魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

174 / 453
前回は見事に遊ばれたからな~~、絶対に怒り出すわ、あの外道は。


カバルレとの決戦(eighth)

 

 

 

 

 

 『殿様あ~~~れ~~~』を見事に喰らったカバルレは、高速スピンをさせられて、完全に目を回して、足元がフラフラとしていた。

 これなら、魔法を使うなんてせずに地味にダメージを与えられるからな。

 蓄積した魔力を使い道はゼロだ。

 

 

 『”オ、オノレ~~~…、ウップゥ…!!”』

 

 

 魔力以外はカバルレ本来のままだからな。

 

 目を回す事がない耐久力もないし、体力もない。今にも吐きそうになっていた。

 

 

 「うわぁ~~~…、魔物になっても、吐き気ってするんだね。」

 

 

 「…なんだか、さっきの氷像といい、殿様あ~~れ~~といい…、カバルレが小物感を醸し出してきたよね?」

 

 

 「ああ!!それ、分かる~~~!!」

 

 

 『”コノオレサマヲワラウナ~~~~!!”』

 

 

 御神とホムラ、くろちゃんのちょっとした雑談を聞き取ったカバルレが牙をむいて、襲いかかってきた。しかし…

 

 

 「それはこっちのセリフだ!!」

 

 

 

 

 

 ボガアアアァァァァンンンンンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 連続発動で跳躍魔法を使い、カバルレの頭上に飛び上がったホームズが一言だけ告げると、『マシンメイル・バズーカー』を思い切り脳天目がけて放った。

 目を回していたせいで、『精霊の眼』を使っていなかったカバルレは、まんまとホームズの攻撃を受け、目ん玉を飛び出し、頭が少し凹んでいった。

 

 

 『”グワッ!!”』

 

 

 脳天に直撃したため、カバルレの思考力も、支配力も!!低下した。

 

 それにより、カバルレに取り込まれていた”魂”達が口からあふれ出てきた。

 

 

 「よっしゃ!!」

 

 

 「いけ~~!!その調子!!」

 

 

 

 いくら魔力を得ても、所詮は人から奪ったものだ。簡単に使いこなすなんてなかなかできないし、薬で支配を強化していても人の”魂”を完全に思いのままに使えるはずがない。

 

 どんどん解放されていく”魂”達をワイズさんが『鬼灯』で障壁を張り、あの世への弔いを行う。

 

 

 『”オレノ”タマシイ”ダ!! ニガスカ!!”』

 

 

 意識が朦朧とする中、カバルレは口を押え、”魂”を逃がすまいと躍起になる。

 

 しかしそれを見て、くろちゃんが呆れた表情を見せる。

 

 

 

 「カバルレ…、あんたは自意識過剰すぎるやつだよね。往生際が悪いよ。

 

  大体あんたが千人もの”魂”を支配できる器じゃなかったんだから、そうなっているわけでしょ?

  いい加減、自分が特別な存在だと思うことはやめたら?」

 

 

 『”コノオレサマニサシズヲスルナ~~~!!”』

 

 

 「アドバイスだけど?これすらも耳に入らないってどんだけ外道なんだろうね?ねぇ~、ちゃにゃん!?」

 

 

 「うん、そうだにゃ!!

  取り込んでから、動き回って攻撃して、すでに体力も限界なのは、暁彰たちの『精霊の眼』で確認しなくてもわかっているにゃ! さっきから息が荒いし、現に”魂”は次々と解放されていっているにゃ。」

 

 

 『”ダマレ、ダマレ、ダマレ、ダマレ~~~~~~!!!!”』

 

 

 図星を突かれ、声を荒げるカバルレ。

 

 

 

 もう千人もの”魂”はなく、残りは少ないのは明白。取り込んだ”魂”が解放されたことで、身体も縮んでいる。すでにROSEの勝利は見えてきたも当然だった。

 

 

 そこにカバルレを更に自分の敗北を理解してもらうため、ホームズの後に続いて、サガット、暁彰、hukaが100万トンハンマーを振り上げ、脳天を連続で叩いていった。それによって、カバルレの顔は潰れ、どんどん地面へと沈んでいき、最終的には頭だけが地上に残り、潰れた首だけが残った。

 

 

 ハンマー攻撃を受けるたびに、”魂”は解放されていった。

 

 

 

 もう、カバルレに力を与える”魂”はない。

 

 

 

 「もう、終わりだよ、カバルレ・サマダ!!」

 

 

 「あんたの敗因は、人の心をわかろうとしない、自分だけが特別だと勘違いしたところだよ…。」

 

 

 「……せめて、もうこれを機に更生してください。」

 

 

 

 

 地面に埋もれたカバルレに向かって、リテラ、くろちゃん、オドリーがそれぞれ言いたい事を言って、今度こそ!!終結したと思った。

 

 

 

 

 でも、カバルレの顔が再生していき、復活した顔は狂気を逸した凄まじい怨念を感じさせる怒りを宿し、睨み付けてきた。

 

 

 

 

 『”カ~~~~バッバッバッバ!!!

  オレヲアマクミルナ!! マダオワッテハイナイ!!オレニハ、コイツガイルッ!!!”』

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言い放ったカバルレは、最後の力を振り絞るかのように、地面から脱出し、勢いよく飛び出す。

 

 すると、カバルレが飛んでいた。

 

 

 蝙蝠の羽を連想させる、炎の翼が背中に生えていて、宙を浮いていた。そして、全身に炎を宿し、燃え上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 その姿は、炎の悪魔のように…。

 

 

 

 

 

 『”オレニ、ドレーナガツナガッテイルカギリ、オレノハイボクハナイッ!!!

 

  カ~~~~~~~バッバッバッバッバ!!!!!”』

 

 

 

 

 

 

 その狂気の哂い声と共に、地面から炎の柱がいくつもの打ち上げられた。

 

 

 

 

 

 炎の悪魔となった、カバルレによって、地下都市は火炎地獄へと召喚されたとしか思えない有様になったのであった・・。

 

 

 

 

 

 




カバルレ!!しつこい!!

そうか、ドレーナの”魂”以外を開放しても、一番強いドレーナだけでもそれなりに力を発揮するのか!
面倒だな!!おい!!



………しかし、それも明日で終わりだぜ!!明日には必ず決着をつけてやる!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。