魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

122 / 453
双子の”ショー”という名の遊びが始まる~…。


LIFE OR DEAD?

 

 

 

 

 

 

 ショウリンの『精霊の眼』のお蔭で、双子の攻撃を粉砕するROSE。

 

 

 「あれ~~? ウォン、僕たちの攻撃が防がれているよ~。さっきから!!」

 

 

 「ホントだね~~?ターン。まるでこっちの攻撃が分かるみたい…?」

 

 

 度々防がれて、双子も訝しく思い始めた。

 

 

 いま、双子は攻撃で散らばった水の水滴をいろんな角度から(死角を狙って)飛ばしているのに、それを見抜いているかのように(実際にショウリンによって見抜かれている)相殺したり、防御したりされていて、先程からROSEにダメージを与えられていない。

 

 これでは、せっかくの楽しいショーが興ざめになってしまう…。

 

 

 そう考えた双子は知覚系魔法『マルチ・スコープ』で更に視野を広げ、あらゆる角度からROSEを観察してみる事にした。

 

 すると、さっきからまだ幼い子供が何やら仲間内に声を掛け、指を差したりしている。それ以外は特に魔法を使っている兆候は見られないが、確実にその子供が指差す場所には、ROSEを狙った水鉄砲玉が突進していた。

 双子は「この子供が関係しているんじゃない~!?」と思ったその時、その子供がこちらをずっと視てきたのだ。慌てて『マルチ・スコープ』を解除する。なぜ子供相手に慌ててしまったのか理解できなかったが、ずっとこちらを見る視線が全てを見抜かしている感覚が身体中に走り、寒げがする双子。

 しかし、双子はこれで仮説から確信へと変わる。あの子供が僕たちの攻撃を仲間に教えているのだと…。

 双子が『マルチ・スコープ』で飛ばした視線はROSEにとっては死角で決して見る事が出来ない場所からだったのを、あの子供がしっかりと”こちら”を視たからだ…。

 

 

 そして双子は攻撃を変える事にした。そして作戦も…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 何かを企む表情に変わった双子を見て、し~ちゃんとRDCが眉をしかめ、防御に力を入れる。

 

 

 「ねぇ…、なんか怪しい表情したんだけど、あの双子…。」

 

 

 「…もっと可愛らしい笑顔作れないかな~…。せっかくの綺麗な顔なのに。」

 

 

 「Rっち…。今はそれどころではないと思うけど~…。ま、言いたい事は分かるよ。」

 

 

 「……ごめんなさい。ぼくのせいで、あの双子にバレました。ぼくが攻撃を読んでいる事を…。だから……」

 

 

 申し訳なさそうな顔で謝るショウリンに、みんなは笑顔でショウリンの謝罪を吹き飛ばす。

 

 

 「何言っているのよ、ショウリン!! ショウリンのお蔭で振出しに戻ったんだから!!」

 

 

 「そうだよ!!それに、これは戦いだからね!! 戦況を見て、作戦を練っていくのは、当然!! 相手が手段を変えてくることは別に珍しくないから!!」

 

 

 「そうそう!!こちらのカードを見せたんだから、それに対して双子がどんなカードを切ってくるか……。

  それを見定めれば、後はそれに対抗して勝てばいいだけだから! 」

 

 

 さっちゃんとhuka、鳥になる日がショウリンの謝罪を不要と説き、双子の攻撃に気を配る。

 

 

 

 そのやり取りを聞いていた双子は、頼んでもいないのに、会話に参戦する。

 

 

 「ふふふふふふ!! そうだよ!! その子供の未知な知覚系魔法の所為で、予定が少し変わっちゃった!!やだよ~~、ウォン!!」

 

 

 「そうだよね!! ヤダヤダ!! 折角僕たちのショーを堪能してもらいたかったのに~~!! …だから、もっと引き込まれてくれないと!! ねぇ~、ターン!!」

 

 

 

 双子は長い前髪を手で持ち上げ、素顔を晒す。

 

 

 「「さぁ!!僕たちの虜になってよね!!!!!」」

 

 

 

 ウィンクして、可愛らしい絶境スマイルをROSEに放つ。

 

 

 

 

 輝かんばかりのイケメンぷりの天使スマイルだから、ここがもしステージで、人が盛り沢山だったら、絶対に失神者が続出していただろう。特に、女性が…!!

 

 

 

 そのスマイルを受けたROSEだったが、瞬時に精神干渉魔法への対抗策としてし~ちゃんとさっちゃん達が他のメンバーに自分の相子を直接注ぎ込んで、みんなの体内の相子の波動を乱したため、双子の怪しい”絶境スマイル”にはなんともなかった…。

 

 

 

    ・・・

 そう、戦闘中のみんなには…。

 

 

 

 どんな効果をもたらすものかはわからなかったが、多分精神に直接干渉する魔法だという事は理解していた。その魔法にかかっていない事を確認したし~ちゃん達はほっと息を漏らす。

 

 しかし、後ろから突然人影で横切っていき、ショウリンに向かって行く様子を捉える。

 

 

 「危ない!! ショウリンっ!!」

 

 

 し~ちゃんがショウリンに叫んで、自分も人影の後を追って、駆けだす。

 

 目を見開き、突撃してくる人影に驚くショウリンの目の前に、サガットと鳥になる日が立ち塞ぐ。その際に、サガットがショウリンを横に突き飛ばし、ショウリンをRDCが受け止める。

 

 そしてその人影はサガット達に突っ込んでいき、二人とともに、防御のために張っていた障壁魔法を砕いて、外に出る。

 

 

 三人が固まったまま、障壁の外に出たと同時に、巨大な『アクアボール』から全長3M程の『アクアボール』が飛んできて、三人をすっぽりと吸収する。

 

 

 

 

 三人をそれぞれ吸収した『アクアボール』は双子の方へと移動し、巨大な『アクアボール』も三人が入った『アクアボール』と同じ大きさで分散し、部屋中に散らばった…。

 

 

 

 

 

 「よし!! ゲットできた~~!!」

 

 

 「やったね!! 」

 

 

 互いに手を取り合って、飛行魔法で宙に浮いて、嬉しさで踊りだす双子。

 

 

 その息の合って、楽しそうな踊りとは対象に、双子が微笑む笑みは狂気を逸したように妖艶な物だった。

 

 

 「仲間は僕たちの手の中だよ~~~!!」

 

 

 「さぁ、取り返したかったら、選択してもらおうかな~~!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「仲間を救うために代わりに死ぬか…。」

 

 

 「仲間を見捨てて、己が生き残るか…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「”LIFE OR DEAD"!!」」





この選択を持ち出してくる双子!!


ROSEのみんなにはかなりの痛手だよ~~!!どうする~~!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。