でも、忘れてはいまいか?
オドリーの声の事…。見た目だけだと、官能的だけど、目を閉じて、聞いたら、BL…
になるよ♥ ヘムタイにとっては、一石二鳥だね!!
「…仲間割れか。カバババババ!!!
これは滑稽だ!! 知っていたら、仲間内で殺し合わせる策も考えていたのにな~~!!
カ~~バッバッバ!!!」
HMTのNST撲滅の現場を傍観していたカバルレは、HMTの下心満載のNSTを葬る手段にニヤニヤと笑い、面白がりながら、話す。ただし、未だにオドリーの胸を執拗に揉みながら…。
ちゃにゃんがそれを見て、だんだん腹が立ち、ホームズから没収した”SM鞭”を振るい、オドリーの胸を離さないカバルレの腕に巻きつけ、引っ張る事で、『揉み揉み』を止めさせた。
…止めなければ、ヘムタイ達が這って生き返る事が目に見えていたから…。そして、それを理解した上でヘムタイ行為をするカバルレに苛立っていたから。
ちゃにゃんのお蔭で、MSTは我を取り戻した。
我を取り戻したくろちゃんとホームズはすぐに飛び出したハートの眼を手でつかんで押し込み、噴水する鼻血をティッシュで鼻栓して、カバルレに指差して、怒声を浴びせる。
「よ、よくも私達を翻弄しようとしたわね!! だけど、あいにくあんたみたいな外道で、人前での乱交が好きなクズの策に溺れるような私達ではないから!!」
「そうだ!! おいらをたぶらかそうとしたって……、通用しねぇ~ぞ!!こら♥」
「十分、通用しているよ!!」
「まんまとクズ野郎の罠を喰らって、メロメロになってるよ!!」
我を取り戻したはずの二人が鼻の下を伸ばして、照れ照れしながら言うもんだから、RDCとさっちゃんが突っ込む。
そんな二人にちゃにゃんが目を光らせて、制裁を受けて唇がなぜかたらこ唇になっていた二人の唇を強く抓って、そのまま抓んだまま二人を引き摺ってみんなの陰の中に入っていく。身体全体に嫌な汗を掻きながら謝る二人だったが、みんなの人影に隠れてから、悲痛な叫びと骨が砕ける音が響いた。
「カ~~~バッバッバ!!!
お前達、面白いぜ!! それだけでも十分にショーに出れるぜ!!
…だがな、いい加減俺の許可なく楽しんでるんじゃない…!!」
急に声色を低くし、本来の素が出たカバルレがROSEの空気を変えた後、不気味な笑みを浮かべ、とんでもない事を言い出す。
「そう言えば、お前達は俺のコレクションを全否定して怒っていたな…。
あの実験は俺が全ての権限を尽くして完成した究極のショーの道具たちだったんだぜ!?
道具をメンテナンスして、使えるようにするのは当然の事だろ?
それに、お前達が俺だけが悪い…、なんて考えていると思うが、器から心を直接奪ったのは、俺ではないぜ?」
高笑いして、意味深な事を言い出し、眉を吊り上げるカバルレにROSEのみんなはとてつもない嫌な予感を感じた。そしてその予感は的中する…。
「何を隠そう…!!
俺の傍らにいる、俺の女…、オドリーがここにいる全部の彫刻達の”精神”を『コキュートス』で凍らせ、殺したんだからな!!!
カ~~~バッバッバ!!!!
いい!!すごくいいぞ!!その顔!! 」
腹を抑えて、笑い出すカバルレの笑い声が入らないほど、ROSEのみんなは驚愕する。そして視線はカバルレではなく、オドリーへとみんなの視線が向けられた。
その視線と表情には、驚愕と疑いの感情が入り混じっていた。
そんなみんなの視線を受けているオドリーはニコッと微笑み返すのだった。
ROSEのオドリーへの信頼をどん底まで落としにかかるカバルレ…。
もうやめろ~~~!!
みんなの心の芯を折るな~~~!!