魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ここらで決着付けようじゃないか…!?
怒りの炎で焼き尽くしてやる~~!! ばしゃ~~~ん!!(水を大量に被る音)

……沈下されました。


成敗!!双子、散る!!?

 

 

 

 「みんな~~~~~~~~~~!!!!!!」

 

 

 

 

 大声でみんなを呼ぶショウリンの悲痛な叫びが双子の耳に入ってくる。その叫びを聞いて、悪戯が成功したかのような笑みを浮かべて、楽しんでいた。

 その笑みにショウリンは憤り、双子に殴り掛かっていく。ギルドに入ってまだ日が浅いが、御神やホムラ達に戦闘訓練や日頃の基礎鍛錬メニューを組んであげた事もあって、ショウリンの身体能力はそこそこ通じる。…一般の魔法師程度なら。

 だが、双子はその一般の魔法師程度で収まるような器の魔法師ではないのはこれまでの戦い方でも明らか。実力をつけているROSEのみんなでも一筋縄ではいかない相手だったのだ。まだ魔法をコントロールして使えなくて、一般の魔法師に通じるほどの体術では双子には敵わない。

 

 案の定、着きだした拳はウォンの掌で受け止められ、それに続く顎への攻撃に、足先での蹴りを振り上げたが、ターンにまたもや掌で受け止められ、そのまま掴まれて、投げ飛ばされる。

 近くの木箱にぶつかり、木箱が粉砕する。

 

 

 「がはぁっ…!」

 

 

 受け身が間に合わず、背中から激しく衝突し、嗚咽を漏らす。

 

 ショウリンが飛ばされた場面を『アクアボール』の中で、息も絶えかけているサガット達が目撃し、目を見開いく。催眠状態だったるーじゅちゃんもショウリンが投げ飛ばされたのを見て、自我を取り戻した。三人は早くここから出ようともがくが、息ができない時間が続いたため、酸素不足で身体に力が入らず、あがく事すらできなくなっていた。

 

 

 (だめだ…。も、もう…、限界だ…。)

 

 

 意識薄れる中、とうとうサガットと鳥になる日、るーじゅちゃんが最後の空気を吹きだし、気を失う。

 

 

 「やったぜ!!ウォン!! これで、邪魔者は全員居なくなったぜ!!」

 

 

 「ああ、そうだな、ターン!! ガキは手に入ったし、早速、これを打って、従順にしてやろうぜ!!」

 

 

 そう言って、ターンが取り出したのは、独特の紫色をした液体が入った注射だった。その注射を持って、ショウリンに向かって歩き出す。軽く脳震盪を起こしていたショウリンが起き上がった時には、既にターンが目の前で注射を握りしめ、振りかぶっていた。 その光景を下から見上げてみるショウリンは身体が震え、逃げようにも逃げられなかった。

 

 

 (みんなの言うとおりだった…。 ぼくがでても、何も変わらなかった…。)

 

 

 ショウリンはみんなの元を去る時、みんなが必死に止めていた通りの事が起きて、今、自分はたった一人になった。そして、今にもターンに注射を得体の知れない物を身体に打たれそうになっている…。

 

 

 何とか事態を変えたい…!!

 

 

 みんなの役に立ちたい…!!

 

 

 その想いがこんな結果になるなんて、そう思わなかった…!!

 

 

 悔しい…!!

 

 

 憎い…!!

 

 

 みんなを騙し討ちした双子が許せない…!!

 

 

 だけど、もっと許せないのは、役に立ちたい一心で勝手に敵の策に乗った自分だ…!!

 

 

 

 その悔しさ、怒り、憎さがごちゃ混ぜになって、ショウリンの眼から涙が溢れる。

 

 

 涙が止まらない…!!

 

 

 そんなショウリンを見て、嘲笑うターンの横をウォンが近づいて、ショウリンの首を掴み、持ち上げる。苦しがるショウリンをお構いなしに、天高く上げて、服を破り、撃胸が見えるようにする。双子は不気味な笑いを繰り返し、ショウリンの幼くて、薄い胸板を指先で何かを探るようになぞっていく。

 

 

 (……う…、気持ち悪い…!!)

 

 

 肌をなぞられる感覚に吐き気を覚えるショウリン。だが、首を掴まれているせいで、言葉を口から出す事が出来ない。

 

 

 「苦しいだろ!? もっと強くしてやろうか?……そうそう…、その顔、たまんないねぇ~!!

  こういう顔が俺達は、好物なんだ~!!なぁ!! ターン!!」

 

 

 「ああ…、でもこんな顔を見られるくらいなら、あいつらの最期の顔も拝んでおきたかったな!!

  あいつら、俺達が何のために『アクアボール』をばら撒いていたか知らずに、あれを水蒸気爆発させたときは、傑作だったぜ!!あれだけの『アクアボール』をループキャストで爆発させたんだ…。粉々になっても当然だな!! ウォン!!」

 

 

 (くそ…!!くそくそくそ!! お前達…、絶対に許さない…!!)

 

 

 葉を剥き出しにして、憤るショウリンは双子を睨み、見下す。それを見た双子は不機嫌になり、ショウリンの首を絞める力を強める。

 

 

 「俺達を見下すなんて、ただのお荷物のガキがすんじゃねぇ~よ!!」

 

 

 「さっさと、お前を俺達の奴隷にしてやる!! もし生き残れたらだがな!!これは、心臓に直接注ぐ事で、身体・精神的に作用し出し、投与されてすぐにみた人物の命令に従順に従うようにする麻薬だ!! だが、強力なうえに、80%は心臓発作や副作用の毒で死ぬけどな…。」

 

 

 そう説明し終えたターンはショウリンの心臓がある胸板に狙いを定め、ナイフで刺し殺すように注射を握りしめる。

 

 

 「さぁ、歯を食いしばれよ~~!!」

 

 

 ターンが狂喜の笑いをして、注射を力強く、ショウリンの心臓目掛けて降りおろす。

 

 ショウリンは悔しがりながら、自分の最期を確信した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけど、注射針がショウリンの胸を突き刺すぎりぎりで、突然大量に水が落ちてきて、びしょ濡れになったターンの身体に『スパーク』が流れる。感電したターンが足からその場に崩れ落ちる。そして、手から零れ落ちた注射がまっすぐにウォンの腕に突き刺さり、得体の知れない怪しげな紫色の液体が取り込まれ、ウォンは胸を抑え、苦しみ出し、ショウリンの首を絞めていた腕を解く。

 そして、まともに立っていられなくなったウォンにレーザーが飛んできて、ウォンの身体を貫いた。

 

 

 

 

 

 突然の攻撃に倒れた双子。

 

 

 

 

 そして、どこからか声がした。

 

 

 

 

 

 「私達の顔を拝ませてあげますよ? ……ああ、でもせっかくの対面をダウンしていたら、見れないですね。」

 

 

 

 

 

 

 




結局はショウリンを消しにかかる双子!!ムギ~~!!

でも、救世主、登場!!

誰だろうね~~!!

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