魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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誤解は解けたものの、深雪と詩奈の挨拶…、どうなる事やら。


乙女合戦の幕が上がりますっ! ⑦

 

 

 

 

 

 

 

 

 達也の浮気疑惑?はなんとか誤解だと分かり、生徒会室内は一段落した空気に包まれる。そしてそんな中、深雪が詩奈に目を向け、歩み寄る。詩奈も水波の手当がちょうど終わり、優雅に椅子から腰を上げると、自ら深雪へと歩み寄る。お互い歩み寄り、人一人分が入れるほどの距離を保つと、笑顔を浮かべ合う。

 

 二人を見守っていた他の面々は、まるで西部劇での決闘を固唾となって見守る気分を味わっていた。

 

 それくらいのまた違った空気へと変えた深雪と詩奈の見つめ合いは、深雪が先に動いて終了する。

 

 

 「おはようございます。初めまして、三矢さん。第一高校生徒会長の司波深雪です。」

 

 

 「おはようございます。初めまして、三矢詩奈です。お見知りおきを。」

 

 

 にっこりと笑い掛ける深雪に対し、表面上は笑顔で返す詩奈だったが、内心は闘争心や嫉妬を感じる瞳をしているのは明らかな雰囲気を纏っていた。

 

 

 (この方が、四葉家の次期当主、司波深雪…。そして達也様の婚約者…。やはり強敵ですわね…!)

 

 

 深雪と真正面で対峙している詩奈は背中に嫌な汗を掻くのを肌で感じながらも、意思を折らせまいと身体から沸き起こる恐怖とも闘いながら、目の前の深雪を見定める。

 

 なんといっても、深雪は四葉の後継者。そして、達也も。

 

 『四葉家は十師族の中でも突出した存在であり、他の十師族とは別格…、別格過ぎる。絶対に敵を回しても、怒りを買う真似もしてはいけない…。』既に成人している兄や姉が自分にそう言い聞かせてきた。だから四葉家を軽んじてはいけないと幼少時からの教えで学んでいる。だが、達也が四葉の人間だと知った時、既に詩奈は恋に落ちていた。九校戦を鑑賞していた時、達也の見せる技術や作戦、そして戦いぶりが詩奈の目には王子様にしか見えなくなるくらい、、魅力的だった。

 それからはひっそりと思いを育んでいたが、達也が四葉家の人間だと知り、意外感もあれど、納得もした。そして同じ十師族なら結婚もできると嬉しさに満ち溢れた。

 …だけどそれはほんの一瞬の事。同時にもたらされた深雪との婚約を知り、絶望した感覚を今もなお覚えている。それでもまだ想いを告げる前に、闘う前に負けを認めるなんてできなかった。それならと、詩奈は猛勉強をし、生徒会入りができるように新入生総代を狙い、その目標が達成できた。これで、正々堂々と同じテリトリーでアピールできる…。

 

 

 「では、入学式の打ち合わせを行いましょう? いいかしら?」

 

 

 「はい、問題ありません。よろしくお願いいたします。」

 

 

 いよいよ深雪という恋のライバルと達也を巡って闘う事に深呼吸をして、席に座る。先程見た深雪の乱れた様子で、ますます四葉家の恐ろしさを上乗せさせるものとなったが、同時に恋する女性らしい姿も見れ、自分と変わらないところもあると観察するのだった。

 

 

 (人間らしい部分を見て、ほっとした~。でも、例えあの四葉家の直系であったとしても、やはり達也様に私の事を知ってもらえないまま、『好き』と言えないのは、嫌です!だから、深雪先輩!私は負けません!!)

 

 

 改めて達也への気持ちを実感し、心の中で深雪とライバル認定した詩奈は、入学式の打ち合わせに真剣に耳を傾け、流れを確認するのであった。

 

 

 




四葉の直系だと知り、恐れを抱きながらも捨てきれない恋心…。詩奈が本気モードで挑みにかかります!
それを深雪も女の勘で理解している事でしょう。そして二人の熱きオーラで隠れていましたが、もちろんほのかもいますから!
あと、原作発売まで3日。残り2回でうちの妄想詩奈ちゃんは完結させるので、よろしくお願いしますね!

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