ワイズさんの個性を本格的に発動!!
くろちゃん達一行に火龍人とワイズさんが加わり、ROSEの勝機も上がった。
間一髪でワイズさんの『ファランクス』で敵の攻撃を完全ブロックしたため、くろちゃん達に怪我はない。しかし、くろちゃん達は泣いていた。しかも号泣…。その理由はワイズさんにあった。
「みんな…。怪我がないようで何よりだ。
さぁ、立ち上がるんだ! 私が君達をサポートする。」
みんなを後ろに庇い、先頭に立つワイズさんの凛々しくカッコいい後姿…、いや、頼れて逞しいその背中に、みんなは感激で号泣していたのだった。
((((((カッコ良すぎだよ~~~~!! ワイズマ~~~~ン!!!!!))))))
いつしか、ワイズさんをワイズマンって言うあだ名をつけ、呼んでいたけど、まさにそのあだ名に相応しい活躍を遂げてくれた。
「そして、そこの若人たちよ!! 人生を踏み外し、腐ったその性根を、私が!!粉砕し、これから先の将来に向かって歩いた時にぶつかる壁として、相手をしてやろう!! そして、君達を更生させてみせる!!さぁ、とことんと掛かってきなさいっ!!」
「ワイズマン…!! まさに正義のヒーロー…!!」
人生を歩んできた貫禄が付いたワイズさんの熱い心が下っ端戦闘員に向けられる。ワイズさんの言葉に更に号泣するROSE一行は、ワイズさんに羨望と感動の混じったキラキラオーラを纏った視線で熱く見つめる。
しかし、下っ端戦闘員に対してはというと……
「……………うぜぇ~~ぞ!! ジジイっ!! 」
「説教なんてすんじゃねぇ~よ!!」
「俺達はこっちの方がいいのさ!!」
…と、反抗的。まるで、熱血教師と不良集団との感動の名場面その一を見ているような光景。お決まりとしてはここで代表が教師に向かって一発殴る展開だが、ワイズさんと下っ端戦闘員たちとでは、拳での分かち合いという訳にもいかず、一斉にガンマ・オクタゴンで再び攻撃魔法を発動する。
それが、またワイズさんの『ファランクス』で塞がれ、ワイズさんは微笑を浮かべる。
「君たち…、そんなに照れるのではない。 照れ隠しでこのような事をしているのは分かるが、そろそろ自分達の気持ちに正直に向き合う事だ。」
まったく手のかかるやんちゃな坊主たちだ…。ともいうように、敵だけども、戦闘員たちを温かい眼差しで見つめるワイズさん。
「な、なんだよ! さっきから!! 気味が悪い!!」
「そ、それによ!! ジジイ!!」
「あんた…、半身血まみれじゃないかっ!!」
下っ端戦闘員たちが突っ込みを入れる。
彼らの言うとおり、ワイズさんは半身だけ、傷や打撲等の大怪我を負っていた。これは先程の攻撃を受けたためだ。しかしなぜ半身の身かというと。
「このジジイ!! 半身だけ壁でガードしやがったんだ!!」
「マジかよっ!! 頭おかしいんじゃねぇ~~~!?」
下っ端戦闘員たちが説明してくれた…。
ワイズさんは彼らの照れ隠し?を全て受け止めようとして、あえて壁に身を隠さなかったのだ。『ファランクス』の壁に身を隠すなら、ROSE一を誇るワイズさん。その彼が、壁で身を守らなかった…。それほどにして、戦闘員たちと心を通わせたかったからだ。
(トラップの時は、そこまで回る余力がなかったので、あの時の事は突っ込まないで上げてね。大丈夫、潰された戦闘員たちを一応は手当てしていたから…。あくまで一応…。)
しかし…、いつもの半身だけ壁ガードはもはや習慣だったため、壁の外にあった半身だけで受け止める結果となってしまったが。
そんな深手を負ったワイズさんだが、笑顔を絶やさず、ゆっくりと歩み寄る。
「さぁ!! もっと私に当たってこい!! これがお前達の限界なのではあるまい。
全力でぶつかってこい!! 私が全て…、受け止めてやるっ!!」
大声で啖呵を切ったワイズさんの熱い言葉は、戦闘員たちの暗く閉じ込めた心を少しずつ、明るく包み込んでいった…。
壁、壁~~~!!
ワイズさん、また流浪の民へと戻っていき、今はROSEから旅立ってしまった…。
しかし、いつしか戻ってくることを願っている!! いつでも戻ってきてね!!ROSEの仲間だから!!
壁からカンペ出したり、壁にシュッと引っ込む仕草もワイズさんらしくて…。
ワイズさん専用の壁、確保しているからね~~~!!