魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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さて~~!! カバルレが~~倒れる~~場面を~~拝むときが~~きた!!




カバルレとの決戦(Ninth)

 

 

 『”ワタシノオソロシサヲアジワラセテアゲヨウデハナイカッ!!”』

 

 

 

 ROSEに殺気を放ち、哂う仕草は既に人間に非ず…。

 

 

 ドレーナの能力を全て取り込み、身体に宿したカバルレは、ドレーナと戦った際の困難を虐げられた。

 いや、それ以上か。ドレーナは結局手加減している部分があった。実際にドレーナと戦ったのは、暁彰だけ。その暁彰も互いにお手並み拝見といったところだ。

 

 本気で戦ったら、厄介な事は目に見えていた。

 

 そしてその予想は早くも的中した。

 

 宙を飛んでいたカバルレが突然目の前から姿を消したと思ったら、次の瞬間、ワイズさんのすぐ隣にいて、ワイズさんと近くにいたhuka、ホムラを続けて殴りつけた。炎を身に纏ったカバルレの拳は、破壊力が抜群で、殴られると同時に業火の炎も受けるので、ダメージは倍増だ。拳は、殴られても立って、反撃できるくらいの威力でしかないが、追加効果で来る炎の威力は桁違いだ。

 

 その結果、業火を受けて三人は、吹き飛ばされ、酷い火傷を負い、倒れる。

 

 

 「ワイズさん!!huka!!ホムラ!! 」

 

 

 「何!!今の動き、見えなかった!!」

 

 

 「巨大化した時の動きも素早かったけど、今の方が断然速いよ!!」

 

 

 「目で負えないとなると…、暁彰たちに頼るしかない…」

 

 

 

 

 

 ドオオオオオォォォォンンンン!!!!

 

 

 

 

 

 くろちゃんがタツヤ族の暁彰、ミナホ、tokoに『精霊の眼』でのサポートをお願いしようとしたその時、それを防ぐためか、カバルレが突進し、暁彰たちを炎で具現化した剣で斬り付けた。斬り付けられた三人の斬り口には、炎がまだ燃え滾っていた。

 

 

 「暁彰~~!!ミナっち!!toko!!」

 

 

 「くっ!!…このままじゃみんな、やられてしまうにゃ!!」

 

 

 慌てだすくろちゃんとちゃにゃんは、まだ立っている仲間達を終結させて、互いに背中を合わせる形で円を作る。どの方角からきても、対応できるようにするためだ。

 

 幸い、倒されたみんなは魔法師が無意識に展開している自身への情報強化の防御によって、致命傷は追わずに済んだ。しかし、すぐには復帰は不可能で、しばらく倒れているフリをして、回復を待つとこっそり通信が送られてきて、くろちゃん達はひとまず安堵する。

 

 

 「それにしても、カバルレの体力や身体能力はそれほど特化してはいないけど、ドレーナの能力を自在に扱っているからか、厄介なのは変わらないね。」

 

 

 「厄介で済ませるレベルならいいけどね。」

 

 

 「でも、少しはカバルレの動きにも慣れては、来たけど、さ!!

  これは状況的に不利だと思う!!」

 

 

 「何で?」

 

 

 「多分、支配していた”魂”が解放された事で、その分、ドレーナの”魂”をコントロールしやすくなったんじゃないかな?

  だから、ドレーナの本来の力も引き出す事が出来る訳だし、それをカバルレ自身の腕っ節の弱さを補って余りあっているんだよ。」

 

 

 「…だから?」

 

 

 「……え~~と、つまり私達が戦っているのは、ドレーナだと思った方がいいって事。より正確には、たかが外れたドレーナとの戦いかな?全力で向かってこられたら、さすがに私達でも、勝率は低いと思う。」

 

 

 今まで説明してくれていた御神が、冷や汗を掻きながら、嫌な予感が当たりませんようにと祈るような顔でため息を吐く。

 

 それを見て、サガットが何かを理解できたみたいに、みんなに聞こえるように口を開く。

 

 

 「…なるほど。つまり御神が言いたいのは、カバルレがドレーナの能力を使って、とんでもない魔法を繰り出すのではないかと思っている訳だ。

  それもかなり高い確率で起こるとも考えている。」

 

 

 「ギクッ!!」

 

 

 「とんでもない魔法って?」

 

 

 るーじゅちゃんが不安そうな声をして、恐る恐る問いかける。それを、サガットは深呼吸して、自分なりの答えを告げた。

 

 

 「……『マテリアル・バースト』」

 

 

 それを聞いた瞬間、今まで失念していたと驚愕と共に思い、対策を練らねばと慌てだす。リテラとオドリーはそんなみんなの様子を訝しく思い、質問してみる事にした。

 

 

 「あの、何ですか?その『マテリアル・バースト』とは?」

 

 

 「その魔法は私でも知りませんよ。」

 

 

 「…ああ、『マテリアル・バースト』はまたは質量爆散と言って…、詳しくは言えないけど、タツヤ族の遺伝的な魔法で、使えるのは、タツヤ族のみの珍しい魔法なんだ。」

 

 

 「その魔法は強力すぎて、一般的に使用はできないくらいの威力を発揮するんだよ。」

 

 

 「この地下都市が軽く吹っ飛んで、地上に激しい地震が起きるくらいには…。」

 

 

 「そして、カバルレに取り込まれたドレーナは、タツヤ族…。

  十分に『マテリアル・バースト』を使える筈。なら、それをあの外道が使わない筈がない。…使えるなら。」

 

 

 説明を終えたROSEの言葉に、リテラとオドリーがつばを飲み込んだまさにその時、今まで、ROSEの周りを高速で飛び回り、飛び蹴りやらしていたカバルレが上空へと急上昇し、ずっとROSEを見つめてくる。しばらくすると、ニヤッと笑ったかと思ったら、右手をてっぽの形にして、ROSEに向けてきた。

 

 

 「あっ…、まずい」

 

 

 「殺る気だ~~…。」

 

 

 「…『マテリアル・バースト』」

 

 

 顰め面で一言ずつ言葉を発したくろちゃん、ペンダゴン、火龍人達の唸り声をBGMに、ROSEだけでなく、リテラも、オドリーも、避難していた警魔隊や奴隷達もカバルレを見て、呆気にとられてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「「「「「「「「「「「…………………まじかあああああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 カバルレ以外のこの地下都市にいる人間全員が見事なハモりでこの危機的状況に突っ込みを入れるのだった。

 

 

 

 

 




今日で最後にしようと思ったけど、きりがいいように、明日の10回目で終わらせることにしました!!

なかなか終わらなくてごめんね~~!!

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