魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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魔法試合チャレモの完全制覇突破~~~~!!

水着美少女5人との対決だった~!!

特に、ほのかの回復はきつかったけど~!!万事みんなの力で乗り切れた~!!

お宝ゲットで万歳!!


立ちはだかる業火

 

 

 

 

 

 「なんだか…わくわくしてきたね~」

 

 

 くろちゃんの何気ないこの一言は他のROSEメンバー、ちゃにゃん、御神、ホームズにも共感を得られるものだった。

 

 一方、オドリーはみんなの興味津々の表情を見て、微笑ましく思っていた。

 

 

 トラップや敵との遭遇を回避するために、マップを用いているくろちゃん達一行だが、その回避するために敵しか知らない秘密の抜け道や隠し扉・通路を駆使してカラクリを楽しんできた。

 このマップはカバルレが本部棟を改変させた場合でも、リアルタイムでマップ情報を更新し、部下達が先回りをしたり、敵にゲリラ戦を仕組める体制を可能としているのだ。なら、この端末を手に入れたくろちゃん達も同じことができるという事。

 

 くろちゃん達はこの端末を駆使し、敵を誘き出して、逆にトラップを浴びせたり、敵の戦力が大きければ、壁にある隠し扉で回避したりと着実にラスボスのカバルレがいる最上階へと近づきつつあった。

 

 

 「まるで忍者になった気分~~~!!にんにん!!」

 

 

 「これで私もくノ一~~~~!!」

 

 

 「かなりカバルレにも近づいてきたんじゃない? オドリーが目を覚まして、端末を使うまでは、色々遭遇してたからにゃ~~。」

 

 

 「そうだね、川の流れが激しい場所にボロボロになった吊り橋があるだけのトラップがあったしね。あれを思い出すと、笑える…。くろちゃん…、腐った足場から真っ逆さまに落ちていって、潜んでいた巨大人喰いワニに食べられそうになったもんね~。」

 

 

 「そんなに笑わなくても…。確かに、ワニに呑み込まれて、外に出ようと思い切り殴ったり、こちょこちょしたりしたら、吐き出してくれたのはいいけど、唾液でべっとりになったよ~。」

 

 

 「いやいや、そっちじゃなくて…。あの後、くろちゃんに恐れおののいた巨大ワニが…、ぷっ!!逃げようとして壁に激突して、気絶しちゃったのを見て、くろちゃんが雷撃をぶつけた後、綺麗に焼けたワニ肉を食べてたな~って思って。」

 

 

 「それを言うなら、皆も食べてたじゃん! まだ肉に火が通っていない部分があったら、『くろちゃん、綺麗に焼いて?』っておねだりして食べてたよねっ!!?」

 

 

 「何を言ってるんだよ? あれはみんなで勝ち得た宝だぜ? みんなで食べないと!

  それに、今は戦だ! いつ食べられるか分からない状況で、空腹時に敵が襲ってくるとも限らない!! よく言うだろ?『腹が減っては戦は出来ぬ』と…。」

 

 

 「……ホームズに何かが憑りついてる~~~!!」

 

 

 和気あいあいと話し出すみんなにオドリーは傷がまた広がらないようにそっと笑いながら、この時間をROSEとは違った意味で満喫していた。

 

 もう自分にこんなに心から気を許せる仲間ができるとは思わなかったオドリーは着々と近づく自分の運命に恐怖を覚え始める。

 しかし、それを口にする代わりに、オドリーはくろちゃん達に助言する。

 

 

 「もうここまで来たら、後は幹部以上がテリトリーにする部屋のみ。

 

  間違いなく戦闘だけになる…わ。ここから先に進もうとすれば、カバルレが圧倒的有利の勝利を勝ち取れるように、幹部以上が敵を排除しに掛かってくる…手筈なの。その方が、もし自分が倒されても、敵の消耗を徹底的に削ぎ落とせるから、その時点でもうカバルレとの決戦は始まっていると言えるわよ…。

 

  …中でも、最高幹部のドレーナ様とウォン・ターン双子兄妹は力の差がありすぎる…。私では全く歯が立たないほどに…。この三人に当たれば、戦況は苦しくなるのは…、ハア~…、必須だわ…。それに…、確実に戦う事になる…。最上階のカバルレに辿り着くためには、その最上階に通じる螺旋階段から行くルートのたった一つのみ…。

  その螺旋階段へと行くには、最上階から二つ下の階の最高幹部が配置されている二つの部屋から、伸びる連絡通路を渡らないと無理…。しかも螺旋階段の入り口には、その最高幹部がそれぞれ持っている二つの専用のカギを同時に回して開けないと使う事は不可能…。」

 

 

 長い説明に傷を負ったオドリーは、息を切らしながら、自分の知る限りの情報をくろちゃん達に伝える。

 

 

 「つまり、最高幹部を倒して、鍵を奪わないとカバルレにはたどり着けないという事か?」

 

 

 

 「…そうですわ。 カバルレがこの本部棟を自在に操れるため、壁を壊して、最上階へと一っ跳びではいけません。それに、最高幹部の攻撃を掻い潜って螺旋階段の入り口に着いたとしても、何かを代用した鍵では開くことはありません。専用の鍵には、入り口を開ける無系統魔法の術式の一部が組み込まれていて、二つの専用のカギと入り口に組み込まれた術式がそろって、一つの術式となり、入り口が開くシステムになっています。複雑にされている術式ですので、解読するどころか、推測も難しいので、スペアでは開く事が出来ないのです。」

 

 

 「…なるほど~。ますます面白くなってきたな~!!」

 

 

 「……え?」

 

 

 「なら、考える暇もないよね~。最高幹部を倒して、鍵を手に入れて、螺旋階段の入り口を開けて、登っていけばカバルレを倒すっ!! 実に分かりやすいやり方だよね~。」

 

 

 「そうと決まれば、どっちの最高幹部のいる部屋に行くにゃ?」

 

 

 「え~っと、ここから近いのは……」

 

 

 けろっとして、緊張感なしに最高幹部を倒そうとするROSEにオドリーは状況についていけず、呆気にとられていた。

 

 そして、どっちの幹部の方へと行くかで、下心を乗せた理由から意見が分かれ、ちょっとした喧嘩になっている風景をホームズの背中から見学するオドリーは心の底から笑っていた。

 

 

 その傍らで、必死に端末を操作する御神の事が気になり、声を掛け、端末を操作すると、画面が波打っていて、上手く呑み込めない…。

 

 

 「…また、動かなくなったわね。 これだと最後の情報だけで判断しないと。」

 

 

 「…………”また”?」

 

 

 何気なく呟いたオドリーの言葉にROSE全員が疑問に思う。この端末を使いだしてから、一度もこんな現象にはなっていないからだ。

 

 

 「…カバルレがこの本部棟を改変させた…、いえ、その十数分前から端末の調子が悪くて、連絡が取れなかった時があって、困っていたのよ。だけど、本部棟が改変された後、しばらくして、通信も電波も戻って、敵の…、ROSEの情報を得て、各自仕掛けを準備する事が出来たわ。その時も、こんな感じで動かなかったから、原因があるとすれば、通信司令部との回線がつながらなかったって事ね。」

 

 

 ため息交じりで動かなくなった端末を操作するオドリーを背にするホームズの顔色が徐々に険しくなっていく。

 

 

 「ごめん!! その”通信司令部”って今はどこにあるんだ!!?」

 

 

 血相を変えて、振り向き様にオドリーに問いかけるホームズに驚き、微かに痛みが走ったが、オドリーは最後のマップ情報を操作して、見つけて答える。

 

 

 「……今は、最高幹部がいる部屋と融合して…、この道を真っ直ぐに進んで、先にある階段を上がれば、着けるわ…。」

 

 

 「え! 最高幹部!? どっち?」

 

 

 「………ドレーナ様。」

 

 

 

 それを聞いたホームズはすぐさま、階段目指して走り出した。その後を急いで、三人も続く。

 

 

 「ど、どうしたの!? そんなに慌てて!! 何か通信司令部って場所にあるの!?」

 

 

 くろちゃんが走りながら、問いかける。それに対して、ホームズは焦りと憤りが混じる表情で答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「その通信司令部には……、先に侵入した”リテラ”って仲間がいるんだ!!

  早く行かないと!!」

 

 

 

 

 そして、上へとつながる階段へと着き、登りきったその先には、目の前全部が地獄の業火の如き勢いの炎が、立ちはだかった。

 

 

 

 「…ようやく来たわね。  ようこそ、私の部屋、”ドレーナ・ファイミリア”へ。」

 

 

 

 

 

 かけられた声のした天井を見ると、そこには、炎獣を従えた、炎の翼を広げる絶世の美女がくろちゃん達を見下ろしていた…。

 

 

 

 

 

 




いよいよ~~!! 最高幹部ドレーナとの戦い!!

オドリー編を終え、次はドレーナ編だ!!

皆、楽しんでね~!!

あと、tokoっち!!
いつも、感想送ってくれてありがとう!!

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