魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ここにきて、ROSEメンバーが参戦!!っというか、交代!!




君の相手は俺だ。

 

 

 

 

 

 

 突然の乱入者は両の眼を鋭く尖った視線をドレーナに向け、立ち上がった。

 その者の腕には、ワイズさんとオドリーが抱えられていた。

 

 腕から降ろされた二人は気を失っていたが、目立った傷はなかった。オドリーにも…。

 刺された腹部の傷も綺麗になくなっていた。

 

 

 「みんな、よくここまで頑張った。みんなは先に行って、カバルレの元へ行ってくれないか?」

 

 

 そう言いながら、現れた乱入者はホームズ達に次々と『再成』をかけていき、重傷だった傷を治し、復元していった。くろちゃんは自分の身体を見回した後、気を失っているオドリーの腹部も見た。綺麗になくなった傷を見て、表情を歪める。『再成』には、代償ともいえる精神に直接与える”痛み”を魔法発動者に味わらせる魔法だ。そんな魔法を自分達のために使用してくれた仲間に申し訳ないという気持ちとそれをさせた自分自身に腹が立ってくる。他のみんなもくろちゃんと同じ思いを抱いている。できる事なら、自分達で使えたらどれだけいい事か…。しかし、この魔法は希少性が高い上、ある一族の物しか使えない代物だから、魔法師の間で流通はしていない。

 くろちゃんたちの思いが現実になる事はない。だから、その分、仲間のために先に進もうと思うのだ。

 

 

 「うん…、分かった。 先に行ってるから。」

 

 

 「必ず後からきてにゃ!」

 

 

 「無茶はしてはいけないからね!」

 

 

 「……ドレーナは任せたよ、暁彰…!」

 

 

 「暁彰…。絶対に戻ってこいよ…!」

 

 

 乱入者…、暁彰にみんなはこの場を任せる事にした。

 その暁彰に言葉で入ってはいないが、感謝を心に持って、螺旋階段に通じる壁の向こうを見る。

 その前には、封じるようにして置かれた鉄の鳥籠がある。その中には、いまだ捕えられたままのリテラの姿が見え、心配と不安が入り混じった表情をしている。

 ホームズはリテラに向かって、微笑んだ後、戦闘員たちをリテラから遠ざけるために、飛行魔法で全員を空中に放り投げた。そしてその間に、ちゃにゃんとくろちゃんが加速魔法で鳥籠に近づいて、『斬鉄』で鳥籠を一刀両断する。斬られた檻は左右に倒れ、リテラは自由の身になれた。

 そして、御神が『疑似瞬間移動』を使って、くろちゃんたち全員を壁の向こうへと移動させて、姿を消した。

 

 その様子をずっと傍観していたドレーナは盛大にため息を吐いて、仕方がないとでもいうような顔でくろちゃん達の突破を見送った。

 

 そのドレーナを見つめる暁彰は、ドレーナだけを凝視して、訝しい表情を浮かべ、口を開く。

 

 

 「案外あっさりと通したものだな、ドレーナ。

  何か考えているのか?」

 

 

 「あらあら、それはこっちの台詞だわ。あなたこそ、考えがあるから、仲間を先に行かせたのではなくて? どうせこの先の螺旋階段の入り口に到達できたとしても、この私が持つ専用の鍵がないと、開く事なんてできない事は、あなたも知っているのでしょう…?

  先に行かせても、そこで立ち止まる事になるのだから、あなたをここで倒せば、後で追い掛けて、全滅にすることくらい簡単よ。」

 

 

 少し残念そうな顔をして、話すドレーナに暁彰は無表情のままで、言い返す。

 

 

 「悪いけど、全滅するのは君の方だよ、ドレーナ。

  君の相手はこの俺だ…! …それは君自身にも分かるはず。」

 

 

 暁彰の言葉にドレーナも無表情で見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 「そして、君は自ら鍵を渡す事になる…。絶対にな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 意味深な台詞を口にする暁彰の顔には、色んな感情が混じって複雑な表情をしていた。

 

 

 

 




はい!! 新たに現れたのが、暁彰でした~~~!!


これから暁彰が何をするのかはお楽しみに~~!!

今日は8月10日でハートの日らしいです!!

そして、明日は今年からの休日…、「山の日」です!!

ですので、明日の山をテーマにした番外編をお送りしたいと思います!!

よし、何かネタになりそうなものをみんなから調達しようかな~~!!?

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