その記念で番外編です!!
本編はシリアス寄りで、ROSEをあそばせられないため、ここで一気に羽を広げようと思ってます!!…やりすぎる展開になるかもだけど!!
では、どうぞ!!
暑い季節になったこの時期…。
休日を遊ぶとしたら、どこかと言えば、海!!と答えるか、山!!と答えるか…。
この二択で決めるのもあれだが、ある魔法師ギルドの自由な奴らは迷いなく、全員「山!!」と答え、ギルド全員で山でのキャンプファイヤーをする事にしたのだった。
「ふふふふふふ!!!夜のキャンプファイヤー、楽しみだな~~~!!」
「そうだね、花火も持ってきたから、さらに盛り上がるよ!!」
「そんなに持ってきたの!? うわぁ~~、色々種類が揃っている…。」
山登りをしてきた魔法師ギルド…、お馴染みのROSEのみんなは目的地の頂上付近の絶景ポイントに着いて、持ってきていた荷物を置いて、テントを張り始めていた。
みんなが準備に入っていると、くろちゃんとちゃにゃん、hukaが持ってきていた花火を見て、ワイワイと盛り上がっていた。
「ちょっと、三人とも~~~!! みんな、テント張っているんだから、後にしてね。」
「「「は~~~~い!!」」」
「うん、よし!! じゃあ…………、テントはもう終わりかけだから、三人はそこの川で魚でも釣って来て!! できればたくさん!」
「わかった、いっぱい取ってくるからね!」
「任せてにゃ! みなっち!」
「…二人とも待って!!」
三人に近づいて、魚の確保をお願いしたミナホはくろちゃんとちゃにゃんが釣り道具を持って、川に走っていき、その後を慌ててhukaが走っていく姿を見送って、安堵の表情で一杯になり、ため息を吐く。
(ハァ…、何とかうまく行った。不自然にはならなかったはず…。)
まだ山頂に着いて、時間は立っていない筈なのに、既にミナホの眼には疲労が入っていた。身体的疲労はそんなにない。なぜなら皆、飛行魔法を使ってあっさりと山登りをしたからだ。魔法が使えない人から言うと、「そんなのインチキだ!!」とか、「山登りは自分の足で登って、初めて『山登り』と言えるんだ!! 楽して登りきるなど認めん!!」とか、非難されるかもしれない。それと同時に「いいな~」と思って、羨望を向ける人もいるかもしれない。
フォローが苦手でうまくまとめられないが…。
とまぁ、話を戻して。
ミナホは身体的疲労を感じていたわけではない。精神的疲労に陥りそうになっていた。その原因は……
「あれ~~、三人ともどこへ行ったの?」
「……食料を取りに行ってもらったよ。はい、マサやんもお願いします。」
「ひょ? ああ、オッケー!! 行ってきま~~す!!」
スキップと鼻歌をしながら、山に向かって山菜取りに行くマサやんとその監視としてRDCとサガットにも同行してもらって、くろちゃん達と引き離す事に成功する。
更に疲労感を感じたミナホは心の中で願うしかなかった。
(もう…、どうかキャンプファイヤーが終わるまで、ヘムタイ衝動は抑えてくれ~~~~!!)
ヘムタイ達との密かな攻防が原因で、疲労を感じていたのだった。
それもこれも、あのイベント報酬のお蔭だ~~~!!
この山での休日をする前、帝国では救援式のイベントクエストが行われていた。海での美少女魔法師と戦って、(当然ROSEのヘムタイ達は、戦闘中でも鼻血を出して、目をハートにもして戦った。美少女魔法師達の水着姿と戦闘の際の胸の揺れ具合とかでほぼK.Oだった。)報酬をゲットしていくのだが、その際のイベント報酬としてもらった限定レアものマリンワンピースに問題があった。丈が短い上に、風邪の抵抗を受けやすくしているのか、ほんの少しの風邪だけでワンピースの裾が捲れ……、というなんともヘムタイ達の心を鷲掴みにするワンピースが報酬としてイベント参加者に配られた。そしてそのワンピースをくろちゃんとちゃにゃん、hukaが今日、着ているのだった…。
飛行している時もそのワンピースのため、非常に裾が捲れ………、ゴホン、それをベストな位置でのカメラで録画しようとする鼻垂らしたマサやんをミナホが止めに入ったり、準備中でも三人が腰を折って、花火を見る後姿をしみじみ見て観察していたから、ミナホは三人をマサやんから切り離し、今に至る…。
一時的に旅から帰ってきたと思ったら、これが狙いだったマサやんのヘムタイ魂の凄さにミナホは頭を抱え、もう一度深い溜息をする。ハラハラドキドキするこの休日を最後まで楽しめるように…。
しかし安寧を願うミナホの願いはヘムタイ達の騒動で完璧に崩壊する。
★★★
「う~~ん、なかなか釣れないな~~。」
「おかしいにゃ~~。」
「う~~~~~~~~~~~~~ん、この辺りなら、アユとか取れそうなのに。変だな~。」
魚釣りに来た三人はあれから小一時間は過ぎているのに、いまだ一匹も釣れずにいた。
一匹でも取れてよさそうなのに、魚が一匹も取れないだけでなく、一匹も川にいない。場所を何回も変えているというのにだ。三人が頭を抱えて困るのも無理はない。
「あれ?三人ともどうしたの?そんな、困りきってます!!っていう顔をして。」
だからか、木の実を収集していたホームズと鳥になる日、し~ちゃん、さっちゃんが来てくれた時、三人は藁をもつかむ勢いで、声を掛けてくれたホームズに救いの手を伸ばす。
三人から事情を聞いたホームたちは、木の実を大勢とれたため、魚釣りを手伝うと途中参戦してくれた。
「場所は悪くないと思うんだよね。 魚はいないというよりは、隠れているから。
だからそのかくれんぼをしている魚に引っかかってもらえるような魅惑のエサでつらないとだめだよ。」
「み、魅惑のエサ…。ポッ。」
「はいはい、くろちゃん、頬を染めて、妄想しな~~い!!」
「じゃ、まずは餌をどれにするか、だね」
そう言って、アドバイスしていたホームズがエサとして餞別したのは……
「何で、いちごパンツなのにゃ~~~~~~!!!!!」
ちゃにゃんがいちごパンツをどこからか取りだし、釣糸の先の針に付けているのを見て、突っ込む。
「いや、これで釣れるものは釣れる!! ちゃにゃん……、魚にも”ヘムタイ魂”を持っているのさ。」
「そんな魚、いる訳ないにゃ~~~~~~~~!!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて~~!! ちゃにゃん、あれを見て!!」
激昂するちゃにゃんに止めを刺されそうになるホームズは指先をくろちゃんの方に向けて、弁解する。
「にゃ!!」
「ほら、そのおいらの言ったとおりだろ!!?この世界に生きるすべての生き物には”ヘムタイ魂”を持っているんだ!!」
二人が見ている眼の先には、早速いちごパンツをエサにして、釣りをするくろちゃんが一度に大量のアユを釣っているのを目撃したのだった。さっきまで一匹も釣れなかったというのに、いちごパンツをエサにしただけで、大量を極める。
ちゃにゃんはその光景を信じられないと地面に倒れ込む。ちゃにゃんと同様に、し~ちゃんとさっちゃんもドン引きする。
「見てみて!!こんなにアユが取れたよ~~~!!」
そんなドン引きチームにくろちゃんが釣れたアユを早速見せるために近づく。しかし、ドン引きチームには許容レベルを超える代物を見せられるものだった。
いちごパンツで釣れたアユはパンツの中でパチパチと跳ねていて、パンツが飛んだり跳ねたり飛び出して来たりして近づいてくる。これを見てみて~~!!と嬉しそうに近づいてくるくろちゃんにちゃにゃんが一発の鉄拳をお見舞いする。
「止めるにゃ~~~~!! そんな代物、私達に近づけないでほしいにゃ!!」
「な…、何で~………?」
鉄拳のお見舞いを受ける理由が分からないくろちゃんは殴り飛ばされ、軽く気絶した。そして、ある意味恐怖を味わらずに済んだと胸を撫で下ろすし~ちゃんとさっちゃん。そして、くろちゃんの屍をつんつんと突くhukaを置いて、ホームズがいちごパンツでのアユ釣りをする。
「こんなに取れるのにな~~。これこそヘムタイ達の釣りロマンというもの…。どんな障害があっても、絶対に成し遂げてみせる!!」
となんだかよくわからない事を話し、釣りをするホームズの釣糸がぴくんと引かれた。
「よし、掛かった~~~~!!!!」
その一瞬を見逃さなかったホームズはリールを回して、アユを引き上げようとする。
しかし、一向に釣れるどころか、かなりの引きでホームズが川に引き摺られそうになる。
「こ、これは…!!アユではない!! もしかしたら大物かもしれない!!
くっ!! 負けない、ぞ~~~~~!!」
ホームズの真剣な表情に、いちごパンツの事は忘れ、屍化しているくろちゃん以外がホームズの身体にしがみついて、支える。
「う~~~~~!! 何これ!! 」
「どんだけ、力強いの…!?」
6人がかりでも抵抗される大物?に苦戦していると、ホームズが支えてくれるちゃにゃん達に大声で言う。
「みんな…!! おいらが合図したら、一斉に引っ張ってくれ!!」
みんな力強く頷き、それを確認したホームズは空気を口にいっぱい吸い込んだ。
「行くぞ!! いっせ~~~~~の!!」
「「「「「「どりゃ~~~~~~~~~~~!!!!!!」」」」」」
後ろに引っ張った瞬間、とうとう大物を川から吊り上げる事に成功し、大物は宙に飛び出す。それにみんなは喜び、抱き合う。
だが、釣れた物を見たみんなは、その喜びが怒りへと変わる。
釣糸に…、というよりいちごパンツにしがみついて、だらりとしているのは、なんと剣崎兵庫だった!!
「おお!! みんな、久しぶり~~!! 元気だった!!? もう私事は終わったから、今日からまたよろしく!!」
私事で一時的にROSEを抜けていた剣崎兵庫の帰還。
いつもなら、笑って、みんな「お帰り~~!!」って宴をするけど、この後では…。
「いや~~~!! いちごパンツが流されていたから、ゲットしようとしたのに!!
あ、ほーちゃん、このパンツもらってもいい?
ヘムタ~~~~イ、トゥ!! 剣崎兵庫参上!!」
いちごパンツを釣り針から外し、ゲットして、ジャンプし、着地してポーズを決めた剣崎兵庫は、ついに理性がきれたちゃにゃん達、純情な乙女の手により、抹殺された…。
そして、剣崎兵庫が締め上げられている中、いちごパンツでまた釣りをするホームズにも、剣崎兵庫と同じ末路を辿る事になる。
★★★
その夜、丸太で作った櫓に火をつけ、キャンプファイヤーをするROSEのみんな。
みんなが採取した山菜や木の実を使った、山の新鮮な食材の料理が並び、美味しそうに食べる光景が広がる。
しかし、その中で、数人が顔で判別する事が不可能なくらいにたんこぶや腫れを作っている。正座で行儀よく食べているその数人を見て、ミナホは頭を抱える。
「NSTの出張版って、ほんとうに厄介だ~…。」
結局、アユは食べれず、裏で指示していたすべてのヘムタイの統括……、マサやんの手足をを木に縛りつけ、ミナホがtokoと一緒に狩ってきたイノシシと隣り合わせにして、丸焼きをする。キャンプファイヤーの火の中に突っ込んで。
「止めて~~~!! 熱い!!日焼けする~~!! 全裸だから~~!!」
「日焼けじゃないよ、火焼けだから…。
もう少し、香ばしく焼いてから取りだしてあげるから…。それまで、焼かれてて♡」
火炙りの刑を受けているマサやんにどこか闇に落ちたような顔で薄く笑うミナホ。
ヘムタイ達にドSを発揮し、今日の鬱憤を晴らす。HMTの隊員たちは満足そうに見ていた。
そして、そのまま、今回、新たにメンバー入りしたギルド一の最強魔法師になったユッキーの歓迎会を始める。
それからは大いに盛り上がって、最後にNSTを無事に抹殺し、キャンプファイヤーの締めとして持ってきていた花火で遊んで、山でのキャンプファイヤーは終了した。
NSTにとっては地獄の煉獄を思わせる休日となった事は言うまでもない。
ただし、このような目に遭っても、NSTのヘムタイ魂は決して消える事はない!!
いつか、ヘムタイの真の栄光の光を手にするため、NSTは更に強くなる…!!
さぁ!!立ち上がれ!! ヘムタイ達よ!!
「「「「「「いや、立たなくていいから~~!!!!!」」」」」」
いや~~、もう笑うしかないよね、普通はパンツで釣りは出来ないから!!
でも、それができるのがヘムタイなのさ!!
で、書けなかったけど、ヘムタイ釣り以外にも、色々とヘムタイ騒動がありました。
気になる人は妄想するなり、感想で聞いてくださいな!
もしかしたら、本編のあとがきとかでちょろっと書くかも…?