魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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着実に、魔の手が伸びてくる~~!! 言いがかりに、逆恨みに…!!




最悪の迎え…

 

 

 

 

 

 

 オドリーの家の真向いに引きこもるカバルレは今、オドリー奪取計画のプランを密かに突き進めるため、実験に没頭していた。

 

 

 

 カバルレはオドリーをストーカーしながら、セイヤの暗殺計画を立てていく…。

 

 

 

 その傍らで、自らの研究にも力を入れていく。セイヤを殺し、オドリーを手に入れた後、一文無しではオドリーを手中に収め続けるのも難しいと判断してだ。

 

 しかし、それよりも最も早急に片づけなければいけない必要事項がある。

 

 

 …それは、若返りだ…。

 

 

 すでに皺だらけの老人であるカバルレとぴちぴちの美しいオドリーとの差は余裕で寿命年齢の半分以上にもなる。これまで見てきたオドリーの性格上、さすがに恋愛対象外だと調べがついているため、何とか若く見られるために、皺をのばしたり、全身マッサージをしてもらったりと前より若さを取り戻せた。しかしそれでも、-5歳程度の若さしか保てない。

 なんとしても、若かりし頃の身体と若さが欲しいと躍起になるカバルレのもとに、明らかに怪しい一人の男が訪ねてくる。

 

 研究に没頭したいカバルレは最初は無視していたが、執拗に玄関先で待つため、オドリーに不審に思われたくないカバルレは、面倒くさそうに男を招きいれる。

 

 

 そして、その男の用件を聞くだけにして、帰ってもらおうとする。しかし、男が口を開いて語りだした話に最初の決意は何処へやらいってしまい、食い入るように男の話に乗っていった。

 男は訪問販売員で、まさに、カバルレが今欲しがっている若さを取り戻させる『ヤング・スリップ』というブレスレット型のCADを売りに来たのだった。CADに入っている起動式を読み込み、発動させることで、若い頃の見た目に戻るというもの。

 何回も使うことで、細胞が若返り、最終的にはCADを使わなくても、若さを生きている限り、保つことができる、優れもの。

 

 カバルレはそれを即買いし、早速試してみた。すると、10歳ほどの年に若返ることができた。しかし、若さがまだ足りない…。

 それもそのはずで、使うたびに徐々に変化がみられるのだ。急に若くなろうとすれば、身体に負荷がかかり、逆に死に至る可能性があるからだ。

 

 その説明を聞き、渋々納得したカバルレは、それ以来、CADを使いまくって、若さを取り戻していった。

 そして、とうとうCADを使えば、30代前半の頃の容姿に戻ることができるようになった。本来の容姿もだいぶ雰囲気も変わり、初老の紳士風に見た目も変わった。

 

 

 

 

 

 「くっくっくっく!!!

  これで、君と隣を歩くことも全く障害もなくなったわけだ!!

  そろそろ、君を迎えに行こうか…?」

 

 

 

 待ちきれない思いを胸に、オドリーに会いに彼女の元へと赴く。そして、衝撃の話を耳にすることになった。

 

 

 なんと、オドリーがセイヤと正式に結婚を前提とした婚約者となったのだ!!

 

 

 嬉しそうに友人に報告するオドリーの話を聞き、冷や水を頭から被ったかのような衝撃を受け、歯ぎしりする。

 

 

 カバルレにとっては、もう後がないところまで来てしまったのだ。

 

 

 (なんだと!!浮気相手と添い遂げるだと~~!!

  そんなこと、絶対に許さないぞ!!オドリー!! この俺がいながら、あの男と抱き合うなぞ、決してあってはならない!! その前にこの俺があの男を…!!)

 

 

 もはや一刻も猶予はないと、カバルレはストーキングを止め、セイヤの完全暗殺計画を実行するために、準備を始めるのだった。

 

 

 

 (もうすぐだよ…。オドリー…。

  もうすぐ…、君を迎えに行くから…!)

 

 

 

 

 

 逝かれた想いを秘め、幸せ絶頂のオドリーとセイヤの元へ、最悪の迎えがやってくるのは、その日の夜だった…。 

 

 

 

 

 




これは…、地縛霊並みに怖い~~!!

tokoっち!! 助けて~~!!

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