魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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何とか倒してけど、この後はもう闘えないって!!

どうする!? ROSE~~~~~!!


おいら達を舐めんじゃないぜ!!

 

 

 

 

 

 ROSEによって、倒された三体の炎獣が原形を留められずに、炎の力が弱まり、小さくなっていき、火の粉となって、消えていった。

 

 後に残されたのは、闘いの中で、ボロボロになった壁や床面の破損があちらこちらにあった。

 

 目の前で起きた事に、心底信じられないという顔で言葉を失う戦闘員たち。それとは反対的に、何を考えているか全く読み取らせないような表情でROSEを見つめるドレーナ。

 

 まさかの勝敗に、屈辱を味わう戦闘員たちは今度は自分達が相手だと言わんばかりに、ガンマ・オクタゴンを胸に抱え、憎悪を交えた視線をROSEに向けた。

 

 一方、ROSEのみんなは、もう立って、威厳を見せつけるだけで正直精いっぱいだった。折れた肋骨や打ち身、切り傷、全身打撲といった怪我を負っていて、さっきのでさすがに限界が来てしまった。身体ダメージも重傷なのに、相子も大技やループ・キャストによる連続発動で、殆ど底をついてしまった。

 

 もう闘う余力が残っていない…。

 

 ここからは蜂の巣状態にするのも、血の海に沈めるのも、相手にとってはやりたい放題だ。何だって、ホームズ達は三体の炎獣を相手にしただけで、この有様…。それに比べて、戦闘員全員健在し、最高幹部のドレーナも傷一つなく、まだ刃を交えていない。この状況で戦えば、どちらか倒されるかは目に見えている。

 

 

 でも、まだ諦めたわけじゃない!!

 

 

 みんなは自分達の勝利を信じて、傷を負ってなおも、平然とした態度を振る舞って、ホームズが挑発するような口調で、牽制する。

 そうすれば、怒り心頭になった戦闘員たちがドレーナに粛清され、数が減るのではないかという想像から来たからだ。

 

 

 「へへへへへ…!! どうだ!! おいら達、あの炎獣どもを倒したぞ!

  案外、弱点がたくさんあるんだな!! 分かりやすくて、戦略を立てやすかったぜ!!」

 

 

 「何を…!! バカな事を言いやがって~~~~!!」

 

 

 「そうだ! これはまぐれか何かだ!!」

 

 

 「あの炎獣たちはドレーナ様が使役する中のトップクラスの炎獣だぞ!?

  そう簡単に倒せるものか…!!!?」

 

 

 「…お黙りなさい。 口が過ぎるのではなくて?」

 

 

 案の定、戦闘員を言葉だけで黙らせるドレーナ。その声は荒げてもなく、大声でもなく、ただ淡々と普通に言葉を紡いでいたのだ。

 しかし、ホームズが予想していたのとは、違った。どこか違うかというと、後部…。得ドレーナは戦闘員を粛清にはしなかった。その代わり、明らかに作り笑いだと分かる笑顔を浮かべ、ホームズに話しかける。

 

 

 「うふふふふふふ。

  まさかここまでできる人たちとは、正直、思っていませんでしたわ。誰もあの子たちを倒したものは、いませんでしたから。

  面白い人たちですわ。うふふふふふふふ。

 

  特に、あなた…、ホームズさん、でしたわね? あれだけで、戦況をひっくり返すその頭脳…、敵にしとくのは、もったいないですわ。」

 

 

 ホームズを褒めちぎって、作り笑いするドレーナの目は、口とは正反対で、面白くない、不快感を交えた視線を投げる。ホームズは褒め言葉も視線も、ふてぶてしい笑みで対抗し、照れた感じで、ドレーナに返事する。

 

 

 「いやいや~~、それほどでも。

 

  かなり苦労したんだけどな! さすがに予想外の闘いだったんで、いつもより少し…、対処が遅れたぜ~~!!

 

  でもまぁ、上手くいったのは、みんなのお蔭だな。

  おいらが戦略を練るために、みんな、色んな攻撃をしたし、相手の攻撃を誘い出したりして、情報をより多く、引き出してくれたからな。ここで、おいらが失敗したら、せっかく怪我までして、この茶番に付き合ってくれたみんなに申し訳ねぇ~じゃないか!」

 

 

 

 ホームズだけでなく、くろちゃんやちゃにゃん、御神、火龍人もニヤニヤと不敵の笑みを漏らす。

 その笑みを訝しく思うドレーナ。彼女には、彼らがもう闘える体ではない事はもう既に分かっている。なのに、今この時、先程とは打って変わり、ハッタリだとは思えない言い草に妙な違和感を感じたのだ。

 

 ドレーナの観察眼に間違いはなく、ROSEのみんなの状態はその通りだった。

 

 しかし、ROSEのみんなは、”負ける”という未来予想はなかったのだから。

 

 

 

 「さぁて、ここからが本番だ、ドレーナ!!

 

  おいら達を舐めんじゃないぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 指差しをびしっと決めるホームズが、息を切らしながら、目をギラギラにして、ドレーナに告げた。

 

 

 

 

 




何々~~~~!!

なにをしてたんだ、ホームズ!!?


ド:「…どこを舐めるというのですの?」

ホ:「………は?」

ド:「舌で舐めればいいのかしら?」

ホ:「そっちの”舐める”じゃねぇ~~~~~~~!!!」

ド:ベロ~、チュパっ!!(効果音)


 はい…、本編後、このようなやり取りがあったのですが、
 みんな~、「なめる」という漢字に舐める、嘗めるがあるけど、両方とも同じ意味で使えるらしいので、うちはこっちにします!!
  だって…、こっちの方が何だかエロく感じません? ヘムタイの皆さんに捧げますよ!? このミニストーリー!!

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