魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ふふふ…。
タイトルを考えないで本文に集中できるとは、誠に嬉しい事ぜよ…!!




魔物カバルレとの決戦(Third)

 

 

 

 「くろちゃん、すげ~~!! さすがリーダーだぜ!!」

 

 

 「惚れたよ!!そうでなくっちゃ!!」

 

 

 「幾分かはすっきりしたね~!!」

 

 

 「上からの態度を懲らしめてあげよう!!」

 

 

 

 くろちゃんのリーダー的振る舞いに、ROSEのみんなは歓声をあげる。

 

 気合も十分。くろちゃんは、視線をカバルレに向けたまま、大声で更に活気を上げる言葉を述べる。

 

 

 「よし!! じゃ、まずはカバルレに取り込まれた人たちを取り返して、家族の元に帰してあげよう!!」

 

 

 「「「「それは…………」」」」

 

 

 「それは無理ですわ。 既に彼らを救出する手立ては、一つしかありません。」

 

 

 くろちゃんの言葉に否を告げる言葉が聞こえ、高まったテンションは下がっていく。

 

 水を差したのは、オドリ―だった。

 

 その後ろには、リテラもいた。

 

 

 「オドリー!!? リテラ!!? 二人ともどうしてここに!? 早く非難しないと!!」

 

 

 「大丈夫ですわ、くろちゃん。私もご一緒に皆さんと戦いますわ。」

 

 

 「私がここで逃げるなんて真似するようなら、ホームズ達に助けを求めた意味がないじゃない!? 革命軍のリーダーとして、私もけじめを持って、ここに立つわ!!

  この闘い…、絶対に逃げない。私もROSEと一緒に闘うわよ!!」

 

 

 二人とも真面目な表情で、共闘を伝える。訴えてくる眼差しも意志が揺らぐ事がないと強く示していた。

 くろちゃんは二人の熱意に共感して、微笑みながら頷いた。

 

 

 「分かったよ!二人とも力を貸して!

 

  ……………ところでさっきの『救出するには一つしかない』っていってたけど、どういう事なのかな?」

 

 

 共闘を認めたものの、先程のオドリーの言葉が引っ掛かっていたくろちゃんは、待ったなしに巨大な拳を素早く撃ち込んでくるカバルレの攻撃から隙間を縫うように避けながら、オドリーに問いかける。

 しかし、その疑問は違った方向から返された。

 

 

 「くろちゃん、もう取り込まれた人間たちは、原形を留めてはいない。」

 

 

 「取り込まれた段階で、カバルレの魔力へと変換されるから、もう”身体”と言える器は存在しないんです。どんなに家族の元へと返してあげたくても、既に消化され、家族に会わせてあげられないです。

  ……今は、ただ、ただの”精神”として、カバルレの中に辛うじて、いる、だけです!!」

 

 

 「tokoっちの言うとおり、カバルレに取り込まれた事で、千人もの人の”精神”がカバルレに全て乗り移った?状態になった訳なんだよ。

  つまり、器が変わったって事。だから、古い器を消化し、新たにカバルレを器として受け入れた事で、カバルレは”精神”に宿った記憶や魔力を引き出して驚くほどの動きで戦っているんだ。

 

  ……だから、吸収された人たちの”精神”…、ううん、”魂”を救出するたった一つの方法は、カバルレからその魂を吐き出させて解放する事。それが、唯一の方法だよ!!」

 

 

 「…ただし、これには、覚悟しないといけない。

 

  解放された”魂”達は、今まで器だったカバルレから飛び出しても、既に器をカバルレの瘴気の身体で熔けて、身体は『死んでしまっている』。還る器がない”魂”は彷徨うか、常世に召されるかのどちらかだ。吸収される前に生きているか、死んでいるかはもう関係ない。カバルレに吸収された時点で既に“死”を迎えている。

 

  それを弁えたうえで、闘わないといけないんだ。

 

  みんなはそれができるか?」

 

 

 

 暁彰、toko、ミナホがくろちゃん達だけでなく、通信でROSE全員に全てを話し、決断を求める。…若干、説明する際にtokoは幽霊を想像し、怖がりを再発させていたが、誰も突っ込まずにいた。

 

 今までの話をカバルレの鉄拳や炎の咆哮、爪での鞭攻撃を躱しつつ、真剣に聞いていたROSEのみんなは戸惑いを見せはしなかった。寧ろ、いつまでもカバルレにいいように利用されるのは、不本意に違いない。助けるぞ!!っと”魂”の解放を目指し、攻撃を避けながら、カバルレにレーザー攻撃や領域攻撃魔法をトラップで発動したりと反撃を繰り出していた。

 

 ショウリンも一生懸命に避けながら、みんなよりも距離を取って、自分なりに『術式解放』を駆使して、カバルレの攻撃を無効化させていた。

 

 両親を吸収されているショウリンもまた、両親を解放しようとドレーナとの約束通りに、魔法師として闘う事を決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「「「「「「「「そんなの、決まってるじゃん!!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから、決意をはっきりと口にしたみんなの言葉は大きくハモり、”魂”の解放を掲げたのであった。

 

 

 

 

 

 

 




カバルレの動きがだんだん見えてくるようになったROSEのみんな。

俊敏な動きでカバルレに翻弄させられていたみんなだけど、目が慣れてきた感じで、避けられるようになりました!!


そして、あっさりと暁彰が復活し、戦闘にいつの間にか合流していましたね。

闘いに時間はかけられないのさ!!

…でもうちは、投稿に時間をかけすぎている~~~!! ごめんね、てへぺろ♥

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