魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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後日談だからね、ROSEのその後も書いて…と。




後日談参ノ魔書★ ホームズのドSヘムタイ事件簿②

 

 

 

 

 オドリーがROSEの看板娘になってから、ROSEも更に活気があふれる賑やかな魔法師ギルドになった。

 

 …というのも、オドリーのセラピーの一環でもある。

 

 

 もっと強くなると決めて、ROSEに入ったオドリーだが、そうすぐには自分を変えられずにいたのだ……。

 

 

 ずっとカバルレの元で女性らしく生きる事がなかったオドリーにくろちゃん達乙女が率先して、街へと連れて行き、女子トークやショッピングをするようになった。

 

 表情も少しずつ戻ってきたが、まだ気持ち的に整理がついていないようで、魔法が失敗したり、オーバーアタックしてしまう事があった。

 オドリー自身は、何とか克服してみせると、夜中でもギルドの特訓場で、魔法の制御を回復するために取り組んでいるが、なかなか思い通りにはいかない。

 

 やはり婚約者であり、最愛のセイヤがカバルレに殺され、それが自分が原因だったという事がショックだったんだろう。

 

 カバルレとの戦いでは、真実を知り、感情がプラスに働いた結果、上手くできた。でも、事件が解決し、改めて考えると、どうしても悲しみに暮れ、それが魔法発動を妨げるらしい。

 

 

 ”魔法は、己の意志によって引き出されるものですが、時には、己の感情が更に高める事も、逆に働いてしまう事もあるのです。”

 

 

 

 隣人となったリテラに相談すると、さっきの指摘をうけた。だから、「しっかりと気持ちを整理する事が大切。でも今は、ちゃんとした休養を取って、向き合ってあげるのがいいでしょう。」とアドバイスをもらい、看板娘としてギルドの補佐といった任務をする事で、まずは魔法は使わずに、じっくりとギルドに慣れていってもらおうと考えたのだ。

 

 それがうまく機能し、今みたいにオドリーのお陰で、忙しいギルドハウスの中も明るくなる。

 

 

 

 

 しかし、あれから変わったこともある。

 

 

 

 オドリーがROSEに入ったと同時に、ショウリンが抜けていったのだ。

 

 

 抜けたといっても、ずっとROSEの仲間であることには変わりない。

 

 しかし、ショウリンの両親…、ドレーナもあの時に亡くなったことで、身寄りがなくなったショウリンは、タツヤ族が収める領地に住んでいる遠縁に身を置くことになった。

 この話が持ち上がった際、ROSEのみんなは「ショウリンは自分たちの仲間であり、家族だ!!」「俺たちがいるから、大丈夫だ!!」…と反論したが、ショウリンたっての希望で承諾された。

 

 ショウリンは自分がまだまだ未熟すぎると感じていた。

 

 そして、オドリーの決意を聞いて、自分も大事な人を守れるようになりたいと思った。だから、ドレーナが生まれて、育ったタツヤ族の身内に身を置き、強くなる道を選んだ。

 

 

 それを、ショウリンがギルドを発つ際に聞いたROSEのみんなは、ショウリンの強い意志を受け止め、笑顔で見送ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、ROSEは出会いと別れをし、今日も前へと歩み出していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 回想に入ってしまったが、オドリーの整理してくれた依頼内容をモニターから見て審査していたホームズ達のところに、慌ててレストレードが飛び込んできた。

 

 

 「ホ、ホームズ様!! お、お助けください!!」

 

 

 「ど、どうしたのですか!? レストレード様!」

 

 

 「あ、オドリーちゃん…。 元気にやっているようで何より…。ああ~~、それよりホームズ様!! ぜひお力を貸していただきたいことが!!」

 

 

 「…ああ、いいぜ。 今、ちょうど面白い事件を探していたところだったんだ!!」

 

 

 「あ、ありがとうございます!! どうぞ、こちらです!!」

 

 

 「?」

 

 

 ホームズとレストレードが何やら話を盛り上げているのを、離れて見ていたオドリーに、御神が背中を押し、二人に近づく。

 

 

 「なら、今日は私が助手として、同席するよ。あと、オドリーもいいかな?」

 

 

 「え?……うん、いいぜ!! オドリーよろしくな!!」

 

 

 「え、は、はい! こちらこそよろしくお願いします?」

 

 

 まだ状況が読み込めていないオドリーだが、依頼をこなすために何か役に立てるのではと思い、レストレードが案内する後姿を追って、ホームズ、御神と共に走る。

 

 

 

 

 それは、新たにホームズの扱ってきた事件を記す一ページに、刻まれる始まりだった。

 

 

 

 




いよいよホームズが事件と接触するぞ!!

御神っちを助手にしてみたけど、ボケをかますホームズに、御神が突っ込みができるか…。

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