魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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今日は体育の日という事で、またまた番外編です!!

もう、記念日の度に番外編なので、楽しみにしていた人はいるのではないでしょうか~~!!?

…はい、「待ってた~~!!」という声が聞こえてきましたので、今回もROSEのドタバタをやっていこうと思います!!

(番外編は人気だったりする)

…では、ご覧あれ!!


体育の日番外編~波乱の体育祭~

 

 今日は、年に一度に行われるギルド内イベの一つ、その名も『ROSE体育祭!!にゅるっと!!むふふふ♥!!合戦!!…(?)』がギルドの敷地で開催されていた。

 

 タイトルはなぜか付け加えられていて、修繕不可能だったので、このまま幕を張っている。無論、これを付け加えたのは、新たなヘムタイとなった剣崎兵庫だ。

 

 

 垂れ幕を張る際に発覚し、既にちゃにゃんにほっぺをつねられ、引っ張られるという地味なお仕置きを受けた。

 

 

 「…まったく、今回もヘムタイが何か企んでるよ。大会運営委員長であるうちにとっては頭が痛くなるよ~~!!」

 

 

 「まぁまぁ、ミナっち。私も手伝うから、頑張っていこうにゃ!!既に、警備隊としてHMTが交代で巡回しているから、大丈夫だにゃ!!」

 

 

 「ちゃにゃっち~~~~!!!」

 

 

 今回の体育祭の企画立案兼大会運営委員長をしているミナホは早くも起きたヘムタイ事件に頭を悩ませていたが、同じ志を持ったちゃにゃんの言葉に救われ、体育祭を盛り上げるため、気合を入れるのだった。

 

 

 

 

 …しかし、ミナホが体育祭を盛り上げるために気合を入れている時、同じく盛り上げる目的で顔を見合わせ、目を輝かせるヘムタイ集団がこそこそと動き出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 「さ~~~て!!いよいよ始まりました!!ROSEの体育祭です!!今回は、体育祭の名物種目を全てカードに書き、この中にセットしました!!」

 

 

 実況役も担っているミナホは、手を大きく広げて、差し伸ばした先には、透明な球体が置いていた。その中で、渦巻く風に乗って舞っている何枚ものカードがあった。

 

 

 「これは、ルーレットマシンです!!うちがルーレットを回し、出てきたカードに書かれた種目名がみんなが争う種目になります!!

  今回は、チーム戦ではなく、個人戦です!!一番活躍ポイントが多く取った人が優勝です!! 

  そして優勝者には、なんとめったに手に入らないプレミアムガチャ×1000個とUR最新魔法『ゲートキーパー』の魔法式、更に賞金をプレゼントします!!

  みんな、頑張ってね~~!!」

 

 

 ルール説明が終わり、暁彰が代表で宣言する。

 

 

 「私達、ROSEに所属する魔法師全員、正々堂々と戦い、全力で取り組む事を誓います!!」

 

 

 

 暁彰が述べた宣言が終わると同時に、花火が上がった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず第一種目、『パン食い競争』!!

 

 

 

 ルールは簡単。ゴールの途中にセットされ、吊るされているパンを食べて、ゴールを目指すのだ。魔法は使用禁止。後、パンは口だけで取る事。

 …この種目は、魔法を使わなければ面白みがないかもしれないが、ヘムタイの目は待っていましたとばかりに輝きを増していた。

 

 

 「位置について~~!!よ~~~~い……、どんぐり~~~~~!!!!」

 

 

 ミナホの合図で一斉に走り出した参加者たち。今回は、るーじゅちゃん、火龍人、し~ちゃん、にょきにょきが参加していた。

  4人は、さすが鍛えているからか、走りは好調。すぐに目当てのパンまでたどり着いた。しかし、ここから4人は苦戦する。パンが取れそうでなかなか取れない…。ならよかったんだが、運よく口で取れたと思ったら、パンの中身が唐辛子たっぷりで辛さで神経が麻痺するという出来事が起きた。気を失いそうな辛さに4人の意識が朦朧とする。

 口から火を出して暴れているにょきにょきを見れば、その辛さは応援している見学者から見ても、辛そうだと感じてしまう。

 ミナホは、確かにパンの中身はチョコだったのにと思いながら、4人に水を配るために実況席を立った。

  しかし、ミナホが4人に近づく前に、4人は一斉に走り出し、真っ直ぐに猛スピードでゴールを目指し始めた。ミナホは慌てて実況席に戻り、凄まじい速さを目で追いながら、実況をしていく。そして、なんと4人の同着となって、『パン食い競争』が終わった。

 

 …種目は終わったが、4人も終わった…。

 

 

 

 真っ先にゴールした4人は、そのまま足を止める事なく、目の前にある水車まで突っ込んでいき、水車を破壊して、小屋の壁に突き刺さって、気を失った。…いや、かべを抜けて、4人ともお互いに頭をぶつけて、気を失ったのだった。

 

 思い切り、頭をぶつけたため、たんこぶが大きく実ってしまっている4人は、目を回し、呼びかけても応答がない。完全にノックダウンしていた。

 

 

 「…これはダメだね。4人とも棄権だよ。」

 

 

 「…仕方ないよ、これは。完全に伸びているもん。」

 

 

 「でも、なんでパンの中身が変わっていたんだろうね?」

 

 

 「…なんだか嫌な予感がする」

 

 

 4人をギルドハウスに運び、容態を確認したミナホとサガットが首を傾げる。

 

 

 

 

 一方、次の種目の準備で、競技場はバタバタと人が動いていた。そこで、何やらこそこそと作戦会議する者達が…。

 

 

 「ちょっと!!くろちゃん、話が違うよ!!」

 

 

 「いやいや!!それはこっちの台詞だよ!まさやん!!まさやんが送ってきたやつ、あれは媚薬だったよね!!?」

 

 

 「”そうだけど、まさかあの唐辛子成分を含ませたものとは知らなかったんだよ!!”」

 

 

 「辛さを我慢する代わりに、惚れ惚れさせる媚薬ってそんなの在るのか!!?」

 

 

 「”実際にあるから、ヘムタイ仲間のみんなにこっそり送ったんだよ!!”」

 

 

 「もう!!せっかくるーじゅちゃん達の色気満点のポーズが取れると思ったのに…!!」

 

 

 「でも、しっかりとカメラで撮ってたよね?しかも連写で。」

 

 

 「てへっ!バレてた?だって、普通でも、いい感じだったじゃん!!パンを取ろうとしてシャンプするたびに、揺れる谷間の…にゅるるるるる」

 

 

 「剣さん!!鼻血出てるよ~~~!!♥」

 

 

 「そう言うくろちゃんも出てるよ~~!!」

 

 

 「てか、みんなだ!!」

 

 

 

 くろちゃん、ホームズ、剣先兵庫、マサユキが鼻をの下を伸ばして(鼻血も出したまま)笑い合うのだった。

 

 

 そう、ヘムタイ達は今日のイベントを楽しみに待ちわびていた。魔法なしで動き回るのもあるため、ヘムタイ鑑賞にはもってこいなのだ。そのために、前もって、ちゃにゃん達に気付かれないように、ベストな盗撮場所を見つけたり、至る所にカメラをセットしたり、新しくヘムタイグッズをそろえてきたりといつもより念を入れて、励んでいた。

 

 

 「よし!!今日という今日こそは、一部始終!!録画しまくるぞ!!」

 

 

 「「「おお~~~~~~~!!!!!」」」

 

 

 

 ヘムタイ達は円陣を組んで、ヘムタイ野望のために再び動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 

 くろちゃん達ヘムタイの猛攻はその後も続いた。

 

 

 『バトル・ボート』では、ちゃにゃん達のぴちっぴちのウェットスーツで現れた体のラインを舐めるように見つめながら、胸をズームインして、写真に収めていた。撮った写真は、ヘムタイ専用アプリでキャラの身体にその写真を張り付け、指でエロくタッチしてムラムラする…。

 『玉入れ』では、玉に仕込んでいた超小型カメラで盗撮…。見事な胸元を至近距離からゲット!!

 『借り物競争』では、借り物の紙に、ヘムタイ用語やヘムタイ道具を書いておいた。参加して、あっさりと借りて、1位になるくろちゃん。

 

 

 そうして、とうとういつの間にか最後の種目となり、全員参加の恒例が出てきた。

 それは、『障害物競走』だ!!

 

 

 最後とあって、みんなの気合が熱気にあふれている。

 

 現在は、…苦しくもくろちゃんが1位…。その後に、ホームズ、剣崎兵庫、ちゃにゃんと続いていた。その後ろは、点差が広がって、暁彰、サガット、御神、ホムラ、ユッキ―となっていた。

 

 名前を呼ばれなかった人は、ヘムタイの作戦に掛かって、今はベッドで療養だ。その作戦は…、大変危険な者なので、省くとしよう。

 

 

  そうこうするうちに、ミナホがホイッスルを鳴らし、スタートした。

 

 

 …だが、スタートと同時に、ヘムタイ達は物凄い深い穴に落ちていき、落ちる瞬間に雷撃を放つ鉄製の網でゲットされ、急上昇で引っ張られる。

 

 

 「「「うわああぁぁぁ~~~~~~~!!!!」」」

 

 

 

 そして、御縄になったヘムタイ達の目の前には、鬼の形相をしたHMTが待ち受けていた。

 

 

 

 「どうだった? バンジ~~~ジャンプ♥ 楽しかったにゃ?」

 

 

 「……いや~~、心臓に悪いよ、ちゃにゃん?私達が一体何を。」

 

 

 「あれ?反省していないのかにゃ?盗撮したり、鼻血出したり、色々とヘムタイ行動してたにゃん。それを正してあげるのは、HMTのお仕事。当たり前の任務をしているだけにゃ!!」

 

 

 「ちゃにゃん~~…さん。顔が怖いですよ~~~!!!!」

 

 

 「だから…、覚悟してね?」

 

 

 「そんな!!待ってくれ!!ちゃにゃん!!おいら達は、今、『障害物競走』しているはずだ!! 観客も大勢、あのカメラを通して、見ているんだぞ!? こんなところで堂々と制裁すれば、ROSEの信頼度が下がる!!」

 

 

 『ああ、その事ですか~~!!』

 

 

 ちゃにゃん達、HMTの制裁から逃れようとするくろちゃんとホームズが今更ながら、観客の視線を気にする言い方をする。しかし、そこにカメラを通じて、実況をしているミナホが話してきた。

 

 

 

 『それなら問題ないよ~~!! 観客のみんなには、これからヘムタイを排除しますと告げているし、この種目はそういう意味だから♥』

 

 

 「そう言う意味…?」

 

 

 『うん、そう!! 『障害物(ヘムタイ)競争』…。障害物であるヘムタイを倒し、どれだけのダメージを与えられるか、または面白い仕打ちを行うかでポイントが付きます!!なお、観客の人達にも審査してもらい、誰が一番のヘムタイスレイヤーだったかを投票してもらい、そのポイントも加算するので!!』

 

 

 「「「「な!!」」」」

 

 

 『それじゃ~~!!頑張ってね~~!!』

 

 

 

 そこでミナホの声は途切れた。

 

 

 

 「そういう事だから…、覚悟はいいかにゃ?」

 

 

 「覚悟も何も、既に大罪を犯したヘムタイに情けは不要…。」

 

 

 「くろちゃん…、やってはいけない事っていうものがあるんです。」

 

 

 「”私達の仇を取って!!”」

 

 

 

 

 

 

 「「「…いやだああぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボコ、ボコ、ボコ…、ドガアアァァアァ~~~~~~ン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、ヘムタイ達は、ちゃにゃん達、HMTの公開処刑を受け、夢半ばで撃沈された。

 

 往復ビンタを受けて、頬が腫れ上がって、誰だか分からないくらいに丸く腫れた顔になったり、目にレモン汁を噴射したり、地面に身体を縫いつけて、ホームズの愛用鞭を使って、ギリギリ(露出ギリギリという意味)のラインを攻めたり、とりもちを接着剤の要領でくろちゃん達をくっ付かせて、丸く組み立て、人間ボールを作ったりした。

 

 

 最後は、みんなで力を合わせて、くろちゃん達の”ヘムタイ大玉”をゴール近くまで転がしていき、ゴール目前に合った湖にポイッと捨て、軽やかなステップを踏みながら、ゴールしていったHMT。

 

 

 得点は、ちゃにゃんが最後の案を提案し、観客達を笑いに誘った金賞を受け、見事逆転勝利したのだった。

 閉会式が行われ、ちゃにゃんが賞状されている頃、”ヘムタイ大玉”は湖の底で、沈みなかなか取れないとりもちに苦戦し、激しく動いたため、更に絡まり、窒息して屍となったのだった。

 

 

 特殊なとりもちを使用したため、水に濡れても取れない。それどころか更に絡みがよくしている。

 

 

 ”ヘムタイ大玉”を放置し、HMTは没収していたカメラの破壊をしながら、笑って今年の体育祭の宴を開いた。

 

  (足でカメラを踏み付けながら、笑う姿は、さすがに不気味だが。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 …そして、ヘムタイ達はまだ、湖で沈んでいた…。

 

 

 

 

 

 

 

 それは、『賞金を手に入れて、ヘムタイ魂を広める道場を建てる資金にする!!』という目的も一緒に湖に沈むのであった。

 

 

 

 

 

 




色々考えていたけど、間に合わなかった~~!!
ごめんね!! 種目的にも、ヘムタイ要素を取り込めそうだったけど、悩んで結局足りず。

もっとヘムタイを暴れさせて、ちゃにゃん達を活躍させたかったぜ!!

次は、ハロウィンで挽回するか!!


明日は、また本編に戻ります!!

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