魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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さてこちらも以前、チム板で繰り広げられてたもので…。

くろちゃんのちょっとした間違いから(狙っていたかもだけど)起きた話です。

ただし、こんな事があったな~~…という記憶だけで投稿するので、内容はほぼオリジナルだね。


後日談弐ノ魔書★ イチゴパフェにご用心!?①

 

 

 

 

 

 ここは、帝都では物凄い有名で行列のできる喫茶店……

 

 

 

 

 

 ではなく、その喫茶店の通りを挟んである向かいの喫茶店である。

 

 

 こっちの方はというと、華やかな向かいの喫茶店とは違い、寂れて外見は今には潰れそうな雰囲気があるが、内装はレトロな雰囲気で、落ち着く場所でもあるため、マニアや常連…には意外と評判のいい喫茶店だ。

 

 

 そして、ちょっと……いやかなり?…変わった喫茶店だ。

 

 

 そんな喫茶店の窓際の一席に、くろちゃんとちゃにゃん、にょきにょきが何を頼もうか真剣に考えていた。

 

 腕を組んで真剣に悩む三人の前には、水がはいったコップが三つだけある。

 

 

 「う~~ん。困ったね~~。」

 

 

 「何にしようかにゃ~~…。」

 

 

 「逆に迷うよね。ふ~~む…。」

 

 

 悩んでますオーラを醸し出して注文する品を考えている。

 

 

 しかし、ここは喫茶店だ。

 

 ふつうは、ここまで考えなくてもメニューをみれば済む話である。

 しかしその肝心のメニューがないのだ。女子ではお馴染みのメニューを見ながら、どれにするか話し合ってトークが栄える…なんて事もできない。

 

 

 初めて入ってきた客なら、「なんだこの店は! メニュー提供する気あるのか!?」…と突っ込みかもしれない。いや、突っ込みをするのが当たり前に繰り広げられている。

 

 実際にくろちゃん達の隣の席の客はそう言って喚いている。

 

 静・動と見事に分かれたこの空間の中、くろちゃんたちは困った顔で話し合う。

 

 

 「はぁ~…、だめだ~~!! 思いつかない!!

 

 

 「そうだよね、なかなかこれっ!!っていうものが思い浮かばない…。ちゃにゃんはどう?」

 

 

 「…そもそもこの店に入る前に決めておけば簡単だったはずだと思うにゃ。」

 

 

 「「は!!」」

 

 

 「………今更『そうか!!』という顔で、納得しなくてもいいのにゃ~。」

 

 

 「だって、久しぶりにマスターのデザート食べたくなったんだもん!」

 

 

 「それは同感だけど、せめて決めとかないとにゃ。急に『マスターのデザートが食べたい!!』っていうから、もう決まっていると思ってたにゃ~。」

 

 

 「マスターの出すものはすべて美味しいから!! 何言ってもいけそうじゃん!?」

 

 

 「…はぁ~、にょきにょきはもう決まっているのにゃ?こうなったら、にょきにょきの食べたいものを注文しようにゃ。

  にょきにょきは何を食べるにゃ?」

 

 

 「え? あ………、私はくろちゃんと同じものをお願いしようと思っていたから、考えてない。(*^_^*)」

 

 

 「………………にゃ?」

 

 

 二人とも、あんなに食べたいといっていたからてっきり、注文する者は決まっていると思っていたら、まさかの二人ともノープラン…。

 

 

 思わず絶句するちゃにゃん。

 

 

 

 溜息もこぼれる。

 

 

 

 

 注文するだけに軽く一時間は経過している。ちゃにゃんとしては、何とかこのスパイラルを抜け出したかった。

 

 

 そもそもこんなことになっているのは、他ならないこの喫茶店の仕組みだ。

 

 

 この喫茶店では、メニューがない。

 

 

 それは、客が頼んだものは何でも出してくれるからだ!!

 

 

 くろちゃんたちをはじめ、常連からは『四次元喫茶』と呼ばれている。

 

 

 …まぁ、それは置いといて。

 

 

 客が注文したものなら、なんでも用意して、テーブルに持ってきてくれるので、メニュー自体が必要ないのだ。

 これが、この喫茶店の魅力の一つでもある。…だから、あまり文句も言えない。なんだって、何でも出してくる料理やデザートはすべて絶品を感じさせるほどの美味さだからだ。

 

 

 これで理解できただろう。

 

 

 くろちゃん達は、この『なんでも注文していい』という逆に難しい選択で、困っていたのだった。

 

 

 「この前は、ステーキを食べたし…。」

 

 

 「その前は、ジューシーハンバーガーだったね…。」

 

 

 「「う~~~ん…。」」

 

 

 「もういい? 私は、『ホワイトチョコケーキ猫風』にするから。二人もするにゃ?」

 

 

 「「それじゃ面白くないのにゃ!!」」

 

 

 ちゃにゃんの「にゃ」がうつってしまいながらも、二人のハモりがよく、ちゃにゃんは勢いに押された。

 

 

 「それもいいけど、もっとインパクトが欲しいんだよ!!」

 

 

 「そうそう!! もうマスターにしか作れない究極のデザートを作ってもらいたいの!!」

 

 

 どうやら二人は物凄いものを頼みたいらしい。

 

 それで、かなり考え込んでいたのだ。

 

 

 「…ふぅ~、わかったにゃ。それじゃあ後…、3分で決めちゃって♡」

 

 

 「「ええええええ~~~~!!!あと3分で!!」

 

 

 「はい…、2…、3…、4…、5…」

 

 

 「…って!!もうカウントダウン始まってるし~~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「3分クッキングか~~~~~い!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「えええ~~~と…!!」

 

 

 

 

 

 くろちゃんらしい突っ込みを繰り広げながら、必死に考えるがどれも普通にどの店でも食べられるものばかりが頭に浮かぶ。

 

 

 にょきにょきが慌てて店内を走り回って考える中、くろちゃんは窓から見える外の様子を眺めていた。

 

 

 

 

 そこで、あるものを目撃してしまい、くろちゃんは、今まで悩んでいたのがウソみたいにイメージが出来上がった。

 

 

 

 

 ちゃにゃんは時計を見て、3分になったので、マスターを呼ぶ。

 

 

 注文を受けるためにマスターがくろちゃんたちの元へやってくる。

 

 

 既に顔なじみだからマスターに無理難題の注文を言える間柄だ。(どんな仲だよ!!?)

 

 

 

 

 

 

 

 そして、注文を窺うマスターにくろちゃんが窓の外を見つめながら、注文する。

 

 

 

 

 

 その注文するものは、今までにない、絶対にありえないものだった!!

 

 

 

 

 

 




くろちゃん、いったい何を注文する気だ~!?
まぁ、ネタバレもほんのりしてますけど…。

でも、絶対に知ったら、呆れるか、爆笑に間違いないね!!

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