~~!!」

 

 

 ホームズをミチビさんから離そうと引っ張るが、余計にくっ付いて、離れない。終いには、「おいら達の仲を引き裂こうというのか!!」っと文句言ってくる始末。

 それほどの仲でもないだろうに、親しい友人の死に嘆いているかのように、泣きながら死体に縋りつく。

 

 オドリーは二人のやり取りをみながら、「死体を勝手に動かして大丈夫なのでしょうか?」と客観的に観察するのだった。

 

 

 「…で、何で死者を冒涜するような真似をしたのよ!!」

 

 

 ようやく落ち着いたのか、ホームズに理由を尋ねる御神。

 

 

 「へ、へ~~と。

  最後の弔いに、飾り付けてあげようと思って、ですね~~」

 

 

 一方で、ヘムタイスレイヤーの筆頭であるちゃにゃんがいない事で羽を伸ばし過ぎて、御神から首を締められるという制裁を受け、丸くなって大人しくなったホームズがまだ魂が口から出かかっている状態で応答する。

 

 

 「部屋をざっと見渡したら、書斎机の後ろの棚の一番下の段が他の段の本より前に出過ぎでいるなと思って、エロ本が隠れていると読んだおいらは手前の本を取りだしてみたのさ!!

  すると、奥から大量のエロ本が保管されており、どれも使い古されたものばかりで、思わず興奮したな~~~!!

 

 

  …御神も使う?」

 

 

 「いらんわ!! 」

 

 

 「ああああああ~~~~~~~!!!!」

 

 

 ホームズの手から奪い取って、ビリビリと破り捨てる。

 それを我が子を引き裂かれた親のような顔とポーズで嘆くホームズ。

 

 部屋を捜査している警魔隊の隊員たちが呆れた表情で睨みつけてくるのを、オドリーが持ち前の美貌と笑顔で緩和する。…というのにメロメロにさせていた。

 

 

 「そ。それで中身見たら、どれも調教プレイをモチーフにしたものが収録されていて、しかも男が豚に成り下がる系の……。

  それに、女性の顔には、全て別の女性の写真を張り付けて妄想するタイプだったことを考えると…。

 

  人の目を憚って、こっそりと愛しい女性を想いながら……、くくくくく…。」

 

 

 後の方は必要ない情報だったが、とにかくホームズのヘムタイ行動の理由が全て分かった。

 

 

 「…つまり、ドMだったミチビさんのために、身体を縛ってあげて弔いたかったということ?」

 

 

 「そのとお~~~~~り!!! さすが、御神!! 分かっていらっしゃる!!」

 

 

 「……」

 

 

 「……あれ? 御神~~? ど、どうしたのかな? …………黙っていると怖いんだけどな。」

 

 

 

 「…………す、素晴らしいよ~~~!! ホームズ~~!!」

 

 

 「は?」

 

 

 「死者の生活感を瞬時に読み取り、かつそれを最期の花道として弔わせてあげようなんて~~!!

  ごめんね、ホームズ!! 

  誤解していたみたい!! ホームズは立派なヘムタイだよ~~!!」

 

 

 「お、おうよ~~!!

  おいらはヘムタイの中のヘムタイ!! おいらの事は、ヘムタイ探偵、ホームズと呼んでくれていいぜ!!」

 

 

 「キャ~!! かっこいい!! 」

 

 

 そう言って、はしゃぐ御神の足元には、ミチビさんが思い切り踏まれていた。

 

 しかし、なぜか逆に嬉しそうに見える。…気のせいだろうか?

 

 

 

 「それじゃ、続きをするかな…と!!」

 

 

 

 御神によって止められていた体の自由から解放され、再びミチビに縄を巻きつけ縛り上げていくホームズにだれも止めに入らない。

 

 すっかりと感動しきってしまった御神は、ホームズを止めるどころか、ヘムタイアイテムグッズの一つの録画機能付きのカメラ(背景ランダム設定あり)で撮っている。

 

 カメラ内の背景は、ピンクの光が暗い部屋を照らし、その灯りで後ろの拷問具や調教ポスターがライトアップされている、今の状況に何ともぴったりだ。しかもランダムに表示された背景。これは狙っているのか、それとも……

 

 まぁ、それでも嬉々として録画している御神もたまに悪乗りして、ヘムタイになるくらいだから、ヘムタイを完全に葬ることはできないのかもしれない。

 

 

 

 ホームズだけでなく、この人も…。

 

 

 

 

 「ホームズ様!! 何をしているのですか!!? ご遺体を勝手に動かして…」

 

 

 ホームズ達が話の途中で、自由奔走し始めたため、部下の捜査状況を聞きに離れていたレストレードが戻ってきて、大股で怒りながら歩いてくる。

 

 

 「申し訳ありません、レストレード様。これは……」

 

 

 「いや~~!!レスちゃん。詳しく話は聞いてきたかい!? 待ちくたびれたぜ~~!!

  でもそのおかげで、ミチビの趣味がわかって、デコレーションしていたところ……」

 

 

 「あなたって人は…!! とにかくご遺体から離れてください!!」

 

 

 「あ、あの、申し訳ありません。 すぐに止めさせ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そんなにヘムタイしたいなら、この私めに~~!!

 

 

 

 

 

  調教してくだされ~~~~!!!!」

 

 

 

 

 「……………………」

 

 

 

 ホームズとレストレードが緊迫した雰囲気になると思ったオドリーが仲介に入ろうと間にはいったが、レストレードの必死で土下座して、お願いする様に言葉を失くしてしまう。

 

 

 しかも、いつの間に脱いだのか、ブリーフ1枚になって首輪をつけている。

 

 

 「……そんなに、おいらの仕置きが欲しいのか~?」

 

 

 「はい!! ものすご~~く欲しいです!!

 

 

  キャインっ!!」

 

 

 

 「堂々と服を脱ぐなんてな~~…。

  レスちゃんも、生粋のヘムタイだな!!」

 

 

 

 持ち前の愛用の鞭を振り回し、バシッバシッと叩いていく。

 

 

 鞭で叩かれるたびに、レストレード……この時はレスちゃんと呼ぶことになっていた…。レスちゃんは気持ちよさそうに興奮し、顔を赤くして嬌声をあげるのだった。

 

 

 

 

 

 

 「さて…、さっきの話の続き…、話してもらおうか?レスちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 満面の笑みで、鞭を振り回すホームズは楽しそうに鼻歌を歌い、それに応じてレスちゃんは荒い鼻息をしながら、話の続きをする…。

 

 

 

 この状況に唖然となるオドリーの肩をポンポンと叩く御神がアドバイスする。

 

 

 

 

 「あの二人はいつもこうだから。ここは温かく見守った方が私たちにとってはお得よ…!!」

 

 

 そういう御神の鼻からは血が流れていた。

 

 

 

 「そうですわね…。私も…、そう思いますわ。」

 

 

 オドリーは何かを悟ったようで、絡む二人を見ながら、御神と同じく(鼻血はなしで)頬を赤らめて見守るのだった。

 

 

 




人の話を聞けよ!! 自由すぎるだろ!!

 でもそのおかげで面白かったけど!!

 純粋なオドリーがだんだんけがれていく~~!!いずれはヘムタイの領域に…。いや、その前に止めてみせる!!

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