魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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『敬老の日』…ご老人の方々に日頃の感謝を伝える日…。

うちは、遠く離れた祖母たちに電話で感謝の言葉を送りました。


…そんな祝日にちなんで、番外編をしていきます!!

今回も暴れるヘムタイ達をどうぞ温かい目で見てあげてください!!


敬老の日番外編~年をとっても、ヘムタイ!~

 

 

 

 

 「今日はなんていい天気なんだ~…。」

 

 

 「うん…。良い…天気だにゃ~…。そして、清々しい日だにゃ!!」

 

 

 ギルドハウスの窓を大きく開けて日差しとそよ風を身体に浴びて、心を安らげるのは、ちゃにゃんとミナホ。

 

 

 

 メインストーリーでの蓄積した緊張感を取ろうと、一旦幕引きをし、休みを取って、ギルドに久しぶりに帰ってきたのだ。

 そう…、今回はメインストーリーの舞台裏として、本来のROSEで盛り上げようということになった。…ただ単に遊びたかったという訳もあるが。

 

 

 …まぁ、そんな訳で、久しぶりに帰ってきたから、ギルドハウスの空気の入れ替えをして、のんびりと羽を伸ばしていた。

 

 

 「…静かでいいにゃ~。」

 

 

 「ホントだね~…。静かだね~…。落ち着くね~…。」

 

 

 羽を伸ばし続けるちゃにゃんとミナホは、まるで日向ぽっこしている猫みたいにのほほんとしている。他のROSEメンバーも日頃の疲れを取るためにマッサージチェアを早速使いだしたり…、ハウスに完備されている露天風呂で身体を浸したり…、ラフな格好で寛いだり…、なぜかステージで、子供用の小さなプールを準備し出して、水着になって遊んだり…、その傍らでシートを敷いて、スポットライトを身体にあてて、南国気分を味わい、肌を焼く…という、何とも自由な休日気分を満喫していた。

 

 帰って早々、羽を伸ばし過ぎではと思う休息を取るROSEのみんな。

 

 

 ”確かに、メインストーリーでかなりのトラップや対戦を潜り抜け、外道のカバルレにやられていますけど、舞台裏の休息だからとここまで自由に羽を伸ばしていいのか?”

 

 

 …って、常識人ならもっと休日気分を有効に使おうと説得しにかかるはずだ。

                    .......

 しかし、今ここにいるROSEのみんなは、今しかできないからこその休息を満喫していて、常識を持った暁彰までもが、軍服を着て、リアルウォーゲームに集中して遊んでいた。その隣には、同じく軍服を着て、銃器を背中に装備して、暁彰とバディを組んで、モニターの中の敵魔法師軍団を壊滅していくサガットの姿まであった…。

 

 

 今、みんながこうして休息を取っていても、気にせずに自分達のやりたい事が出来る…。

 

 

 みんなの休息方法を知って、勘の鋭い人は気付いているかもしれないが、普通…、堂々と風呂に入ったり、水着になったり、揉み解したり…なんて真似は、決してない!!

 

 そんな事をすれば、狙われる以前に、精神的疲労に陥り、余計に体力をそがれる事態にどうしてもなってしまうからだ。

 

 理由は簡単…。

 

 

 ROSEのヘムタイが、鼻を垂らして、カメラを抱えて録画しようとするからだ。

 

 肌を露出したり、肩もみしたりすると、デレデレしてまるでゾンビのような動きでエロを求めて彷徨いだすヘムタイのお蔭で、満足にゆったりと湯につかる……こともできなかった。

 

 だがしか~~し!!

 

 そのヘムタイ達は、メインストーリーの舞台裏となった瞬間にどこかわからないが、土煙を上げて、一目散にどこかに行ったのだ。

 

 それを見送った時、ヘムタイがいなくなったのに気づいたHMT隊長、ちゃにゃんが「今のうちに休もう!!」とみんなに声を掛け、急いでギルドハウスに戻り、羽を伸ばしにかかった…という訳だ。

 

 

 ヘムタイがいない証拠に、なぜかROSEの乙女たちがステージで水着とワンピの着こなしコーデファッションショーを開いていて、ホールでは盛り上がりを見せていた。

 もしこの場にヘムタイがいれば、間違いなく鼻血噴射が起きていただろう。

 

 そんなステージの横のモニターでは、真剣にリアルウォーゲームを最終局面まできて大将を討ち取るまで戦い抜いた暁彰とサガットが、イケメンの顔から長きに渡る戦場にて戦い抜いた男の雰囲気を出し、鋭い眼光と筋肉で引き締まった渋い顔になっていた。あまりの変化で、人が変わった顔をしているが、誰も突っ込みはせず、二人はゲームに夢中で、コントローラーはひびが入っていて、死にかけていた…。

 そして、二人が相手する大将とその三幹部は、なぜか異様にヘムタイ達に似ていたので、更に白熱していた。

 

 

 

 

 

 

 

 ”ヘムタイ警報!! ヘムタイ警報!! ヘムタイ警報!!……”

 

 

 

 

 

 

 突如として、ギルドハウス内に響いた緊急警報…。

 

 

 

 ヘムタイがギルドに帰ってきた合図だ。

 

 ROSEのみんなは、警報を聞き、物凄い速さで片付けに入る。その動きはまるで忍者合戦かと見違えるほどに。

 

 

 

 

 

 「「「「ただいま~~!!」」」」

 

 

 「お帰りにゃ~!!(びくびく)」

 

 

 「あれ? ちゃにゃん、額に汗がいっぱい掻いてるよ? 何してたの?」

 

 

 「え!?え~っと…、あ、あれ!!あれだよ!! スタミナ今のうちに付けとこうと思って、ダンベルで腕力強化をしてたんだにゃ!」

 

 

 「そうなの!? 舞台裏になったんだし、休めばいいのに~!! 努力家だね、ちゃにゃんは。…でも、もうダンベルはしない方がいいよ…。いきなり慣れない事をしたら、身体に負担掛かるし…」

 

 

 「くろちゃん…! あ、ありがと………」

 

 

 「それに!! これ以上ちゃにゃんが握力強くなったら、今以上に鉄拳制裁を受けて、ヘムタイに人生を捧げる時間が少なくなるじゃないかっ!!」

 

 

 ちゃにゃんの肩に手を置き、真正面から堂々とヘムタイ宣言したくろちゃんに、ROSEのみんなは固まる。

 そして、ちゃにゃんはかなり作った笑い顔で、くろちゃんに笑いかける。

 

 

 「歯、食いしばれにゃ~~♥(怒)」

 

 

 

 

 

 ドンッ!!!! シュパ~~~!!!!

 

 

 

 

 くろちゃんは、またちゃにゃんの鉄拳制裁を受け、殴り飛ばされましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 「ふぅ~~~、ところでみんなはどこに行っていたのにゃ?」

 

 

 「え、えっと…、海岸の方に…。」

 

 

 「………ふぅ~~ん。さぞかし楽しかったんだろうね~…。」

 

 

 「ちゃにゃん!!それにみんなまで!!違うよ!!水着美少女を拝むために行ったわけじゃないから!!ちゃんとした用事があったんだ!!」

 

 

 「用事?」

 

 

 ちゃにゃんの鉄拳を目の前にした他のヘムタイ達(ホームズ、マサユキ、剣崎兵庫)は、何とか制裁を逃れようと必死になって、説明する。その傍らで、ちゃにゃんは笑いながら、仁王立ちして、話を聞く。内心では、『またヘムタイ衝動に走ったのではないか』と疑って。

 

 

 「そうなんだ。舞台裏になってすぐ、連絡もらって、行ったんだ!!」

 

 

 ホームズの話を聞いていたROSEのみんなは首を傾げる。

 

 

 

 もう一度一から話すように、お願いして、聞いてみる事にする。

 

 

 

 

 舞台裏になってから海岸の屋台の店主から連絡をもらって、早速海岸に行くと、海辺に大きなタコが現れていて、海辺に屋台を出す人々と見つめ合いになっていた。

 連絡をくれた店主に話を聞くと、どうやらあの海で友達になったクラ―ケンのクラちゃんの子供のようで、最後に友達になってくれたくろちゃん達にお礼をしたくて、わざわざ海岸まで来たのだった。

 それを聞いて、くろちゃん達ヘムタイ達は感涙するが、そもそもあの時、最後にクラちゃんがみんなの食材となった時、止めもせずに、寧ろ積極的に店の手伝いして、バイト代を手に入れていたよね?それで、ヘムタイグッズ買ったよね?

 

 …完全に友達を売ったよね?

 

 くろちゃん達の事を知っている店主が物言いたげな表情でヘムタイ達を見つめる。その店主の視線を受けながらも、クラちゃんの子供のタコに、熱い涙を見せ、

 

 

 「大丈夫…。私達は、クラちゃんの事を忘れないから…! ヘムタイの魂は、同じヘムタイの心に宿り、受け継がれていくんだよ!! クラちゃんの偉業を見習って、私達ももっとヘムタイを世に広めてみせるよ」

 

 

 「広めんでええっ!!」

 

 

 思わず、突っ込んだ店主だった。

 

 

 

 

 それからは、クラちゃんの子供タコと遊んで、お礼にと渡された玉手箱をもらって、戻ってきたのだ。

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 「…それでもらった玉手箱がこれ、と…?」

 

 

 御神が物凄く引いた顔で指を差す方向に、そのくろちゃん達がもらった玉手箱があった。

 漆塗りされていて、金箔での海藻や魚の彫刻が施されている見れば高価なものだと分かるほどの玉手箱が眩しく輝いていた。

 本来ならROSE全員で嬉しがって、箱を開けてそのまま宴会へとなるが、ここまで大層な贈り物をあの!!ヘムタイ達が持って帰ってきたことに信じられずに箱に触れる事さえできないちゃにゃん達、HMT一行。

 

 でも、箱に物凄いお金がかかっているんだから、相当中身は更に豪華なはず…。

 

 開けてみたいが、触れる事が出来ない…という現状が続いた。

 

 

 そんな中、ケロッとして、ちゃにゃんの制裁を受けて飛ばされ、帰ってきたくろちゃんが、ギルド内に流れる空気に気づかず、もらってきた玉手箱に近づいていく。

 

 

 「みんな~?何で開けないで、周りを囲んでいるの?こんなのさっさと開けて、喜んであげないと、クラちゃんの子供がかわいそうだよ~。」

 

 

 「…あ!!ちょっと待って!!くろちゃん開けてはだめだよ!!」

 

 

 ミナホが何かを思い出したように、止めに入る。その声色には、微かに恐怖が読み取れた。

 

 

 「どっかの国の絵本で読んだことがある…。ある時、カメを助け、そのカメに連れられて行った海の王宮で、姫と戯れた青年が陸へと戻る際に姫に渡された玉手箱を開けると、老人になってしまったという話を…!!

  もしかしたら、その玉手箱は、その話に出てくる老化させる玉手箱かもしれない!!」

 

 

 「…ぷっ!!まさか~~!! そんな絵本の話が実際に起きる訳がないって!!」

 

 

 真剣に話すミナホの話にくろちゃんやヘムタイ達が笑って吹き飛ばし、ついにくろちゃんが玉手箱の蓋を開ける。

 

 

 すると、ふたを開けた瞬間…

 

 

 

 

 

 

 ポンッ!!!

 

 

 

 

 

 小さな爆発が起き、ギルド内に白い煙が充満し始める。

 

 

 「けほっ、けほっ!! 何、この煙!!」

 

 

 「ううっ…、目に染みる~~!!けほけほ!!」

 

 

 「けほっ!!けほっ!! だめだ~!!咽て気持ちが悪い~~…。」

 

 

 「なんだか視界が見えなく……」

 

 

 充満する煙に、みんなは咳き込む。窓近くにいたRDC、toko、ルーちゃん、さっちゃんが窓を全開にし、煙を外に吐き出す。そして、煙が消え、視界がクリアになった瞬間…みんなは悲鳴を上げ、ギルド内は驚愕の嵐に包まれた。

 

 

 

 

 「な、何これ~~!!」

 

 

 「そ、その声は、まさか、剣崎兵庫か?」

 

 

 「そう言う君も、もしかしてホームズ?」

 

 

 互いに顔を見合わせ、ほっぺをつねるが、痛いだけで、これが現実だと思い知るだけだった。

 

 

 「「「「「私たち…、老けちゃった~~~~~!!!!!」」」」」

 

 

 己の白髪で、皺だらけで、背も縮んで、ヨボヨボになった姿を鏡越しや確認で、知った。ギルド全員が老けてしまったのだ!!

 

 

 「ちょっと!!だから、言ったじゃん!! この玉手箱は、絵本の話通りかもって!!

  けほっけほっ!! はぁ~はぁ~…、咽ちゃった…。」

 

 

 ミナホが嘆きながら、くろちゃんに怒声を浴びせるが、老化した事で喉が狭まり、勢い余って咽る。

 

 

 「まさか…、本当だったとは、おもわ、なかった…、んだよ。……ごめんなさい。」

 

 

 申し訳ない顔で謝るくろちゃんに、ROSE全員の視線が集まる。その視線は、冷たいものだった。

 

 慌てて、この場を取り繕うと辺りを見渡していると、開けた玉手箱の中に隠された底がある事に気づき、そこを開けると、そこにはピンク色の容器に入ったスプレー缶とその説明書が入っていた。

 そのスプレー缶を取りだし、説明書を広げる。

 

 みんなもその隠されていた中身が気になり、近寄ってくろちゃんが説明書を読みあげていくのを、全神経を集中させて耳を傾ける。もしかしたら、この事態を解決できるものかもしれないと願いを込めて。

 

 

 「え~と…、読んでみるよ?

  ”この玉手箱が開けられたその時、辺りの人間を老化させる呪いをかけている。これを読んでいるという事は、まんまとあのクラちゃんJrに騙されてしまったということだろう。…”

  

  なんだって!! クラちゃんの子供タコが!! どういう事だよ~~!!

 

  ”クラちゃんJrは、親を人間たちに食材にされ、その首謀者が許せなくて、この海の王宮に住まうわっちの所へ復讐をしたいと転がり込んできた。その際に言っていたのだ。『僕は、まだお父さんから”ヘムタイのエロス”の極意を伝授されていなかったのに~~』…と。”」

 

 

 「受け取らんでいい!!」

 

 

 「海の魔物のクラ―ケンでも親の仇とかするんだな~!!」

 

 

 「感心するんではないの!! そもそも悪い事してたんだから、制裁を喰らうのは当たり前でしょ!!子供にまで悪事を教えてもらっては困るよ!!」

 

 

 「悪事ではない!! エロスはヘムタイ魂を通わせる素晴らしい物なのだよ!!ぶはっ!!」

 

 

 ホームズが鳩尾に飛び蹴りを喰らったのを見て、慌ててくろちゃんが話の続きをする。

 

 

 「”クラちゃんJrのいう事は理解したくはなかったが、言う事を聞かなければ王宮を破壊すると言われ、仕方なくわっちの先祖から代々続くこの玉手箱を渡すことにした。   わっちは争いは好まん。だが、何もしなければわっち達は滅亡する。

  すまないが、少しの間老人で我慢してくれ。

  なに、案ずるな。わっち達には玉手箱の効力は発動しないため、ここにそなたたちを助けるアイテムを入れておこう。これで、廊下の効力は消える。

  ただし慎重に扱うべし!!”」

 

 

 この玉手箱を託した人物の伝言が終わり、次にいよいよアイテムの説明書きがつづられていた。

 

 伝言を聞いて、涙を流すROSE一行。

 

 

 一時はどうなるかと焦ったが、心優しい人のお蔭で、悪夢から出られると見た事がない恩人に感謝する。

 

 そして再びくろちゃんが説明書きを読みだす。

 

 

 「”このスプレーは、玉手箱で老化してしまった対象に吹きかける事で、老化が解け、元通りになる、桃太郎の産まれ桃から取ったエキスからつくられた世界でたった一つの代物。一人、一回の噴射でよい。”

 

  …だって!!良かった~~!!もし治らないって事になったら、私、みんなからなぶられるところだったよ~~!!

 

  あれ?でも注意書きが…

 

 

  ”ただし、この桃エキスは若返る効力を持っていると同時に、媚薬の効果が絶大で、吹きかけられた対象は、その吹きかけられた相手に異様な惚れを向け、数時間はメロメロ状態となる。その間は相手の命令に何でも受け入れてしまう。

   そして、桃エキスで発育も格段に上がるため、肌のぴちぴち感や美貌まで向上する。

 

   …以上を踏まえた上で、ご使用ください!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「「「「「「……………………………」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 くろちゃんが読み上げた注意書きを聞いたROSE一行の思考は二つに分裂した。

 

 『何としても、このスプレー缶ごと!!この世から消してしまわなければ…!』

 

 …という考えと、

 

 『このスプレーを使って、ヘムタイ活動を本格始動するぞ!!』

 

 …という考えに分かれる。

 

 

 

 もういうまででもないが、ヘムタイとHMTとのたった一つのスプレー缶を奪い合う攻防戦がギルド内で勃発したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 くろちゃん、ホームズ、マサユキ、剣崎兵庫は老化しているというのに、ヘムタイ魂をフルスロットルで全速力疾走し、スプレー缶を持つサガットを追いかけていた。

 

 老人が素早い走りを見せる中、その猛烈な走りをする足や手から離れていても聞こえるほどの『ボキッ、ゴギっ!!』という骨が砕けたりする音がする異様な光景が展開していた。もうその光景は、恐怖にしかならない。

 

 

 いつもの動きを無茶に再現しようとして、身体が悲鳴を上げる。しかし、ヘムタイ達の根性は根強く、既にHMT側は、ヘムタイ達からスプレー缶を守るため、同じように動かなくてはならず、その無理がたたって、ギルドハウスのあちこちで屍となっていた。

 

 

 残っているのは、サガットと暁彰のみ。

 

 

 サガットは、必死に足を動かし、ヘムタイ達から逃げ続ける。

 

 

 それを、息を荒げて休憩する暁彰は、この光景に苦笑を漏らし、こそっと今の心境を呟く。

 

 

 

 

 「……ハァ、ハァ…、年をとっても、ヘムタイか…。

  もう…、この世の終わりだな…。」

 

 

 

 折角の休息日がまたもやヘムタイの起こした騒動で消え、老化したことで、いつも以上に疲労と苦痛を味わう結果となったROSE一行…。

 

 

 

 

 

 

 この後、HMTが初めての全滅を遂げてしまい、スプレー缶がヘムタイ達の手に渡りそうになった時、舞台裏の終了で、メインストーリーへの帰還を告げに来たROSEのマネージャー(作者…って、うちか…。)が尋ねてきて、ギルドの荒れた状況をみて、何があったかを読み取り、疲れ切ったヘムタイ達を御縄にして、スプレー缶を確保した。

 

 

 

 「まったく…、これから本編に入るっていうのに~~!!

  でも、まぁ、これで本編に入っても困らない疲労を蓄積しただろうし、大丈夫でしょ!ほらほら、さっさと起きて、戻るよ~~!!」

 

 

 スプレー缶をみんなに吹きかける事で、目を覚まさせていき、老化を解いていくマネージャー。

 

 

 

 そして、ヘムタイ達は、縄で縛ったまま、引っ張って舞台へとみんなを連れて行くのだった。

 

 

 

 

 「よし!! いよいよみんなの大活躍が待っているからね!!

 

  みんなの力を合わせれば、勝てるっ!! 決して負けるなっ!!」

 

 

 「「「「「「「「「「「「「はいっ♥」」」」」」」」」」」」

 

 

 

 「うん!! では、幕上げだ~~!!」

 

 

 

 

 マネージャーとの円陣を組んで、メインストーリーの幕へと走っていくROSE一行。

 

 

 

 

 

 

 

 

 みんながマネージャーに向ける瞳には、身を焦がすような熱が込められていた…。

 

 そして舞台へと戻っていくみんなは、いつもよりも可愛らしかった。

 

 

 

 

 まるで、恋する乙女のように…。

 

 

 

 

 

 

 




ふぅ~~!!今回は、苦戦したかも。

でも、楽しかったかな。 みんなも老けたら大変な気持ちがこれを見て、分かったかな?

道行くご老人が困っていたら、助けてあげてね!!

きっといい事があるよ!!

ちなみに、舞台裏という事で、ROSEに焦点を当てましたが、悪役のカバルレはというと、魔物の着ぐるみを脱いで、「暑苦しいぜ!!」と、オドリーを捕まえて、マッサージさせていました!!

まだ、未練ダラダラじゃないかっ!!

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