魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ついにショウリンのママが登場!!

でも、タイトル通りの…ですので!! 皆さん!!ハンカチか、バスタオルをご準備してください!!

(バスタオルって、大きすぎるだろっ!!)


息子との再会

 

 

 

 

 「マ……、マ……?」

 

 

 目の前にした影の人物の顔を見て、そう口にしたショウリンは、ただ驚きを隠せずにいた。ショウリンが一番逢いたかった人が目の前にいる。

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 …姿を消してからずっとまた逢える事を願って、強くなろうと決めた。

 

 

 ROSEに入って、少しずつでも成長している実感を得て、希望が見えてきた。そしてママが隠している秘密を知った時は、心から『カッコいい…!』と感動した。

 

 

 もっと強くなろうと決めた…!!

 

 

 ROSEのみんなから指導もしてもらって、『精霊の眼』をよりコントロールしやすくなり、身体能力も少し身に付けられた。それが自信にも、勇気にもつながった。

 だから、”カバルレ・サマダ大サーカス”へ突撃する際、みんなに頼み込んで連れてきてもらった。

 

 

 もしかしたら、ここにママがいるかもしれない…!!

 

 

 ママに逢える…!!?

 

 

 そう思うと、期待感と自分が成長した所を見てもらえると、逢える事が楽しみだった。でも、僕がママと見に来た時のサーカスではなかった。本当のサーカス団を見て、逆に不安になった。

 

 

 ママ…、大丈夫だよね…?

 

 

 酷い事をされていないか、心配になってきた。でも、状況はもっと悪くて、初めての魔法戦闘をこの目で見た。平気で僕たちを殺しにかかる敵の顔が怖かった。そしてその人達を倒すみんなの魔法を見て、頼もしさもあったけど、怖かった…。

 実際の魔法戦闘を目の当たりにして、物凄く怖かった…。何でついてきたんだろうって思った。怖くて逃げだしたくなった…。

 でもそんな僕をみんなが守ってくれた…。優しい声で話しかけてくれた…。僕に話しかけているみんなは笑っていたけど、辛そうだった…。

 それで僕は知った…。みんなの気持ちに。悲痛を感じながらも戦うみんなの心を。

 

 

 だから僕もみんなと戦って、ROSEの魔法師として、恥じないように戦おうと決めた。

 

 

自分にできる事でみんなを援護した。役に立てた実感が嬉しかった。でもすぐに自分が出しゃばった事で、みんなを酷い目に遭わせた。それに、自分自身を守る事も出来なくて、結局助けてもらった…。悔しかった。自分が浮かれていたんだって、気付いた。少し魔法が通じたからといって、一人前になったつもりでいたと思う。

 

 

 もう僕は、ママに逢う資格はないのかな?

 

 

 落ち込んだ。それでも僕がこうしてここに立ったのは、自分達の誇りや信念を貫くために、ボロボロでも立ち続けるROSEのみんなの背中をずっと見てきたからだ。

 あの怖い人がみんなの闘争心を折るために、酷い事ばかりをしてくる。僕も意味が分からない事があったけど、雰囲気で悪い事だと感じた。許せないと思った。

 そして、みんなは自分にまっすぐに突き進んで、立ち向かっていた。

 

 

 僕も…、みんなみたいになりたい…!!

 

 

 例え、力で劣っていても、それを逃げ道にしないで、怖がっていてもいい…。みんなみたいに真っ直ぐに生きていきたいと思った。

 そしてこの気持ちを持って、闘った。

 

 

 それで……     ずっと夢見ていた願いが届いた…。

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 「マ……マ…だよね…?」

 

 

 まだ信じられず恐る恐る聞くショウリンの声は、震えていた。

 

 そっと小さくてまだ幼さがある手を差し伸ばす。

 

 ショウリンにママと呼ばれた女性は、震えながらも手を差し伸ばし、近づいてくるショウリンを見つめ返し、苦笑する。

 

 

 「!!……うぅぅぅ~~!! マ、ママ~~~~~~!!!」

 

 

 その笑みが返事だったようで、女性の笑みを見た瞬間、ショウリンは堪えていた涙を流し、一人でいた時に抱えていたたくさんの思いの丈を込めて、走り寄る。

 

 いや、走り寄ろうとした。

 

 

 女性に手を広げて走るショウリンを、『鎌鼬』を受けて飛ばされたリテラが身体に鞭を打って、起き上がり、抱きしめて止めたのだ。

 幸い、リテラが咄嗟に障壁魔法陣を発動し、威力を抑えた事で、傷は残らない程度の傷で済んだのだった。もし、威力を抑えていなかったら、間違いなく身体真っ二つになっていただろう。

 

 

 「離して~~!!リテラさん、離して~~!!ママのトコに行くっ!!」

 

 

 「今はダメっ!!…ダメなの!! …っごめんね!ごめん……ね…。」

 

 

 リテラも涙を流しながら、泣き声でショウリンに何度も謝る。まさかのショウリンのママの登場に動揺もしているが、この事態になった原因が私にもあると、自責の念を抱いた。

 そして、リテラの腕の中で、ママに抱きつこうと必死に抵抗し、泣き叫ぶショウリン。そんなショウリンの叫び声を聞いて、カバルレの精神干渉魔法に掛かり、リテラの解除魔法で回復待ちしていたROSEのみんなが次々と復活した。

 

 

 「あれ…?私達、何をしていたんだっけ?」

 

 

 「なんだか、誰かと戦っていたような気が…? う~ん、思い出せない。」

 

 

 「記憶が欠如…、いや、鍵がかかっているな。」

 

 

 「あ、ホントだ。この鍵に使われている相子は…、リテラの?」

 

 

 「え?どういう事?リテラ、私達に何を…した…、の?」

 

 

 意識がはっきりしないのを不思議がり、『精霊の眼』で自分達に何が起きていたのか確認し、リテラにみんなの視線が集中する。しかし、リテラは暴れるショウリンを抑え込んでいた。そしてリテラの腕の中で暴れるショウリンは、泣いていた…。

 必然的に、近くにいる女性の方へとみんなの視線が動き、この状況に驚愕する。

 

 みんなはただ驚いたが、一人だけ驚愕する意味が少し違った。

 

 

 彼女と話した事がある人は…。

 

 

 

 

 

 「……何で君がここにいるんだ…!?

  後は、任せてくれと言ったのに…!!」

 

 

 悲痛な叫び声で問いかけるのは、暁彰…。

 

 

 暁彰のその心からの叫びに、ゆっくりと振り向き、顔を見合わせた女性は微笑した。

 

 そしてその笑みだけでなく、瞳にも温かみのある優しさが宿っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 「だって…、やっぱり息子が心配だし……、身を張ってでも………、護ってあげたいと思うのが………、ハァ~…、親というものでしょう…?

 

  …私がお腹を痛めて、産んだ……愛する息子なんだから………。」

 

 

 

 

 

 その心からの愛情を語る女性に、呆然と立ち尽くす暁彰の目から涙が零れ、女性の名前を呟くのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……………ドレーナ。」

 

 

 

 




えええ~~~~~~!!!!!

まさかのドレーナがショウリンのママ!!

これは一体!!

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