くろちゃん達がオドリーを仲間にし、最高幹部ドレーナと炎獣たちとの戦いに身を馳せ参じている頃…、もう二人の最高幹部が制する部屋に残りのROSEメンバーが集結し、対峙していた。
「あれ~? ねぇ~、ウォン!! 敵がここまで来ちゃったよ?おかしいよね?」
「そうだよね~、ターン!! おかしいよね?」
「ここに来る前にたくさんのトラップがあったのに~~!!」
「擦り抜けてくるなんて~~!! 空気読めなさすぎだよ~~~!!」
見た目はそれなりに成長した青少年たちなのに、言動が子供臭い最高幹部の双子にやっとの思いでここまで来たROSEメンバーは、突っ込む余力が皆無に近かった。
だから、ハイテンションな双子に少しばかりの苛立ちがあったのは事実で、双子に話しかけるミナホの声色もその感情が少し出ていた。
「わざわざ敵の望む展開に、『ハイ、分かりました。喜んで負けます。』…なんてやらないから。
それよりも、あなた達を倒して、先に行きたいのだけど、いいよね?」
いつものテンションがでないミナホに、ここまでの道のりでほぼ怪我もなく、辿り着いたtokoはどうフォローすればいいのか分からず、オロオロしだす。
tokoもそれなりのトラップを潜り抜けてきたが、その大半は戦闘員の待ち伏せによる戦闘部屋ばかりで、tokoは魔法を使わず、ただ己の気配を消すという高難度の人間業を用いて、戦闘もせずに素通りしてきた。もちろん、後で気付かれて追ってこられても嫌だから、去り際に部屋から閉め出して、相手のトラップを逆にお見舞いするなどといった、意外に容赦ない方法で殲滅した。それゆえ、魔法力も体力も万全に近い状態で確保している。だから、弱気切ったところを叩くという相手の思惑に嵌らずに済んだが、そうではなかったミナホ達になんだか申し訳ない感が肩にのしかかってくる…。
とにかく鬱憤を晴らしたいといつもよりどす黒くなってしまったミナホをこのままにしていいのだろうか。それとも宥めて落ち着かせた方がいいのか…と悩むtokoだった。
「ねぇ~、ウォン? さっきからあそこでオロオロしているもやしがいるけど、なんだか弱く見える~~!!」
「そうだよね~、ターン!! 弱いくせに僕たちを倒そうって考えている愚か者だよね~!!」
「うん、ウォン!! 愚か者、愚か者!! それに、さっきから僕たちをものすごく睨んでくるあの子も愚か者だよね~~!!」
「そうだよね~、ターン!! 愚か者、愚か者!! 僕たちに安易に話しかけてくるし、生意気だし~!! 一番の愚か者だよね~!! 鼻につくよね~!!」
くすくすと笑って、tokoを指差して、悪態つく様子にtokoは先程までの行動とは打って変わり、怒りのオーラを身に纏う。
指を一本ずつ鳴らし、歯軋りする。
そのさっきまでとの変わり様に、逆にミナホ達が一斉に驚く。
「おい…、そこの双子…。
言っておくけど、私は…
もやしではな~~~~~~~~~~い!!!!!」
人差し指をビシッと力を入れ、双子に怒りをぶつけるtokoを見て、ROSEメンバーは冷静さを取り戻す。そして、思った。
((((((((もやし…、嫌なんだ…。))))))))
(でも、tokoは優しくて、褒め上手で、頼りになる仲間だからね!!うちはそのまんまのtokoが好きだ!!)
みんながtokoの発言に親身になり、ミナホが心の中でtoko大好き宣言をする。
しかしそれを知っているかのように、tokoがさっきよりも憤りを露わにして、怖い顔で双子に激昂する。
「後、これが一番大事だけど!!
ミナホさんをバカにするんじゃない!!ミナホさんはいつも私に、楽しい気持ちで包んでくれる大事な仲間です!!
ミナホさんをバカにした双子には、その報いを受けさせてあげますから!!」
顔を真っ赤にして、大声で宣言した勝利宣言?に双子はブスッとした不愉快な表情をし、ミナホはズキュ~~~~~~~ン!!…とハートを射抜かれ、嬉しさのあまり、tokoに抱きついて、可愛い、可愛いと撫でるのだった。
闘いの前栽という事で、約束通りにtokoを男気?溢れる活躍ポイントを作ってみました!!
これからもtokoのいいところを引き出してみたい!! うちもtokoに感謝の気持ちを!!