魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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更にデカくなる魔物カバルレ。


私達は逃げない!!

 

 

 

 

 

 

 

 本部棟を崩壊させ、更に巨大化した魔物カバルレ。その姿を見て、ROSEだけでなく、カバルレの部下や戦闘員たちを捕獲するために救援に来ていたレストレード警魔隊長が率いる警魔隊、リテラと共に地下都市で戦ってきていた革命軍も突然現れた怪物に絶句し、腰を抜かした。

 

 

 「ホホホホホ!!ホー―――――ムズ様!! ここここここれは一体!!?捕えた戦闘員どもを回収していたら、突然黒い触手っぽい手が現れ、捕えた戦闘員どもを全員連れて行かれたと持ったら、この有様…!!

  何があ………、 あああああ~~~~~~~!!!…ポッ♥」

 

 

 「…………何、呑気に見送ったかな? お前がちゃんと仕事全うしいなかったせいで、ややこしい事になったじゃないか!? どう責任取るんだ!? 

  ………ほほ~~?自ら罰を欲するとは、よほどドMだな、レスちゃん?…………グリグリ繰り」

 

 

 「きゃあん!! 申し訳ありません!!ホームズ様!!全て私の監督ミスです!!どうかこの私めにどうぞお仕置きを!! ………あああ~~~~~ん!!!」

 

 

 ROSEの元へと合流した警魔隊が情報交換で、離した内容にホームズが下僕のれるトレードに八つ当たりをし出す。レストレードの尻を蹴り上げ、俯せで倒れた所に、すかさず尻を足裏でぐりぐりと甚振る。レストレードはこんな時にホームズに付き合わなくても…いや、ドM気質を発動しなくてもいいのに、喜んで尻を突き上げ振り振りする。全く男同士で何をやっている事やら…。

 

 ROSEのみんなは呆れて物も言えないが、ヘムタイとBL部類が好きな一部の警魔隊員からは萌えられて凝視されていた。

 

 

 「それにしても、参ったわ~~!!」

 

 

 くろちゃんがそう呟きながら、額に手を翳して、遥か頭上の上にある魔物カバルレの顔を眺める。すると、顔をずっと上に向けていたため、首を攣ってしまい、悲鳴を上げた。

 他のROSEもくろちゃんのつぶやきに同意した。奥の手を出した事もあって、さすがに容易には倒れてくれなさそう。

 

 

 「倒れないというか、思ったよりやばすかも…。ああ~~………ほんとにやばす~~!!」

 

 

 ミナホがカバルレを視て、げっそりしながら言う。それと同時に隠しきれていない怒りが感じられた。

 

 

 それもそのはず…。

 

 カバルレは、千人の人間や魔法師だけでなく、死体まで取り込み、己の魔力としてここまで力をつけたのだ。ROSEに敗れて瀕死だった戦闘員も吸収した。更に吸収された死体の中には、ドレーナだけでなく、ウォン・ターン双子や警魔隊がここ最近総力を挙げて捜査していた死体盗難事件…、その被害者たちもいたのだった!!

 

 …つまり、盗まれたショウリンのお父さんも。

 

 この事件の首謀者はカバルレだった。

 

 実験体として放った人間の皮を被った魔物がうまく融合できなかったり、半ばで死んだりした場合、部下を使って回収していた。理由としては、死体を解剖されれば、どうして死んだのかもしかしたら改名されるかもしれないし、毒を飲ませていたため、事件の捜索が厳しくなれば、商売が滞ると思ったから。そして最大の理由は、今の情きゅみたいになった時に、魔力を吸収する道具として管理していれば、有効に使えると思ったからだ。

 その有効活用のために、取り込んだ魔力を自分の体内に滞納できるようにしようと、魔物になる魔法を発動する際に、注射で役人を自分自身に投与した事で、身を狂わすような魔力にも対応できるように準備していた。

 

 そんな意図を隠す気もなく、寧ろ見せびらかしている魔物カバルレにミナホは怒っていた。そして、同じく『精霊の眼』で自分の両親がカバルレに取り込まれているのを視たショウリンは、泣くのをやめて、仇を取るために、立ち上がった…。

 

 

 ショウリンが小さなてをギュッと握りしめ、誓っている姿を視て、ROSEのみんなは微笑を浮かべ、闘う意思を改めて持つ。

 

 

 「そ、そんな!! だめですよ!!ROSEの皆さん!!

 

  あんな化け物に誰も敵う訳がない!! ここは一旦全員を逃がして、この地下都市に閉じ込めましょう!!」

 

 

 カバルレの姿や嫌でも感じる濃密な魔力と威圧に恐怖するレストレードが戦う意思を持つ事を止めないROSEに逃げようと言い出す。

 

 

 しかし、ROSEのみんなは、CADを握りしめたまま、真っ直ぐに魔物を見据えて、その場から一歩も逃げ出さなかった。

 

 

 「…あなた達は離れておいてください!!ここは私達に任せて!!」

 

 

 「ここまで来て、逃げるなんてありえないにゃ…!! カバルレを倒すためにどれだけの血と涙が流れた事か…。」

 

 

 「早くさっさと去りな!! それにレスちゃんには、やらないといけない事はあるだろ!? 革命軍の連中や誘拐されていた奴隷達を安全な場所へ避難させるんだ!!」

 

 

 くろちゃん、ちゃにゃん、ホームズが揺るがない気持ちを見せ、レストレードの案を断る。しかし、レストレードはこれで自分が何者かを思い出した。

 

 国民の安全と平和を守るためにいる警魔隊…、その隊長である私が守らないといけない人がここにいる。隊長の私が弱音を吐いてしまってどうする…!と自分を叱咤し、くろちゃん達の願いを聞き入れ、部下を連れ、避難誘導にあたるために地下都市を奔走しに行った。

 

 

 

 

 

 「よし、これでレストレード達が無事に避難させてくれたら、気を配らずに戦えるね!!」

 

 

 ニヤッと笑うROSEは、お互いの顔を見合わせ、同じ思いを持っている事を確認し、一斉にカバルレに攻撃魔法を発動した。

 

 

 

 

 

 『”サァ!!カカッテコイヨ!! グズドモ!!”』

 

 

 

 狂気な笑みでROSEの攻撃を受けるカバルレだった。

 

 

 

 

 




まさかのレストレードとほーちゃんとの調教プレイが出てくるとは…。

隊長なのに、部下の目の前で何やっているんだろ?
でも、部下達は隊長がこういう人だと分かっているから、温かい目で見守っています。いい部下に恵まれたね…。(遠い目)

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