魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ダメだ~~!! 昨日の夢でなぜかカバルレが出てきて、永遠と尾けられるという悪夢を見てしまった…。

うちが作ったオリキャラなのに、このクオリティーが高くて、夢にまで出没するストーカーはいないわ!!


血塗られた別れ(前編)

 

 

 

 

 ここは、オドリーが居住する住宅の二階にある一室。

 

 

 ベッドで規則正しい寝息を立て、安らかに眠るオドリーの頬に手を当て、優しく撫でるセイヤは愛おしそうに見つめた後、それを断ち切るようにして、険悪で、冷たい表情になり、部屋を後にする。

 部屋の外から鍵をかけ、オドリーが外に出られないようにしたセイヤは、自室に戻り、隠し扉を開いて、準備を始める。

 

 手榴弾、小型酸素マスク、ナイフ10本、小型拳銃2丁、武装一体型魔法剣2本…等の武器を身体中に装備していく。服装も動きやすいように伸縮加工込の戦闘服に着替え、最後は丈がふくらはぎまである黒いコートを肩にかけて、自室を後にし、窓から庭先に飛び降りた。

 

 

 見事な着地を決めたセイヤは顔を上げ、静かな夜の庭に向かって、キレのある声を響かせる。それほど声を荒げても、出してもいないが、その声ははっきりと届く…。

 

 

 「……いい加減に出てこい。この俺が気付かない訳がないだろう?

  勝手に人の敷地に入りこむとは、…な?」

 

 

 視線だけで人を殺せるくらいの鋭さを辺りに向けるセイヤは明らかにオドリーに接するときの笑顔とは想像できないほどの正反対の趣があった。

 

 そのセイヤに気圧されたからか、庭の木陰や草陰から十数人の黒ずくめが次々と現れ始めた。

 

 黒ずくめを見回したセイヤは片眉を上げ、訝しる。

 

 

 「……雇い主はここには来ないのか? 残念だ…、着ていたら、真っ先に消してやったのに…。」

 

 

 「…我々の雇い主は安全な場所で待機しながら、見ている…。

  最期に残す言葉はあるか?」

 

 

 黒ずくめのリーダー的存在が一歩前に躍り出て、セイヤに問いかける。

 

 

 「…その言葉、そのまま返す。

  お前達も最期に残す言葉はあるか? まったく卑劣な男の依頼を受けるお前達の最期がこれだと思うと、俺も少しは哀れなお前達に慈悲を与えてもいいが?

  …どうする?」

 

 

 無表情で告げる”警告”…。

 

 

 戦闘はしたくないセイヤは、黒ずくめ達に揺さぶりをかける。しかし、それは破たんした。

 

 

 「…悪いが、我々の専門なのだ…。 今更、雇い主がどうであれ、金が入ればそれでいい…。」

 

 

 「…はぁ~、”専門”か…。 どうやらお前達は闇ギルドの連中だな。

  まぁ、あの男なら、血迷ってここまでするか…?

  ……実に不快な奴だ…。そしてお前達も…。

 

 

 

 

 

  もうお前達に情けはかけない。 …すぐに全員息の根を止める。」

 

 

 唇を軽く吊り上げ、容赦ない排除宣言を出したセイヤは一番近い黒ずくめに、瞬時に駆け寄り、黒ずくめの喉にナイフを刺し込む。血が噴水のように吹きだし、庭が血で染まる。死に絶えた黒ずくめの亡骸を放って、セイヤは腰に携えていた2本の魔法剣を鞘から取りだし、黒ずくめ達に向かって牽制しながら、構える。

 

 

 「ここにきてしまったのが、お前達の運のつき……。

 

 

  もうお前達が日の光を浴びる事もない…。お前達は罪を犯した…。

 

  その罪による処刑は俺が直々にしてやる。さぁ…、掛かってこい。」

 

 

 黒ずくめ達を見据えるセイヤに恐怖はない…。

 

 あるのは、あの男への強い嫌悪感だけ…。

 

 

 

 セイヤは睨みを効かせた鋭い視線を侵入者の黒ずくめ達に向け、一歩足を踏み出す。それにびくついた黒ずくめ達にセイヤは、

 

 (まったく話にならないな…。三流相手に本気を出すほどでもない…。)

 

 

 と心の中で呆れながら、呟き、溜息を吐く。

 

 その様子で自分達が格下扱いされたことを悟った黒ずくめ達は、プライドを傷つけられ、ついにセイヤに襲い掛かった。

 

 

 周りに黒ずくめ達が飛びかかってくる中、セイヤの視線は真向かいの家のある一室の窓へと注がれていた。

 

 

 激しい怒りと嫌悪感を乗せて…。

 

 

 




あれ?セイヤ、まだカバルレと面識ないはずだけど?
何で知っているんだろう?
まぁ、それも後でわかるか!!
セイヤ!!頑張って、生きてくれ~~~!!
カバルレなんかに負けないで!!tokoっちもそう言っているから!!

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