魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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はい…。

昨日は、泣いてしまった…。そして、また泣くだろうな~…。

というので、泣く前に、ラブラブを取り入れてみた。オドリーとセイヤのなれ初め的な?

どうしてセイヤがそこまでオドリーを愛し、守るのか…。

このまま、セイヤの魅力を引き出せずに終わるのは嫌だし!!


君を愛している…ずっと(上)

 

 

 

 

 

 屋敷に侵入してきた黒ずくめを排除し終えたセイヤは、念のため、屋敷全てを巡回し、異常はないかを確認していた。

 セイヤは、ここを狙っている黒幕…、カバルレの狂気まみれる笑みを思い出し、いつもより念入りに見廻る。もしも屋敷に抜け穴を作られていれば、簡単に入り込まれ、残虐な行為を行うだろう…。しかし、その行為を向けられる相手がオドリーではなく、自分であるという事は誰かに言われなくても分かっていた。

 オドリーと一緒にいる時に、怨めしい感情と共に、殺意を込めた刺すような視線を毎度のように自分に向けられていれば、否応にも気づいてしまう。そしてそれに反してオドリーに向けられるものは、狂った愛に、独占欲の塊、絶対なる究極美の宝石を身に付けた己の存在主張…を混ぜ込んだ危ない物で、数値が非常に高い危機感を襲う。

 そんな視線を送ってくる人物の素性を突き止めておくのは、当然の処置だ。

 

 そして調査した結果、カバルレがいかに非道で、自己中心で、心が穢れているかを知った。

 

 目的のためには、手段などお構いなしに、しかもより相手が心身ともに壊れる方法を優先して手を下していく人道を反したやり口を、研究所でも、私生活でもしてきたカバルレに、怒りを覚えてくる。

 しかし、セイヤが怒りを覚えたのは、人としての仁義の欠片もないカバルレが許せないという正義感からではなく、そんな危ない奴が大事なオドリーに目を付け、我が物にしようと狙っていることに怒っていた。

 だから、カバルレからオドリーを守るため、可能な限りそばにいて、オドリーの視界にカバルレを入れないくらいに、ガードした。

 

 そして、いよいよカバルレが動き出すと頃合いを見て、ここ数日は、ずっと夜通しで警戒していた。

 

 セイヤは、カバルレが全て見透かされていると勘ぐった通り、カバルレの暗殺計画を事前に知っていた………訳ではなく、単に何人もオドリーを危険から遠ざける事がセイヤの課せられた使命に他ならないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 元々、セイヤは、オドリーの護衛として雇われた未熟者の戦闘魔法師だった。

 

 格闘戦や銃撃戦でもかなりのスキルを持っていて、それに見合った体に仕上げている。しかし、生まれた時から相子が少ないため、どんなに魔法の上達が早くても、すぐに相子が尽きてしまい、実戦には使えないのだ。そのため、実戦には、初めから相子が格納された武装一体型CADの魔法剣の二刀流で戦う。他にも暗器を携えているため、未熟者でも戦闘力は、同じ雇われの戦闘魔法師の中でも非常に高かった。

 だからか、仲間からも距離を置かれていたセイヤは、どこか冷めた目つきで物事を世界を見ていた。

 

 そんな中、優秀な護衛を求めていたオドリーの父親が、セイヤを大抜擢したのをきっかけに、セイヤはオドリーの専属護衛官となる。

 

 最初の頃は、オドリーの事を、ただの護衛対象としか考えておらず、オドリーの持つ才色兼備の神のような容姿に魅入られた変質者から、毎日のように退治するのが日課になっていた。

 

 

 だけど、女性なら、自分を体張って守ってくれる異性に、心を惹かれるものである。それはオドリーも例外ではなく、父親に紹介され、護衛として派遣されてきたセイヤと出会ったその時に、一目惚れしてから、ことごとくと変質者から守ってくれるセイヤに、日に日に惚れ込んでいくのだった。

 

 

 そこで、オドリーは父親に頼み込み、セイヤを専属護衛にしてもらい、一緒に過ごすようになった。

 オドリーの父親もセイヤの完璧なまでの仕事への姿勢に、愛娘を何度も身を挺して守ってくれたその心意義に惚れ込み、了承した。

 

 そして、セイヤと一緒にいる時間を大幅にゲットしたオドリーは早速セイヤに向かって、もうアタックし始めた。

 

 大好きなお菓子つくりをして、それを食べてもらったり、ショッピングに連れていてもらって、色んな服を着て、アピールしたりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、オドリーからもうアタックされるようになったセイヤは表面上はいつも通りに、堅苦しく、無関心に接していたが、内心はオドリーに対し、不審感や嫌悪感を持ちながら、どう対応すればいいか戸惑っていた。

 

 初めの頃は、お淑やかで、話すことといれば、連絡事項のやり取りくらいだったのに、専属護衛になってからは、しきりにセイヤに話しかけて来たり、近づいてきたり、用もないのに呼び出してきたりと、積極的になってきて、どういった心境の変化でこうなったんだと訝しくならずにはいられなかったのだ。

 

 さらに今まで煙たがられて、仲間内でも距離を置かれていたセイヤには、自分に近寄ってくるお人よしはいないと考えていた。そして、もし近寄ってくるなら、それは自分を己の利益や名誉に利用しようとする者だけだとも経験上考えていたため、いきなり自分に関わっていたオドリーもやっぱり自分のご機嫌をうかがって、利用しようとしているのだと思い、嫌悪感を抱き、オドリーへの態度は一層冷たいものとなった。

 

 

 

 しかし、それが、愛しさに変わるのは、難しくはなかった…。

 

 

 




初めは、カバルレが出てくるけど~…。

でも、ツンツンだったセイヤがいかにオドリーに惹かれるか楽しみだな~~!!

そして間もてくれる以西の背中って…、想像するだけでもかっこいい!!オドリーはそれを何度も見てきたと思うと、嫉妬しちゃうな~~!!

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