魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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前回はあれだったけど、今日こそはギャグを取り入れて…


後日談弐ノ魔書★ イチゴパフェにご用心!?③

 

 

 恐怖体験をした店内の客達は、遠目で二人を観察する。

 

 怖くて店を飛び出したいが、身体の力が抜けて、動かない。

 

 何とか隙を見つけて…

 

 

 「では早速、新鮮な内に何か作りましょうかね?

  さてさて…何を作りましょうか…。 ミキサーにかけてソースを作るのもいいですし、汁を絞ってジューズにしてもいいですね~~。」

 

 

 「おお!! さすがマスター!! 瞬時にレシピを考えるその想像力!!素晴らしいにゃ!!」

 

 

 「ほっほっほっほ!!! ちゃにゃん、そんなに褒めても何も出ないよ。」

 

 

 「…って言ってるマスターのその手はなんにゃ?www」

 

 

 褒められて咄嗟に手が動いているのか、ちゃにゃんからもらったたんこぶの皮…(人皮だよね?)を携帯ナイフで華麗なる手捌きで剥いていき、なぜか剥いた皮で薔薇のアートを作り上げてしまった。

 

 ちなみに剥かれた部分からは筋肉?腫れもの?なのか分からないが、人体の一部が露わになっていた。そこからは少し血が流れ出ている。

 

 皮も血で染まり、半透明の薔薇アートが血で染まった赤い薔薇へと変わる。

 

 

 「マスター、凄い!! 綺麗だにゃ!!」

 

 

 (((確かに見事だけど、全然笑えない…。)))

 

 

 二人で笑い合っているのを、血色悪い顔で傍観していた客達。

 

 

 すると、その客達に一瞬ちゃにゃんが視線を向けたかと思うと、マスターに笑顔で提案する。

 

 

 「ああ…、マスター。よかったら、それをこの人達に食べさせてあげてください。

 

  どうやら騒がしくしてしまったみたいだし、お詫びで御馳走するにゃ!!」

 

 

 「ええ…!?いいのかい?ちゃにゃん。 こんなすごく貴重なものをあげたりして。

  折角いいデザートにできると思ったんだけどね~…。」

 

 

 「いいにゃ!! だからこそ、その美味しさを分かってもらいたいんだにゃ…!!」

 

 

 

 そう言って、二人はちゃにゃん達の隣の席に座っていた男性3人組に、珍味の料理を振る舞う事に決めた。

 

 もちろん、その珍味の食材は…、たんこぶだ。

 

 

 

 (((いらねぇ~~~よ!!! そんな奴食べれるか!!)))

 

 

 

 まさか自分達に降りかかって来るとは思わなかった彼らは、マスターがどうせならとわざわざこの場でクッキングショーを披露し始める。

 

 喫茶店のマスターとは思えない包丁の手捌きと 洗練された盛り付けであっというまに、血シロップのかき氷が完成した。

 

 男性3人組の目の前にカキ氷が置かれる。

 

 見た目はいちごシロップがかかったかき氷と変わりないが、実際に目の前でシロップを作られたのを見ると、食べる気が全然しない。

 

 

 かき氷を見ながらも、どうこの場から逃げ出そうかと仲間内でアイコンタクトを取り、作戦を練っていると、ちゃにゃんが3人組のテーブルに近づき、笑顔で話しかける。

 

 

 「どうぞ、召し上がれにゃ!!」

 

 

 いつの間に着替えていたのか、メイド服に着替えて接待するちゃにゃん。

 

 

 「いや………、こ、これは………」

 

 

 男の一人が勇気を出して、断ろうとする。

 しかし、ちゃにゃんがテーブルを思い切り拳で粉砕し、テーブルが真っ二つに割れる。

 3人組は明太子のような口とギョッとした顔で、固まる。

 

 

 「お客様~~? 確か、ご注文されましたよね~~?

  『隣の子達の一部でもいいから、料理作ってここに持ってこいや!!それくらいしかこの店は出すもんがねぇ~~んだろ!?』……って言ってましたよね~~?」

 

 

 ちゃにゃんの低い声色と話し方からとても自分達が言った言葉とは思えないほどの恐怖を感じる。

 

 

 

 そう、この3人組はくろちゃん達の隣の席に座ってからじろじろと覗き見してきたり、鼻の下伸ばして唇を舐めてたりしていたのだ。しかも、執拗に店内を批判する言い方を大声で言いまわっていたのだ。

 

 

 

 「お客様のためにせっかく新鮮なモノを摂って、お作りしましたのに…。」

 

 

 「あ、あれは……冗談です……」

 

 

 「大声で注文しておいて、冗談だったんですかにゃ~~?

  では、しょうがないにゃ~~。 お客様には少々、躾をさせていただきましょうにゃ。」

 

 

 

 ちゃにゃんが指を鳴らす。

 

 

 

 男3人組は身の危険を感じる。

 

 

 

 だが、3人組は見てしまった。

 

 

 

 ちゃにゃんの後ろに得体の知れない不吉なオーラが淀んでいて、割れたテーブルに血だらけの手が伸びてきて、よじ登り、これまた血だらけの人の首が3人組を大きな目で見つめてきたのを…。

 

 

 

 「「「わああああああああ~~~~~~~~~~!!!!

 

    た、助けてくれ~~~~~~~!!!!」」」

 

 

 

 

 もう限界が超えてしまったか、3人組は席を立ち、出口に一目散に逃げる。

 しかしその後ろをまたまた全身血まみれの女性が物凄い形相で地面を這って追いかける。

 

 

 

 「「「うわああああああ~~~~~~~~~~~~!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、男性3人組はその血まみれの女性にパンツを下ろされ、カラフルなインナーパンツを見せながら、街中へと全力で逃げていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 店内ではさっきまでの重い空気から一変して、笑いと歓声が鳴り響く。

 

 

 

 ちゃにゃんもマスターも笑いが止まらず、お腹を押さえている。

 

 

 

 そして、ただ二人だけ……、くろちゃんとにょきにょきは何が起きているのか理解できずに首を傾げていた。

 

 

 そのくろちゃんの手には、先程の男達のパンツを下ろした時に、破れてしまったパンツの一部が握られていた。

 

 

 

 

 

 




………なかなか注文する所まではいかないな~~…。

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