魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ここで終わってたまるかあ~~~~~~!!

何か弱点が~~~~~!!


炎獣攻略!!

 

 

 

 

 

 三体の炎獣たちのコントっぽい行動に、訝しく観察するホームズ達。

 

 

 見るからには、炎で動物を模った化成体の一種だろうと判断していたが、先程から見せる彼らの動きや表現、連携の取れようはどう見ても、思考を備えているようにしか思えない…。

 ドレーナが仕草で指示していてはいない。なら、炎獣たちだけで動いているのではないか…?

 

 そんな思考がホームズの脳内に巡っていく。

 

 そう考えれば、炎獣たちの今までの行動にも納得する。そしてそれは、人との戦闘をする上、最も鍵になる物…、『戦略』が組めるという事。相手の思考を利用し、その先を読む事で、自分達の不利な状況を覆させることができるかもしれない…。

 

 ホームズはこれまでの闘いを頭の中で整理し、そして勝利への活路を見出す。

 

 

 「みんな、いい考えがあるぜ。 後もう少し、頑張ってくれ…!」

 

 

 ホームズの次なる一手を打つためのこの言葉にみんなもダメージを負った身体に、力を入れ、立ち上がり、戦闘準備に入る。

 

 

 ボロボロなのに、立ち上がってきたROSEに、やっと喧嘩を収めた炎獣たちは牙をむいて、威嚇する。

 

 

 呼吸をするたびに、骨が軋んで苦しいみんな。

 

 多分、炎獣たちを叩きのめすのは、これで最後。それ以上は身体が持たない。

 

 

 その事を弁えて、ホームズは光学系魔法『フラッシュボール』を頭上にうちあげ、光を放つ球体の色を変数化し、色を変えていく。

 

 

 それを見ていたROSEのみんなは、瞳に更に力を込め、CADに手を翳す。

 

 

 『フラッシュボール』の色の点滅が終わると、破裂し、光が部屋中に広がる。

 

 

 その直後、ホームズ達は獅子の炎獣に向かって走り出す。

 

 

 『フラッシュボール』の影響で、本来なら相手の目つぶしに有効な魔法だが、それは人や動物の場合…。元々炎の炎獣たちに効く訳がない。

 

 しかし、ホームズの狙いは別にあった。

 

 

 全員で、獅子の周りを取り囲み、加熱系魔法を発動する。

 

 そして、皆で炎の竜巻を縄状にして、獅子を床面に加重系魔法で抑え付け、その上に縄状にした炎のロープを身体に巻きつけ、杭で動きを封じる。

 

 動きを封じられた獅子が暴れ出すが、なぜだか、炎のロープから抜け出す事が出来ない。

 

 

 「まず一匹…っと!! 次は~…」

 

 

 獅子の動きを封じたROSEは突然視界が暗くなり、上空を見ると、猿の炎獣が怒りの表情を見せて大ジャンプしていた。そしてそのまま、猿の炎獣は素早い腕の動きで炎の鉄拳の雨を降らせる。

 

 その高速の鉄拳雨に次々とみんなにヒットし、倒された。

 

 

 猿の炎獣も殴った感覚を感じたため、にやりと笑う。

 

 

 しかし、次の瞬間、ROSEのみんながいた所には、先程動きを封じられていた獅子の炎獣がノックダウンした状態でのびていた。

 

 猿の炎獣が鉄拳をお見舞いしたのは、ROSEのみんなではなく、獅子の炎獣だったのだ。ちなみに、猿の炎獣が鉄拳を当てたと思っていたROSEのみんなはちゃにゃんが作り出していた『幻影投影』の幻だ。くろちゃんと一緒に飛ばされた後、『光学迷彩』で姿を隠し、この時をずっと待っていたのだ。

 

 そしてまんまと罠にはまった猿の炎獣は、御神の『ヒーボウ』で作り出した、炎の弓矢で狙いを定められ、放たれた矢が猿の炎獣の左目に命中する。

 命中した左目から爆炎が上り、顔を顰め、苦しむ猿の炎獣。

 

 その隙に、今度は背後に回ってきていた熊の炎獣の足元を、火龍人が『地割れ』から『蟻地獄』を発動する。すると、バランスを崩し、倒れそうになる熊の炎獣は先程の轍は踏まないというように、片足を前に出して、身体を支える。しかしそこは、炎で作られた棘地獄…。足裏にまんまと刺さった熊の炎獣はケンケンして痛みを緩和しようとする。そこを、ホームズが耐熱性の障壁魔法をスーツを着込む形で身に纏い、熊の炎獣の背後に回って、ふてぶてしい笑みを浮かべる。

 

 

 「さあ!! さっきのお返しだぜ~~~~!!」

 

 

 両の拳を突き合わせ、気合を入れると、熊の炎獣の尻に猿の炎獣と同じように高速の鉄拳を撃ち込んでいく。

 撃ち込まれていく鉄拳で熊の炎獣の尻の炎の勢いがどんどん弱くなり、火花が散っていく。そして最後にホームズは右足に加速系魔法と加重系魔法をマルチキャストし、振り上げる。

 

 

 「おりゃ~~~~~~~~!!!!!」

 

 

 雄叫びと共に、振り上げられた右足は熊の炎獣の尻にヒットし、熊の炎獣はそのまま蹴り飛ばされ、ホームランされた。

 

 

 

 

 

 熊の炎獣が蹴り飛ばされたその先には………

 

 

 

 

 

 

 

 

 左目を抑え、悶絶しそうになっている猿の炎獣がいた…。

 

 

 

 

 そしてとうとう猿の炎獣に熊の炎獣が激突する。

 突然の熊のロケット頭突きを腹に命中された猿の炎獣は炎の目を飛び出し、変顔をする。そのまま、熊の炎獣と宙に打ち上げられる。

 

 

 

 

 そしてそれを待っていたかのように目をキラキラさせたくろちゃんが宙に誘い込まれた二体の炎獣に『能動空中機雷』を発動する。

 球体状にした『能動空中機雷』で、二体の炎獣を閉じ込めたくろちゃんは派手に、豪快に、爆破させていく。

 

 その爆破の威力で突風が部屋中に渡るほど、ダメージを負った二体の炎獣は、『能動空中機雷』を解除されて、そのまま落下していく。その落下する着地点には、のびた獅子の炎獣が待機している。

 そこに、二体の炎獣ものびたまま、落下し、衝撃が広がる。爆炎が巻き起こり、敵味方両者が障壁魔法で身を守り、炎獣たちの行く末を爆炎が収まるまで待つ。

 

 そして、視界がクリアになった先には…。

 

 

 三体の炎獣が原形を留める事が困難なほどのダメージを受けて、倒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「やった~~~~~~~!!! 」」

 

 

 

 「どんなもんだ~~~~!!」

 

 

 「動物風情が人間様を舐めるなよ~~~~~!!」

 

 

 「ほーちゃん、あれは動物ではないと思うよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 苦戦を強いられたROSEだったが、なんとか三体の炎獣たちを倒す事に成功したのだった。

 

 

 




なぜ、倒せたのかは…、次で!!

それまでは皆さんで考えてみて下さ~~~い!!

…多分、ヒントは入れられたはず…。(汗)

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