得た提供くれたtoko、御神、ちゃにゃん、くろちゃん…。ありがとう!!
ネタが来たときは、これはやばす~~!!って妄想で笑い転げてました…。
今日は年に一度の月見の日!!
幸いな事に、今日は満月で、雲が一つもない澄み切った夜空で光り輝く満月を堪能するため、魔法師ギルドのROSEのみんなは、ギルドハウスの屋上に上がって、月見をしていた。
「たまには、みんなでこうしてのんびりと宴会するのも悪くないよね~。」
「私も、久しぶりにお酒が飲めてうれしいな~~!!」
「みんな~~~!! 飲んでもいいけど、明日はまた、壮絶な戦いが待っているんだから、羽を外し過ぎたらいけないからね!! 体調管理はしっかりと!!」
「プハァ~~!!うめぇ~~!! …ひっく!!」
「わぁいわぁい…!!わっはりやした~~!!」
「…ってもう、酒で潰れているじゃん!!」
「らいじょうふ、らいひょうぶ…!! まだよえる…オエっ!!」
「大丈夫じゃないだろ~~!! まだ始まって数行も経っていないのに、酔って、吐くとかどんだけ、酒に弱いんだよっ!!?」
完全に酔っ払ったくろちゃんとホームズに鋭い突っ込みを入れるミナホが二人の介抱に追われながら、他のみんなは、盛大に月見を満喫していた。
くろちゃん達みたいにはなっていないものの、既にし~ちゃんやるーじゅちゃん、さっちゃん達、乙女たちは強烈な酒に酔って、寝落ちしていた。
その原因が、久しぶりにこの月見のためだけに戻ってきたマサユキが土産に持って帰ってきた水酒『ボインボイン』にあった。その酒で、飲み比べが始まり、酒に弱い乙女たちが脱落していく。出回っている酒よりもアルコール度が非常に高い代物だった事もあり、次々と倒れていくみんなに、ミナホは頭を悩ませ、ゆっくりと月見を堪能する所ではなく、寝落ちしたみんなを毛布でくるみ、一人ずつ部屋へと連れて行って、寝かせるという過酷な介抱にギルドハウスを走り回っていた。
そして、やっと終わった後には、屋上には、くろちゃん、ホームズ、マサユキ、ちゃにゃん、御神、toko、サガット、暁彰、火龍人、ミナホがいた。
「あ!! ミナっち!!お疲れ様にゃ!! 一緒に酒を飲もうにゃ!!
それと、お団子食べようにゃ~~!!」
ちゃにゃんが手を大きく振って、ミナホを労って誘う。ミナホは苦笑しつつ、持ってきた月見団子の大皿を抱え、みんなの元へと戻った。
「ごめん、うちはお酒は断じて飲めない主義だから、麦茶で…。その代わり、たくさん団子は食べるよ!! もうお腹空きすぎちゃって!!
…もぐもぐ。…~~うん!! 美味し~~~い!!」
一仕事を終えた後の団子は格別だね!!と感涙しながら、食べるミナホに微笑ましさでくすくす笑うちゃにゃんとtoko。
「にゃにゃにゃ!! そこまで、感激しなくてもいいのにゃ。今日はめでたい日だにゃ!! 楽しく食べていこうにゃ!!」
「うん!! おお!!この抹茶入りの団子も美味しいな~~!!後、…この赤と橙色が混ぜ込まれたような団子は一体…?」
ミナホが次々に団子を取って生き、美味しそうに頬に詰め込み、食べていく中、見覚えのない団子を見つけ、手に持つ。
「ああ…。それは、ニンジンをミキサーでベースト状にして、団子の記事と混ぜて作ったニンジン月見団子!! この甘タレをつけて食べたら美味しいんだにゃ!!」
自信満々に勧めるちゃにゃんの誘い文句に興味を持ったミナホは、ニンジン月見団子を口に含む。すると、口の中でニンジンの味に、甘タレが絶妙の味加減で広がる美味しさに、ミナホはリスのように頬をふっくらさせ、満喫する。
tokoとサガットはふっくらしたミナホの頬を指でツンツンしながら、笑う。
「火龍人もこっちに来て、お話ししましょう!! 」
一人でのんびりと大好きなポテチ(月見団子味)を食べていた火龍人にtokoが声を掛け、肩に手を置くと、
「…私、今忙しいから…。ボリボリ。」
振り向き様にそう告げる火龍人の膝には、何やら、赤い液体が入ったボールがあり、それにポテチを突っ込み、掻きまわして、食べていた。その赤い液体が食べた時に口について、零れ落ち、とんでもない形相に変わっていた。
「……ご、ご迷惑おかけしました~~…。」
しゅぱっ!!
火龍人から勢いよく離れ、ちゃにゃん達の元へと還ってきたtokoは、顔は真っ青にして、酷く怯え、半分魂が抜けていた。tokoにとって、火龍人が血まみれの口裂け女に見えたわけだが、実際は、イチゴジャムにポテト(月見団子味)をつけて、食べていただけに過ぎない。しかし、それを知らない怪談系は一切ダメなtokoには、いい酔い覚めになった。…月見が終わった後、朝が来るまで眠れない思いをする事になるが。
そんなみんなの楽しそうに満喫する中、ちゃにゃんの背後に一人のヘムタイが両手を前に構え、指をくねくねと動かし、邪な雰囲気を覆って、近づく。そして…
「どりゃ~~~!! おお~~~!! 待ち望んでいたこの感触…!!この…!!丸くて…、柔らかくて…、ムニムニしてて…!!…はぁ~~…、パフパフ…、最っ高~~~!!!!!」
ちゃにゃんの見事な豊胸に、両手で揉み揉み…、パフパフするヘムタイは…、ROSEのヘムタイ女王、くろちゃんだった。
どうやら、かなり酔っていて、今自分が何をやっているのか、分かっていないようだ。
「…いや、酔っていると見せかけての完全ヘムタイ行為だな。 初めにあれだけ酔っているのを目撃されていれば、まだ酔っていて、意識が覚束ない時にしたから、許されると考えた計画的ヘムタイ行為だ…。」
みんなしょうがないなと呆れて、見逃そうかと思っていた矢先に告げられた、暁彰の衝撃的告白が屋上に吹雪を呼び寄せる。実際に吹雪は吹いていないが、そう錯覚させるほどの肝を冷やす空気が流れ込む。
ちゃにゃんの胸をパフパフしていたくろちゃんの手は既に止まっている。しかし、まだ名残惜しいのか、手はまだ胸を掴んだまま。それが一層、吹雪を強烈にさせる。
暁彰は、『精霊の眼』でくろちゃんの泥酔状態を把握していて、くろちゃんが既に酔いが醒めている事を知っていたのだ。そして、ヘムタイの思惑を破壊するため、ヘムタイ計画を吐露したのだった。しかし、暁彰の告白はまだ終わっていなかった。
「ちなみに、くろちゃんが手に付けている手袋…、体感連動型のヘムタイグッズで、主体の手袋が味わった感触を、個体の手袋にも連動で体感させ、同じようにパフパフした感触を伝える仕組みになっている。主体の手袋をくろちゃんが…、そして、個体の手袋はマサユキとホームズが…。」
目を光らせて、ちゃにゃんが名前の挙がった三人を順々に見ていく中、名をあげられたヘムタイ達は、背中に手を回し、ちゃにゃんの視界から手を隠す。横を向いて、口笛を吹く様は明らかに変だ。
tokoとサガットがマサユキとホームズの背後に回って、腕を掴みあげると、二人の手には、くろちゃんと同じ系統の手袋をまだ熱さが残る季節なのに、きっちりとはめていた。
「こ、これは…、その…、酔ってした事で…、覚えていないっていうか…?
決してヘムタイ心に火がついて、ちゃにゃんの胸をパフパフしたくなったという訳ではないから!!」
「そうだよ!! 新しく仕入れた新製品を試したいって思って、ヘムタイ隊長の命でNST最強軍団で、体感しよう!!って、そう乗り出したわけではないからね!!」
「おいらはただ、パフパフを味わって、最高の面持ちで団子を食べて、月見したかっただけだ!!」
((((……うん…、終わったな~…。))))
ミナホ達はくろちゃん達ヘムタイを白い目で見つめ、呆れ感満載で鑑賞する事に決めた。そして、一番の被害を被ったちゃにゃんは息を切らし、指を鳴らし、髪を振り回すその光景は、いつも穏やかなちゃにゃんの雰囲気はどこにもなかった。
ヘムタイ三人組はお互いに抱きしめ合い、ちゃにゃんの恐怖におびえる。
そして、三人組はちゃにゃん考案のヘムタイ撲滅制裁を受ける事になる。
ちゃにゃんの制裁をアシストしながら、鑑賞するミナホ達。三人組は円らな瞳で助けを求めるが、ヘムタイ達を擁護する者はこの場にはいない…。
tokoは臼を持ってきて、その中に御神とサガットが、三人組を突っ込み、ミナホが団子の粉を入れて、準備万端…。あとは、暁彰とちゃにゃんが餅つきをしていく。かなりの打撃を喰らい続けるヘムタイ三人組…。ヘムタイ達の血が流れ、団子の粉と浸透していく。
そして、心身ともに団子の粉と練り込まれたヘムタイ月見団子が完成した。
薄ピンクのヘムタイ団子に、みんな満足そうにして、お月様に供える壇上に、ヘムタイ団子を置き、御願い事をする。
(ヘムタイ共が心を穏やかにし、煩悩を失くしてくれますように…。
それが一生ダメなら、ヘムタイ共を完全に葬り去る力を私に授けてくださいにゃ!!)
…ちゃにゃんが代表として、本気でヘムタイ退治に行く勢いを込めたお願い事を月にしている間…、
「…よっこらしょ…っと。 そ~~~っと…。今のうちに逃げよう…。」
臼に残っていたヘムタイ団子から復活したくろちゃんが、お月様に御願い事をするHMTから命がらから逃げようと忍び足で離れようとしたが…、
「…くろちゃ~~~ん? どこに行こうとしているのかな?
残りの二人はちゃんと、団子に、なったよ~~?二人を置いて、自分だけ逃げようとするなんて…、それでもヘムタイなのかな~~?」
あっさりとちゃにゃんの拘束に遭ってしまうくろちゃんだった。
そして、目が笑っていないHMTの何やら怪しい動きに冷や汗を掻いていると、屋上に寝落ちしてしまって、退散したるーじゅちゃん達が戻ってきた。すっかり酒も抜けたため、再び月見するために、戻ってきたのだ。
「みんな~~~!!助けて~~~~!!」
くろちゃんが涙目で助けを求めるが、HMTの活動を見て、状況を察知した遅参組は、笑顔で言い放つ。
「なんだか、面白そうだね!! 見学させてもらうよ!!」
…とくろちゃんをバッサリと見捨てた。
口を大きく開けてショックを受けるくろちゃんは、ちゃにゃんに掴みあげられ、ミナホ達が用意した自前のロケットに詰め込まれ、サガットがロケットに点火する。
『ちょ!!ちょっと待って!! これって何~~~!!』
ロケットに詰め込まれ、動揺しまくるくろちゃんにちゃにゃんが笑顔で口ぱくする。
「と・ん・で・け・♥」
ちゃにゃんがそう言うと同時にくろちゃんを乗せたロケットは月へと飛んで行った。
見事、打ち上げに成功した様子を見届けたROSEのみんなは万歳して、月見の続きを再開し、大いに盛り上がった。
そして、月見の最中、月にウサギの耳っぽい人型の陰が大きく映ったのを見て、その満月の兎?影と一緒に、ヘムタイを除くROSE全員で記念撮影をするのであった。
そんな地上で記念撮影が行われているまさにその時、ロケットで月まで飛ばされたくろちゃんは、月に住む兎っぽい異星人の一万を超えるほどの軍隊に追いかけられ、必死に全速力で逃げていた。
「待て~~~!!そこの侵略者め~~!! 大人しく捕まれ~~い!!」
「そうだぞ~~!!これ以上、罪を重ねるな~~!! 今なら、公開処刑だけで済むぞ~~!!」
「もう、それだけでやばす~~!!ハァ、ハァ、ハァ!!
な、何でこんな事に~~!!」
「お前の身体から、血生臭いにおいがプンプンするからな~~!!
さしずめ、我々を滅ぼしに来た異星人に違いない!!」
「そんな事はないよ~~!! ほら!! 私は仲間だよ!!? 同じ耳をしているし~~!!」
くろちゃんは今回の月見に合ったコスチュームを着ていて、頭には兎耳のカチューチャをしていた。その兎耳を掴んで、アピールする。
「あ!? ホントだ!! 我々の同士の証!! いや、悪かった!! 疑ってしまった!!」
「い、いいよ~~!! もう水臭いな~~!!ほら、仲直りの印にこの月見団子を上げるよ♥」
一件落着だと思い、くろちゃんが渡した月見団子は…、ヘムタイ団子だった。
ちゃにゃんがロケットにくろちゃんを詰め込む際に、ポケットに入れておいたのだ。
しかし、そのヘムタイ団子の材料は…、同胞のマサユキとホームズの血肉でできた団子…。
「あ…………」
差し出した後に、その事に気づき、月の住人の兎っぽい異星人もヘムタイ団子を凝視し、鼻を動かして、匂いを嗅ぐ。そして…、
「我らになんというものを食わせるつもりだったんだ~~!!
やはり、侵略者だ!! 捕えよ~~~!!!」
「ご、誤解だよ~~~~~~!! た、助けて~~~~~!!!!!!」
再び逃げ続けるくろちゃんは、一向に続く逃走劇を繰り広げていた。
そのくろちゃんの逃げる姿が影となり、月に映ったのだった…。
月見だというのに、今回も波瀾万丈なヘムタイ騒動になったROSEの月見だった…。
主にネタをくれたくろちゃんが悲惨に…。でも、くろちゃんなら、ヘムタイを貫けたと満足して昇天するだろうな~~!!
…そうあってほしいな~~。ちなみにヘムタイ団子の案をくれたちゃにゃんには、一番驚いた!!
また、番外編の時にはネタ提供お願いします!!
明日はいよいよ魔法高校の劣等生の最新刊発売!! みんな~~!!買いに行くぞ~~!!