Fate/Grand Mahabharata   作:ましまし

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やっと書けました体験クエストもとい五章の序章。
スランプと課題(はまだ続いてますが)を乗り越えてなんとか書く事が出来ました。

原作の内容とは結構違ってますのでご注意を。

それでもよろしい方はどうぞ↓


第5章
序幕の物語


 ――私はその瞬間を、繰り返している。

 

 

〝スラク――!"

 

 最後まで呼ばれることのなかった名前。

 こちらを射抜く視線。

 細い首を貫いた矢。

 倒れ伏す体。

 

 

〝―――ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!"

 

 

 息絶えた体を抱え、悲鳴を上げる宿敵の白い髪や肌は片割れの血で赤く染まり。

 血を流す片割れは、兄より白い肌をさらに白く、赤い髪をますます赤く――黒く染めていた。

 

 

 

 

 

 

「……きなさい」

 

 ――?

 

「起きなさい、そこの貴方」

 

 

 

 目を覚ますと船の上で嵐の真っただ中でした。

 うん、また変な特異点に巻き込まれたのか。正直慣れた。たまに聖杯探索より疲れたりすることもあるけど、スラクシャに愚痴ったら「それは考えないようにしましょう」って言われた事があったなあ。

 

 目が死んでたのは気のせいだと思おう。

 

「大丈夫ですか?」

「うわっ!?」

 

 隣を見るとこっちを見下ろす白い服、褐色の肌をしたイケメンの姿が。多分、確実にサーヴァントだ。雰囲気が人間離れしてるし。

 

 ……そうだ。この声に反応して起きたんだ。

 

「この嵐の中でのんびり昼寝とは、豪胆さもここに極まった感じですね」

 

 言葉遣いは丁寧なのにバカにされているような気がするのはなぜだろう。

 

「あー、うん。ありがとう。……貴方は誰?」

 

 コミュニケーションの基本。まずは名前を聞こう!

 

「……それが困ったことに。どうやら私もそれを、理解していないようです」

 

 初っ端から躓いた……!?

 じゃないや。

 

「つまり、記憶喪失……?」

「ええ、名無しの男です。唯一覚えているのは、私が弓使い(アーチャー)のサーヴァントである事だけ」

 

 アーチャーかぁ。……アーチャーかぁ……。

 弓で殴るとかそういうパターンじゃないことを祈ろう。

 

「どうやら、貴方はマスターのようだ。よろしければ、しばらく行動を共にしませんか?」

「ありがとう、心強いよ。でもその前に……マシュは……」

 

 どの特異点でも常に……ではないけどほとんど一緒に行動していたマシュとスラクシャの姿がどこにも見当たらない。

 スラクシャは強いし無茶さえしなければ大丈夫だろうけど。

 

 マシュはなんていうか、後輩だし? うん、自分でも良く分からない。敢えて言うのなら「守りたい、後輩の笑顔」。

 

「マシュ、ですか? さて……もしかしたら船の内部に誰か」

 

 

「マスター!? いらっしゃいますか、マスター!?」

 

 

「いるようですね」

「マシュー!」

 

 パッとこちらを振り向き駆け寄ってくる後輩。うん、さっきも声を出せてたし怪我の心配はなさそうだ。

 

「この方が?」

「うん。愛らしい後輩」

「あ、愛らしい後輩……。いえ、私などまだまだで……」

 

 頬を赤らめるマシュは本当にかわいい。もし普通の高校とかに通ってたら絶対にモテてただろうなあ。

 

「そ、それより状況を報告します。どうやらレイシフト中に奇妙な特異点に吹き飛ばされてしまったようです」

 

 ドクターとは連絡が通じない、の言葉にだろうね、とか思ってしまうあたり完全にマヒしてる。

 

「スラクシャさんも居ません。私たち以外に誰かいる様子はなかったので、別の場所へ飛ばされてしまったか、あるいは私たちだけがここへ来てしまったのか」

 

 うーん、できれば後者がいいなあ。何度も言うけどスラクシャって無茶ばっかりするし。ヘラクレスに単身アタックとかね。あの時は本当に心臓止まるかと思った。

 

 

 

「っ……?」

 

 

 

「ところでそちらの御方は……。とても名のあるサーヴァントだと思うのですが」

「それが記憶喪失らしくて」

「記憶喪失……ですか?」

「はい。ですが自分がアーチャーであることは分かります。この通り、獲物も弓ですし。恐らくはそうでしょう」

 

 ああ、アーチャーって獲物で判断したんだ。一気に信憑性がなくなった。

 

「あの、その……すみません。お言葉ですが、武器でクラス特定はあまりしない方が」

 

 世の中には……と後輩が今まで遭遇したことのあるアーチャーの特徴を挙げていく。

 あれ。アーチャーってなんだっけ?

 

「弓を持っていたからといって、アーチャーだと考えるのは早計かもしれません」

「武器は弓でもクラスはライダー、宝具は戦車で特攻するサーヴァントもいるしね」

 

 言わずもがなウチにいる守護の英雄の事である。プラスで短剣も使えるからちょっとズルいんじゃないかな。キャスターのクーさんなんか「俺も槍が使いたかった!」って言ってるし。

 

「……。世界には色々な英雄がいるのですね……」

 

 十人十色と言うけれどあれはあんまりじゃないかとオレは思う。飛び道具=アーチャーみたいな図式になってきちゃってるからね。聖杯の基準が良く分からない。

 

 

「とことで先輩はこちらで何を……」

「あ、えーっと」

「のんびり昼寝をしていました」

「なんで言っちゃうの!?」

 

 なんで言っちゃうの!?

 

「なんと、お昼寝ですか? さすが先輩、カルデアの廊下で堂々の安眠スタイルだっただけはありますね」

「ははは……」

 

 いつでもどこでも寝られるのがオレの特技だからね。全く誇れないけど。

 

「これで何度目かの経験ですが、嵐の甲板は慣れません……」

「船体はなかなか頑丈なようですが、こう嵐が続くとさすがに不安ですね……」

 

 たしかに。バラバラになるってことはなさそうだけど、今にもひっくり返りそうな勢いで揺れまくってるしね。

 

 ……って、あれ? 今なんか発光する物体が見えたような。

 

「あれは……」

「ゴーストタイプのエネミーです!」

「うわ、そこそこいっぱいいる……。ごめんアーチャー? 悪いけど手伝って」

「わかりました。ですが、何故疑問形なのですか」

 

 

 

 

 アーチャー? はアーチャーだった。ちゃんと、ちゃんと弓で攻撃していた。真名を忘れているからか、宝具を見ることはできなかったけど、ちゃんとしたアーチャーだった。

 宝具は弓じゃないかもしれない? 宝具以前に弓すら使っていないアーチャーもいるんだから、アーチャーが弓を使っているってだけで感動してしまうんだよ。

 

 ……アーチャーばっかり言いすぎてアーチャーがゲシュタルト崩壊してきた。

 

 それにしても、アーチャーを見ていると何か引っかかる。どこかで見たことあるような……。

 

 

「殲滅完了しました。マスター、お疲れ様でした」

「……不甲斐ない。あまりお役にたてず、恥じ入るばかりです」

 

 そういって彼は謝罪してくる。記憶喪失なんだから気にすることはない……と言いたいところだけど、彼の場合は記憶喪失とは違う。

 

「もしかして、戦いたくないとか?」

「……優れたマスターは、自分のサーヴァントですらないサーヴァントでも理解してしまうのでしょうか?」

 

 サーヴァントは全盛期の姿で召喚されるって聞いた。つまり、記憶が無いとしても体は戦い方を覚えているはずなんだ。もちろんハンデはあるだろうけど、彼の動きはそれを考えてもおかしかった。

 

「私は――どうやら戦いに憂いを抱いている」

 

 自分の技量に絶大な信頼を置いているアーチャーは、幾つの聖杯戦争に参加し、勝利したのか覚えていなくとも負けたとは思わないらしい。

 

 その自信には呆れるやら感服するやら、何とも言えない気持ちになった。

 でも、素人のオレから見てもあの弓捌き(と言っていいのかな?)は確かに凄いと思った。

 

 あ、また何か引っかかった。喉元まで出かかっているんだけどなあ……。もやもやする。

 

「そして生前も、恐らく私は敗北などしなかった。……それゆえに――」

 

 そこでアーチャーは不自然に言葉を切った。

 

「どうし――!? ? !??」

「え、あ、あの、なんで泣いて――!?」

 

 ポロポロと、呆然とした表情で涙を流し始めたサーヴァントにオレもマシュも狼狽える。

 待って!? どうすればいいのこれ!?

 

 

「わかりません、何故このようなことを思うのか。――あの瞬間、矢を放たなければ良かった、などと

 いつ、どこで、だれを、なぜ――

 見つからないのです、会いたいのに、どこを探しても――!」

 

 

 オレもマシュも声をかけることが出来ないまま、彼の慟哭を聞いていた。

 

 

 

「あの時、私が、私が死ねば――!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――その先をいう事は許さんぞ、アーチャー」

 

 

「――――!」

「え、誰……!?」

 

 バッと後ろを振り向くと、サーヴァントらしい誰かが立っていた。――何故かその姿に既視感を覚える。

 らしい、というのは黒い靄で覆われ、その正体が分からないからだ。冬木でよく見かけるシャドウサーヴァント……なのか?

 冬木だけに限らず、シャドウサーヴァントはまぎれもない殺意をオレ達に向けてきた。でも、このサーヴァントからは敵意が感じられない。

 

 敵意、殺意というよりこれは怒りだ。それもオレやマシュじゃない――アーチャーに向けられている。

 

「お前が――いや、オレたちがその先を言うことは決して許されない」

「お前は……誰だ!? いや、違う、私は、私が殺したのは……!?」

「後悔しているのはオレも同じだ。だが、否定をしてしまえばそれこそアイツの死は無意味なものとなるぞ」

「――ッ!!」

 

 どこに激高したのか、所詮部外者であるオレ達にはわからない。

 わかるのは、今、アーチャーが放った一手は、■■■■■に比べてとても乱暴なものだってくらい――。

 

 あれ? オレ、いま誰と比べた?

 

「アーチャーさん落ち着いてください! まだ彼が敵と決まったわけでは――!?」

「……分かっています、分かっていますが……。私はどうあってもあの男が、いや

 

 

 私は、お前が許せない!! 理不尽だとはわかっている――何故間に合ってくれなかった!?」

 

 

 アーチャーのその言葉に、サーヴァントは息を呑み、辛そうに目を伏せる。

 まるで、そこには居ない誰かを見つめるように。

 

「――少しは調子が戻ってきたか。その猛り、理不尽な憎悪。その傲慢さこそがお前の真価だ。だが

 

 

 お前がそう言うのなら――何故気づかなかった!? アレがオレではないことに、誰よりもオレを憎んでいたお前がなぜ!?」

「――ぐっ!!」

 

 

 血を吐くような叫びと共に、サーヴァントはいつの間にか手に持っていた槍をアーチャーに振り下ろす。彼は弓でかろうじてそれを受け止め、大きく後ろへと跳んだ。

 

「神罰の如き怒りを、誰はばかることなく振り下ろすがいい。なに、遠慮は無用だ

 オレも一切の手心無く、この影の槍をおまえの喉に打ち込もう!」

 

 槍を持ったサーヴァントは甲板を蹴り、アーチャーとの距離を一気に詰める。

 

「アーチャー避けろ! マシュ!!」

「はい! マシュ・キリエライト、援護します!」

 

 

 

 

 

 

 アーチャーと恐らくランサーの戦いは激しいなどというレベルなんかじゃなくて、船が壊れないのが不思議なくらいだった。

 マシュに援護させているけど、精細さを欠いたアーチャーに出来る隙をカバーするのが精いっぱいだ。

 

「先輩っ……! このままでは!」

「…………!」

 

 例えば、オルレアンのように令呪を使ってマシュをランサーの背後に……。

 いや、ダメだ。マシュが弱いってわけじゃないけど、あのランサーはそんな小細工が通用するような相手じゃあない。

 

 それに――マシュが倒すんじゃだめだ。

 

 この戦いが彼らの中に残らないとしても――アーチャーが、自分の手で決着をつけないと――!!

 

「っ、ああっ!!」

「マシュ!?」

 

 ランサーの槍に耐えきれず、マシュが吹き飛ばされる。

 そのまま海に放り出されるのを、ギリギリのところで体を滑り込ませて受け止めることが出来た。

 

「あぐっ! ……っ」

「先輩っ!? そんな、大丈夫ですか!?」

「だ、大丈夫。背中打っただけ……」

 

 マシュ自身の体重はそんなにないんだろうけど、鎧と盾の重さにGが加わって衝撃が凄かった。あと背中が凄い痛い。

 

「くっ……!」

 

 ハッと前を向くとアーチャーの腹部を槍が切り裂き、白い服を赤く染めていた。

 

「アーチャーさん!?」

「くそっ、このままじゃ……!」

 

 

 

「くっ、うぅ……!」

「無様だなアーチャー。アイツを見つけられず、謝ることもできず、過去に囚われ過ぎた結果がそれか」

「だ、まれっ」

「今のお前をアイツはどう思うだろうな」

「黙れっ!!」

 

 

 

「アーチャーさん、落ち着いて! 先輩からも――先輩?」

「――あ」

 

 わかった。さっきから感じる引っ掛かりの正体が、いま。

 

「マシュ、頼みがあるんだけど――」

 

 

 

 

 

「っ……!」

 

 腹部の痛みと、出血の多さにアーチャーは耐えきれずに膝をついてしまった。

 

「……ここまでのようだな」

「…………!」

 

 失望の色をにじませるその声に、アーチャーは影を睨みつけるが言い返すことはできなかった。

 

 ――何が、「自分の技量に絶大な信頼を置いている」だ。肝心なところで、矢を放つこともできないくせに!――

 

 影の槍がアーチャーの頭上に振り下ろされた――

 

 

 

 

 

「はぁあああああ!!」

「――!」

 

 寸前、マシュは2人の間に飛び込み振り下ろされ槍を受け止めた。重い一撃にマシュは危うく体勢を崩しかけるが、それを耐え切り、槍を弾き返す。

 

 その勢いのままサーヴァントをアーチャーから引き離し、近づけさせないようにする。

 

「アーチャー!」

「!」

 

 その様子を呆然と見つめるアーチャーの下に玲は駆け寄った。

 血で染まった服を見て顔をゆがめ、すぐに礼装を使い治療をする。

 

「ありがとう、ございます……」

「……なんで矢を放たないの」

 

 玲の言葉にアーチャーが息を止め、視線を下へ落とす。

 

 ――その行動は、先ほどのシャドウサーヴァントと全く同じだった。

 

「……ダメなのです。あの男を倒したい、倒さねばならない。なのに――」

 

 そういう彼の目に光はなく、視線はどこか遠くを――今の彼にはない過去を見ていた。

 

「オレはアーチャーの事も、あのサーヴァントの事もなんも知らない。でも」

 

 そこで玲は一度言葉を切り、ぐらぐらと焦点が定まらないアーチャーの目を正面から見つめた。

 

 

「その誰かは、今のアーチャーを見ても喜ばない。自分を責めるだけだよ」

「―――――!」

 

 

 ぐっ、と甲板の上でアーチャーはこぶしを握り締め、固く目を閉じる。

 

 目を開いた時、アーチャーの目には確りと光が宿っていた。

 

 

 

「……情けない姿を見せてしまいましたね」

「気にしないで。カルデアだと情けないどころか、英霊にもなって黒歴史レベルの恥ずかしい姿を見せる人たちもいるから」

 

 茶化すように言う玲にアーチャーはフッと笑い、立ち上がった。

 真っ直ぐに矢をつがえ、相手を見据えるその姿は、玲が見慣れた姿と同じだった。

 

「彼女を下がらせてください。このままでは、矢が当たってしまうかもしれません」

「――いや、アーチャーのタイミングでやって。それに合わせてオレが合図する」

 

 彼の言葉に、アーチャーは信じられないと目を見開く。無理に決まっていると、もう一度マシュを下げるように進言しようとしたが――自信に満ちた玲の目を見て抗議の言葉は消えていった。

 

「……いいでしょう。後悔しないように」

「あはは。分かってるって」

 

 軽いようで真剣な玲に溜息を一つ吐き、アーチャーはタイミングを計る。

 

 ランサーの動き、マシュの動き。風の向き、速さ、強さ。自分の呼吸。

 それら全てが完璧に合わさり、確実に射抜くことのできるその瞬間を――。

 

 

「―――はっ!」

「―――マシュッ!」

 

 アーチャーが矢を放つのと玲が声を出すのは全く同じで、玲と長く時間を共にしていたマシュはすぐさまそれに反応することが出来た。

 

 シャドウサーヴァントは予想外の――真正面の死角から来た矢に反応することが出来ず、

 

 

 アーチャーの放った矢がシャドウサーヴァントを貫いた。

 

 

 

「やった……!」

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

 マシュが勝利に喜びの声を上げると同時に、アーチャーは息を切らして甲板に膝をつく。

 玲によって立て直したとはいえ、相当トラウマになっているのだろう。顔色は悪く、辛そうだった。

 

「……ここまでだな。我らは互いに、もう一度『神の詩(バガヴァッド・ギーター)』を問い直す必要がある。話はそれが終わってからだ。……そこのマスター」

「えっ、あ、はい」

 

 突然声を掛けられて間抜けな返事をしてしまい、きまりが悪そうに笑う玲にシャドウサーヴァントは、ふと笑った。

 

「……余計な世話だろうが、彼を導いてやってくれ。それは君にしかできないことだ」

 

 そういうと、彼の姿はどんどん薄くなっていく。

 

「待ってください! 一体、何が目的で……」

「敵に答える義理はない。そもそも、オレの目的など小さなものだ」

 

 素っ気なく答えるサーヴァントにマシュは言葉を詰まらせる。

 が、玲は思わず吹き出してしまった。

 

「せ、先輩?」

「ごめ、だって、聞いてたより言葉が足りないんだなあって。やっぱり兄弟だからわかるのかな」

 

 兄弟――その言葉に、サーヴァントは大きく目を見開いた。

 

「……そう、か。いるのだな、アイツは、オレの――」

 

 影に覆われ、上手く判別できない彼の頬にしずくが流れ落ちたのは気のせいだったのか。

 最後まで言い終える前に、彼の姿は黄金色の粒子となって消えていった。

 

 

 

「……マスター、私は後悔しています。あの時、矢を射る前に気づけなかったことに。できる事なら、あの瞬間を無かったことにしたい

 しかし――あの『誰か』が、それを望むことは決してないのでしょう」

 

 アーチャーが言葉を紡ぐごとに、雲に覆われた空が晴れ渡っていく。

 

 

「……どうやら嵐は過ぎ去り、夢からも覚めるようです

 私は未だ彷徨うもの。もしも現実で会えた時は、共に『誰か』を探していただければ嬉しく思います

 ――さようなら、我がマスター。また会える日をお待ちしております」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……きて」

 

 ……?

 

「起きてください、マスター!」

 

 

 

 目を覚ますとそこは、見慣れた医務室の天井。

 覗き込んでいるのは、見慣れた赤と金の色彩だった。

 

「……スラクシャ?」

「ああ良かった……! レイシフトに失敗して――マシュさんは先に目を覚ましたのに、マスターだけ中々起きないからみんな心配したんですよ」

「あー、うん、ごめんね。……スラクシャは大丈夫だった?」

「私は何故かレイシフトできなかったので、ずっとカルデアにいましたよ」

「そっか……。スラクシャ」

「はい?」

「がんばって。相談くらいは俺も乗るから」

「はい!?」




ぐだーずは召喚で来た英霊の逸話はすべて調べてるイメージが。

それと番外編を改めて別に投稿しなおしました。
私が未だに小説投稿機能を使いこなせてないばかりに申し訳ございません。
整理という形で移しましたので、今は新しい話はありません。


誤字脱字、感想ありましたらどうぞ。



追記 先ほどから投稿したり削除したりで申し訳ありません。
   今ちょうど整理できたところですのでもう大丈夫です。

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